fbpx

採用CXとは?メリット・デメリットから失敗しない進め方まで徹底解説

採用CXとは?メリット・デメリットから失敗しない進め方まで徹底解説

recruitment-cx_image01

「採用CXを改善したいけど、何から始めればいいかわからない…」

「候補者からの応募が思うように集まらず、歩留まりも悪い…」

このように悩む採用担当者の方に向けた記事です。

この記事でわかること

  • 採用CXに注力する5つのメリット
  • 採用CX改善7ステップ
  • HELLOBOSSを活用した採用CX成功事例

採用CXの向上は、候補者視点に立った一連の体験価値を高めることで実現し、持続可能な採用体制の構築に不可欠です。

人材獲得競争が激化する現代において、優れた候補者体験は応募数の増加や内定承諾率の向上に直結し、企業の採用ブランドを大きく左右するからです。

この記事を読めば、採用CXの基本から具体的な改善ステップ、成功事例までを網羅的に理解し、自社に合った効果的な施策を実行できるようになります。

最後まで読んで、さっそく採用CXの改善を始めていきましょう。

採用CXの改善をAIで効率化しませんか?

私たちが提供する「HELLOBOSS」は、10万人を超えるユーザーの中からAIが貴社に合う人材を自動推薦するツールです。

候補者とのコミュニケーションを円滑にするチャット機能や、採用活動を効率化する機能で、採用CXの向上をサポートします。

無料で試せるので、AIに最適な人材を推薦してもらいながら検討してみてください。

Contents

採用CX(Candidate Experience)とは、候補者が企業を認知し、応募してから入社に至るまでの一連のプロセスで得られる体験価値のことです。

日本語では「候補者体験」と訳されます。

採用活動を単なる「選考プロセス」として捉えるのではなく、候補者との重要なコミュニケーション機会と認識し、すべての接点における体験価値を高める考え方です。

採用CXに含まれる体験の例

  • 求人情報の分かりやすさ
  • 応募手続きの簡便さ
  • 面接での丁寧な対応
  • 合否連絡の速さと透明性
  • 内定後の手厚いフォロー

上記のような体験を通じて候補者が抱く感情や印象のすべてが良いものであって初めて、採用CXは向上します。

候補者一人ひとりに良い体験を提供し、自社のファンになってもらうための取り組みが採用CXの本質です。

近年、多くの企業で採用CXの向上が重要視されています。

その背景には、労働市場や人々の価値観の大きな変化があります。

採用CXが重視される4つの背景

  1. 少子高齢化で人材獲得競争が激化
  2. 転職率上昇・キャリア多様化
  3. SNS・口コミによる情報透明化
  4. 学生の企業選択行動の変化

一つずつ解説していきます。

少子高齢化で人材獲得競争が激化

少子高齢化による労働力人口の減少で、企業間の人材獲得競争は激しさを増しています。

少ない候補者を多くの企業が奪い合う「売り手市場」が常態化しているのが現状です。

総務省の統計でも日本の生産年齢人口は長期的に減少傾向にあり、企業は候補者から「選ばれる」ための努力が不可欠になりました。

出典:総務省|情報通信白書刊行から50年~ICTとデジタル経済の変遷~

他社との差別化を図り、優秀な人材に魅力を感じてもらうためにも、候補者に良い印象を与える採用CXの向上が求められます。

転職率上昇・キャリア多様化

終身雇用の価値観は薄れ、転職を通じてキャリアを形成することが一般的になりました。

一つの企業に留まらず、スキルアップやより良い労働条件を求めて職場を移る人が増えています。

出典:厚生労働省|転職入職率等の推移

副業やフリーランスといった働き方も普及し、個人のキャリアは多様化しています。

もはや「一度入社すれば安泰」という時代ではなく、企業は常に候補者から選ばれる立場にあると認識しなくてはなりません。

魅力的な候補者体験を提供できない企業は、優秀な人材から敬遠されてしまうでしょう。

SNS・口コミによる情報透明化

SNSや口コミサイトの普及により、企業のリアルな情報を候補者が簡単に確認できるようになりました。

候補者は企業が発信する公式情報だけでなく、元社員や現役社員による第三者の評価も参考にして応募先を決める傾向があります。

候補者が参考にする情報サイトの例

  • X
  • OpenWork
  • Lighthouse
  • 転職会議 など

選考過程でのネガティブな体験は、プラットフォームを通じて拡散されるリスクがあります。

一度ついた悪い評判を覆すのは容易ではありません。

一つひとつの候補者体験を丁寧に行い、良い評判が自然と広まるような取り組みが必要です。

学生の企業選択行動の変化

特にZ世代と呼ばれる若い世代を中心に、企業を選ぶ際の価値観が大きく変化しています。

かつて重視された安定性や給与といった条件だけでなく、自己成長や社会への貢献、働きがいを求める傾向が顕著です。

項目従来の価値観現代の価値観(Z世代など)
企業選びの軸安定性、給与、企業の知名度自己成長、働きがい、社会貢献
主な情報源就職ナビサイト、会社説明会SNS、口コミサイト、インターンシップ
求める働き方終身雇用、会社への貢献ワークライフバランス、柔軟な働き方

価値観の変化に対応し、候補者の心に響くメッセージを発信しなくてはなりません。

企業の理念や文化を体感できるような採用CXを設計することが、これからの時代に選ばれる企業になるための第一歩です。

採用CXに注力することで、企業には下記のメリットがあります。

採用CXに注力する5つのメリット

  1. 応募率・歩留まりの改善
  2. 企業ブランドの向上と情報拡散
  3. 入社後の定着率の向上
  4. リファラル採用の促進
  5. 採用コスト・工数の削減

候補者体験の向上は、採用活動のさまざまな側面に良い影響を与えます。

くわしく見ていきましょう。

応募率・歩留まりの改善

採用CXの向上は、応募率の向上と選考過程での離脱率低下、つまり「歩留まり」の改善に直結します。

候補者にとってポジティブな選考体験が、入社意欲を高め、他社への流出を防ぎます。

改善が期待できる歩留まりの例

  • 書類選考通過率
  • 面接設定率
  • 一次面接通過率
  • 最終面接通過率
  • 内定承諾率

各選考ステップで丁寧なコミュニケーションを重ねることで、候補者は企業への信頼感を深めます。

結果として、内定承諾率の向上も期待できるでしょう。

企業ブランドの向上と情報拡散

優れた候補者体験は、企業の採用ブランドを向上させ、ポジティブな情報の拡散につながります。

良い体験をした候補者が、知人やSNSなどを通じて自発的にその経験を共有してくれるためです。

ポジティブな情報が拡散されるチャネルの例

  • 口コミサイト
  • SNS
  • 知人や友人への紹介
  • 大学のキャリアセンター など

たとえ採用に至らなかった候補者でも、企業のファンとして良い評判を広めてくれる存在になり得ます。

長期的に見て、これは強力な採用資産となります。

入社後の定着率の向上

採用CXへの注力は、入社後のミスマッチを防ぎ、社員の定着率向上にも貢献します。

選考段階から企業文化や業務内容について透明性の高い情報を提供すると、候補者は入社後の働き方を正確にイメージできます。

ポイント

リアルな情報提供を通じて期待値のズレをなくし、入社後に「こんなはずではなかった」と感じる事態を防ぎます。

納得感を持って入社した社員は、組織へのエンゲージメントが高まりやすく、早期離職のリスクを低減できます。

リファラル採用の促進

採用CXの改善は、社員による友人・知人の紹介、すなわちリファラル採用の活性化を促します。

社員が自社の採用プロセスに自信と誇りを持つと、知人を紹介する際の心理的なハードルが下がります。

「自分の会社は候補者を大切に扱ってくれる」という信頼感は、社員を後押しする重要な要素です。

結果として質の高い母集団形成につながり、採用活動の好循環が生まれます。

参考記事:リファラル採用が難しい理由とは?注意点や失敗しないコツも解説

採用コスト・工数の削減

長期的に見ると、採用CXへの投資は採用全体のコストと工数の削減につながります。

歩留まりの改善やリファラル採用が増加すれば、広告費や人材紹介手数料といった外部コストへの依存を減らせます。

削減が期待できるコスト・工数の例

  • 求人広告費
  • 人材紹介エージェントへの成功報酬
  • 再募集にかかる費用
  • 面接の日程調整などの採用工数 など

定着率が向上すれば、欠員補充のための採用活動が減り、人事担当者の負担も軽減されます。

採用CXは、効率的で持続可能な採用体制を築くための投資と言えるでしょう。

参考記事:【徹底解説】採用コストのムダを削減する17の具体的アクション

採用CXは、候補者が企業を認知してから入社するまでの一連の流れで構成されます。

企業と候補者の関係性は、下記の9つのステージを経て構築されていきます。

採用CXの9ステージ

  1. CXの方針を決める
  2. ペルソナを設定する
  3. KGIとKPIを設定する
  4. 認知活動|SNS/オウンド/広告
  5. 応募|エントリーフォーム
  6. 選考|面接体験
  7. 内定通知
  8. 内定者フォロー
  9. オンボーディング

これらのステージごとに候補者との接点(タッチポイント)が存在します。

各ステージで体験価値を高める工夫が求められます。

くわしく見ていきましょう。

①CXの方針を決める

まず採用活動のゴールを明確にし、どのような候補者体験を提供したいのか、その基本方針を定めます。

「迅速で丁寧な対応」「誠実で透明性の高い情報提供」など、自社が目指すCXの姿を言語化することが第一歩です。

この軸が定まっていないと、担当者によって対応がブレてしまい、一貫性のない候補者体験を提供するリスクがあります。

この方針が、以降のすべての施策における判断基準となります。

②ペルソナを設定する

次に、採用したい理想の人物像(ペルソナ)を具体的に設定します。

ペルソナが明確になることで、ターゲットに響く情報発信やアプローチが可能になります。

ポイント

ペルソナでは、スキルや経験だけでなく、価値観や志向性、情報収集の方法まで細かく定義します。

設定したペルソナは、求人票の言葉選びや面接での質問内容、採用チャネルの選定など、あらゆる場面で活用されます。

現場の社員や経営層にヒアリングを行い、解像度の高いペルソナを作り上げましょう。

参考記事:採用ペルソナの作り方完全ガイド|テンプレートと7ステップのフレームワーク

③KGIとKPIを設定する

方針とペルソナに基づき、採用活動の最終目標(KGI)と、達成度を測るための中間指標(KPI)を定めます。

数値を設定することで、施策の効果を客観的に評価し、改善につなげやすくなります。

目標設定の例は、下記のとおりです。

指標具体例
KGI(最終目標)半年以内にエンジニアを5名採用する
KPI(中間指標)・応募数:月間50件
・書類選考通過率:30%
・内定承諾率:60%

各KPIの数値を定期的に計測することで、どのステージに課題があるのか(ボトルネック)を特定しやすくなります。

KGIから逆算して各ステージのKPIを設定することが、目標達成への道筋を明確にします。

参考記事:採用KPIを設定する5ステップ|4つの運用のコツと注意点も解説

④認知活動|SNS/オウンド/広告

候補者が自社を最初に知る段階です。

SNSでの情報発信、オウンドメディアの記事、求人広告など、ペルソナが接触する可能性の高いチャネルで企業の魅力を発信します。

  • 社員インタビューを通じて仕事のやりがいを伝える
  • ブログで社内の文化を紹介する

この段階で一貫性のあるメッセージを伝えることが、後の応募動機に影響を与えます。

参考記事

  • 採用SNS戦略を成功させる!利点を最大化する10のステップ徹底解説
  • 【完全解説】オウンドメディア採用の成功事例|成功する10ステップ

⑤応募|エントリーフォーム

候補者が興味を持ち、実際に行動を起こすステージです。

応募のハードルを下げ、機会損失を防ぐためにエントリーフォームの最適化が欠かせません。

エントリーフォーム改善の例

  • 入力項目の削減
  • スマートフォン表示の最適化
  • 応募完了までのステップの明示 など

エントリーフォームのイメージは以下のとおりです。

少しでも「面倒だ」と感じさせると、優秀な候補者ほど早く離脱してしまいます。

候補者がストレスなく応募できるスムーズな体験を提供しましょう。

⑥選考|面接体験

候補者と企業が直接コミュニケーションをとる、CXの中核となるステージです。

面接官の態度や質問内容、雰囲気づくりが、候補者の入社意欲を大きく左右します。

面接官は事前に応募書類をしっかりと読み込み、候補者に合わせた質問を準備することが、有意義な対話につながります。

候補者の話を真摯に聞き、対等な立場で対話する姿勢が求められます。

面接体験を向上させるためには、以下のような点を意識すると良いでしょう。

フェーズ具体的なアクション
面接前・面接官のプロフィールを事前に共有
・オフィスへの地図やWeb面接のURLを前日までにリマインド
面接中・アイスブレイクで緊張をほぐす
・面接官も自己開示を行う
・候補者の話を遮らず、最後まで聞く
面接後・合否に関わらず、今後の活躍を願う言葉を添える
・次の選考に進む場合は、今後の流れを明確に伝える

これらの小さな配慮の積み重ねが、候補者の満足度を高め、企業への好印象につながります。

⑦内定通知

内定はゴールではなく、新たな関係の始まりです。

単に結果を伝えるだけでなく、候補者のこれまでの頑張りを称え、入社を歓迎する気持ちを伝えることが重要です。

ポイント

電話で内定を伝えた後、期待する役割や魅力を改めて伝える手紙やメールを送付すると、より特別感を演出できます。

競合他社に先を越されないためにも、最終面接から1〜3営業日以内など、スピーディーな連絡をルール化しておくと良いでしょう。

内定ブルーを防ぎ、入社への期待感を高めるための丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。

⑧内定者フォロー

内定承諾から入社までの期間、候補者の不安を解消し、エンゲージメントを維持するためのフォローを行います。

定期的なコミュニケーションが、内定辞退の防止につながります。

内定者フォローの施策例

  • 先輩社員とのオンライン座談会
  • 社内イベントへの招待
  • 定期的な情報提供(社内報など)
  • 入社前研修 など

すべての内定者に同じ内容を送るのではなく、職種や個人の志向に合わせてコミュニケーション内容を変えることで、より「自分ごと」として捉えてもらえます。

内定者が安心して入社日を迎えられるよう、手厚いサポート体制を築きます。

⑨オンボーディング

入社後、新入社員が組織にスムーズに馴染み、早期に活躍できるよう支援するプロセスです。

採用CXは入社して終わりではありません。

入社者がスムーズに組織の一員となるためには、多角的なサポートが効果的です。

具体的には、以下のような施策が考えられます。

サポートの種類具体的な施策例
事務的サポート・入社手続きの案内
・必要な備品(PC、名刺など)の事前準備
業務的サポート・業務マニュアルの整備
・1on1ミーティングの定期実施
精神的サポート・メンター制度の導入
・歓迎ランチ会の開催

これらの取り組みを通じて、新入社員の不安を解消し、早期にパフォーマンスを発揮できる環境を整えることが、長期的な定着につながります。

採用CXを改善するには、まず現状を正しく把握し、課題を発見することが不可欠です。

やみくもに施策を打つのではなく、データに基づいて客観的に自社を見つめ直しましょう。

採用CX診断と課題発見の4ステップ

  1. 接点の洗い出し
  2. 定量KPI+定性アンケートで評価
  3. ボトルネックと優先順位付け
  4. 目標・指標設定と社内共有

これらのステップを着実に実行することで、効果的な改善策が見えてきます。

一つずつ解説していきます。

①接点の洗い出し

まず、候補者が自社を認知してから入社後に至るまでの、すべての接点(タッチポイント)を時系列で洗い出しましょう。

候補者の視点に立ち、どのようなプロセスを経て、どのような体験をしているかを可視化することが目的です。

例えば、以下のようにステージごとのタッチポイントを整理します。

ステージ主な接点(タッチポイント)
認知・SNS
・Web広告
・オウンドメディア
・口コミサイト
応募・求人サイト
・自社採用ページ
・エントリーフォーム
選考・書類選考通知
・面接日程調整の連絡
・面接
・合否連絡
内定・入社・内定通知
・内定者フォロー
・オンボーディング

このマップを作成することで、見落としていた接点や、改善すべきポイントが明確になります。

②定量KPI+定性アンケートで評価

次に、洗い出した各接点での体験を「定量的」と「定性的」の両面から評価します。

定量データだけでは見えない、候補者の生の声を聞くことが課題発見の質を高めます。

定量評価では、各選考段階の通過率や応募完了率などのKPIを分析します。

一方で定性評価では、選考辞退者や内定者、入社後の社員にアンケートやヒアリングを実施し、「なぜそのように感じたのか」という具体的な理由を探ります。

参考記事:採用KPIを設定する5ステップ|4つの運用のコツと注意点も解説

③ボトルネックと優先順位付け

評価によって課題が明らかになったら、どこから手をつけるべきか優先順位を決めましょう。

すべての課題に一度に取り組むのは非現実的なため、最も効果的な打ち手を見極める必要があります。

課題の優先順位は、改善によって得られる「インパクトの大きさ」と、施策の「実現のしやすさ」の2つの軸で判断するのが一般的です。

まずはインパクトが大きく、かつ実現性が高い課題から着手しましょう。

④目標・指標設定と社内共有

優先課題が決まったら、具体的な改善目標と、その達成度を測る指標を再設定します。

目標は、具体的で測定可能なものにすることが不可欠です。

目標設定の質を高めるために、SMARTの法則というフレームワークが役立ちます。

SMARTの法則とは

  • Specific:具体的で分かりやすいか
  • Measurable:測定可能か、数値で測れるか
  • Achievable:達成可能か
  • Relevant:KGIなどの最終目標と関連性があるか
  • Time-bound:期限が明確か

このフレームワークを使って、目標をより具体的にしてみましょう。

例えば、「応募数を増やす」という曖昧な目標をSMART化すると、以下のようになります。

項目良い目標例
S (具体的)SNS経由での新卒エンジニア職の応募数を増やす
M (測定可能)月間30件まで増やす(現状は月10件)
A (達成可能)過去の施策実績から、3ヶ月で3倍は現実的な範囲
R (関連性)エンジニア採用というKGIに直結する
T (期限)3ヶ月後のX月末までに達成する

目標を具体化することで、何をすべきかが明確になり、進捗も追いやすくなります。

最後に、決定した課題、優先順位、そして具体化した目標を関係部署(経営層、現場の面接官など)に共有しましょう。

全社で課題意識を統一し、協力体制を築くことが改善の成功率を高めます。

ここからは、具体的な採用CXの改善ステップを解説します。

課題の発見から改善策の実行、そして効果測定までを一つの流れとして捉えましょう。

採用CX改善7ステップ

  1. ペルソナを再定義する
  2. ストーリーボードを設計する
  3. 迅速なコミュニケーション体制を構築する
  4. Web・モバイルのUI・UXを最適化する
  5. 面接体験を演出し第一印象を強める
  6. 内定後のフォローとファン化施策を打つ
  7. 効果を測定しPDCAを回す

これらのステップに沿って進めることで、候補者体験を効果的に向上させられます。

一つずつ見ていきましょう。

ステップ1|ペルソナを再定義する

まず、採用ペルソナが現状に合っているかを見直しましょう。

採用活動がうまくいかない場合、そもそもターゲット設定がズレている可能性があります。

注意

市場の変化や事業戦略の変更に合わせて、求める人物像は常に変化するものです。

以前設定したペルソナのままだと、アプローチにズレが生じ、ミスマッチが起こる可能性があります。

最新の採用データや現場の声を基に、ペルソナをアップデートしましょう。

参考記事:採用ペルソナの作り方完全ガイド|テンプレートと7ステップのフレームワーク

ステップ2|ストーリーボードを設計する

次に、再定義したペルソナがどのような感情や思考で採用プロセスを体験するかを可視化する「ストーリーボード」を設計します。

このプロセスは、採用活動における「おもてなしの設計図」を作る作業とも言えます。

候補者の感情の起伏を予測することで、どのタイミングでどのようなアプローチが効果的かが見えてきます。

ストーリーボードには、以下のような要素を盛り込みましょう。

項目記載する内容
ステージ認知、応募、選考、内定など
タッチポイントSNS、採用サイト、面接など各ステージでの接点
候補者の行動各タッチポイントで候補者がとる具体的な行動
候補者の感情・思考行動の裏にある感情や思考、期待、不安など
改善のアイデア感情をポジティブにするための施策アイデア

この設計を通じて、候補者の視点に立った一貫性のあるアプローチを計画できます。

各タッチポイントで候補者の感情がどのように動くかを具体的に想像することで、より共感を呼ぶ施策が生まれます。

ステップ3|迅速なコミュニケーション体制を構築する

候補者からの問い合わせや応募に対して、迅速かつ丁寧に対応できる体制も整えましょう。

連絡の遅れは、候補者の不安や不信感を招き、機会損失に直結するためです。

返信が早いだけで、候補者は「自分は大切に扱われている」と感じ、志望度が上がることがあります。

  • 応募から24時間以内に一次連絡を入れる
  • 面接の合否は3営業日以内に通知する
  • 候補者からの質問メールには半日以内に返信する

採用担当者だけでなく、面接官も含めてレスポンス速度の重要性を共有することが大切です。

可能であれば、ATS(採用管理システム)を導入し、対応漏れや遅れを防ぐ仕組みを整えることも検討しましょう。

迅速なコミュニケーションはHELLOBOSSにお任せ

候補者との迅速なコミュニケーションを実現するには、採用ツール「HELLOBOSS」のチャット機能がおすすめです。

メールよりも開封率や返信率が高く、候補者と気軽にやり取りできるため、スピーディーな関係構築が可能です。

ポイント

候補者からの連絡を見逃さず、すぐに対応できる体制が整うことで、機会損失を防ぎ、採用CXを大きく向上させます。

無料なので、まずは候補者とのスムーズなやり取りを体験してみてください。

ステップ4|Web・モバイルのUI・UXを最適化する

採用サイトやエントリーフォームが、スマートフォンでも見やすく、使いやすいかを確認してください。

多くの候補者は、移動中などの隙間時間にスマートフォンで情報収集や応募を行います。

表示崩れや入力のしにくさは、応募意欲を大きく削いでしまいます。

確認するポイント

  • エントリーフォームの入力項目は多すぎないか
  • ページの読み込み速度は遅くないか

候補者がストレスを感じないよう、モバイルファーストの視点で見直しを行いましょう。

ステップ5|面接体験を演出し第一印象を強める

面接は、候補者が企業を最も強く印象付けられる場面です。

面接官は候補者を評価するだけでなく、自社の魅力を伝える「広報担当」としての役割も担っています。

単なる質疑応答ではなく、候補者にとって「有意義な時間だった」と感じてもらえるような体験を演出しましょう。

ポイント

  • 面接官は会社の「顔」であることを意識する
  • 面接の冒頭でアイスブレイクの時間を設ける
  • 候補者のキャリアプランに寄り添う質問をする

面接官トレーニングを実施し、応対品質の基準を全社で統一することも重要です。

ポジティブな面接体験は、入社意欲の向上に大きく貢献します。

ステップ6|内定後のフォローとファン化施策を打つ

内定承諾後から入社までの期間は、内定辞退のリスクが最も高い時期の一つです。

この期間に適切なフォローを行い、候補者を自社の「ファン」にすることが重要になります。

たとえ今回入社に至らなくても、ファンになった候補者は将来の顧客や、再応募者になる可能性があるからです。

具体的には、以下のような施策が考えられます。

施策のカテゴリ具体的な施策
情報提供・社内報やブログの共有
・プロジェクトの進捗報告
コミュニケーション・先輩社員とのオンライン座談会
・内定者同士の懇親会
・人事担当者との定期的な面談
スキルアップ支援・入社前研修の実施
・推薦図書の案内

内定者の不安を取り除き、入社への期待感を高めるためのコミュニケーションを継続しましょう。

ステップ7|効果を測定しPDCAを回す

実施した改善策が実際に効果を上げているか、設定したKPIを用いて定期的に測定します。

内定者アンケートの結果や、採用サイトのアクセス解析データなどを基に、施策の効果を客観的に振り返りましょう。

採用CXの改善は一度で終わるものではありません。

「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)」のPDCAサイクルを回し続けることで、継続的に候補者体験を向上させていきましょう。

採用CXの改善には多くの工数がかかりますが、AIやATS(採用管理システム)を活用することで、業務を効率化し、体験価値を自動で最適化できます。

ここでは、代表的な3つの活用方法を紹介します。

AI・ATSの活用方法

  • HELLOBOSSで候補者マッチングを高速化
  • チャットボットで24時間の問い合わせ対応
  • データドリブンで改善

それぞれ解説していきます。

HELLOBOSSで候補者マッチングを高速化

採用活動にAIを導入するなら「HELLOBOSS」がおすすめです。

10万人以上のユーザーの中から、貴社の求める経験やスキルを持つ人材をAIが自動でマッチングします。

採用担当者が候補者を探す手間を大幅に削減できるだけでなく、これまで出会えなかった優秀な転職潜在層にアプローチできる可能性が広がります。

無料から始められるので、まずは気軽にAIによるマッチングの効果を体験してみてください。

チャットボットで24時間の問い合わせ対応

採用サイトにAIチャットボットを導入すれば、候補者からのよくある質問に24時間365日、自動で対応できます。

候補者は時間帯を気にせず、疑問をすぐに解消できるため、満足度の向上につながります。

  • 選考フローに関する質問
  • 勤務地や福利厚生について
  • 会社説明会の開催日程

人事担当者は定型的な問い合わせ対応から解放され、より個別性の高いコミュニケーションに集中できます。

参考記事:【徹底比較】AI採用のメリット・デメリットと現場の成功事例を紹介

データドリブンで改善

ATSに蓄積されたデータを分析することで、採用CXの課題を客観的に特定し、改善策を立案できます。

勘や経験に頼るのではなく、データに基づいた意思決定(データドリブン)が可能になります。

例えば、以下のようにデータと改善アクションを結びつけられます。

分析するデータ改善できるCXの例
チャネル別の応募数ペルソナに合った採用媒体へ広告費を集中させる
エントリーフォームの離脱率入力項目を減らし、応募のハードルを下げる
選考ステップごとの辞退率辞退が多いステップの面接内容や連絡方法を見直す

このようにデータを活用することで、PDCAサイクルを高速で回し、継続的に採用CXを最適化していきましょう。

HELLOBOSSを活用して採用CXの向上に成功した企業の事例を紹介します。

具体的な成功イメージを持つことで、自社での活用方法が見えてくるでしょう。

HELLOBOSSの成功事例

  • ナビサイトに未登録の学生にアプローチして100名エントリー
  • AIでドライバーに合うアプローチを実施して有効応募率90%以上
  • 動画とAIのアプローチで飲食店の店長候補者を多数獲得
  • AI電話や専属サポートを実施して2ヶ月で500エントリー

HELLOBOSSは、AIによる高精度なマッチングと、候補者と直接つながるチャット機能で、多くの企業の採用活動を支援してきました。

採用が難しいとされる業界・職種でも、採用単価の削減や母集団形成に成功した事例が多数あります。

ぜひ、自社の採用活動の参考にしてみてください。

ナビサイトに未登録の学生にアプローチして100名エントリー

ある自動車ディーラーでは、26卒向けの説明会やインターンの集客でHELLOBOSSを活用しました。

ナビサイトにまだ登録していない優秀な学生層に対し、早期にアプローチすることに成功しています。

ポイント

これまで獲得できていなかったハイクラス層の獲得に成功し、結果として100名のエントリーを獲得しました。

早期の段階で競合他社に先んじて、質の高い母集団を形成した事例です。

AIでドライバーに合うアプローチを実施して有効応募率90%以上

若手人材の確保に苦戦していた地方の運輸会社では、ドライバー採用にHELLOBOSSを導入しました。

AIがターゲットに的確なアプローチを実行したことで、有効応募率は90%以上を達成しています。

さらに、既存の求人媒体を利用した場合と比較して、一人当たりの採用単価を30%削減することにも成功しました。

動画とAIのアプローチで飲食店の店長候補者を多数獲得

採用単価が高騰しがちな飲食店の店長候補ポジションにおいて、HELLOBOSSが活用されました。

動画コンテンツで訴求力を磨き込み、AIによる的確なアプローチを組み合わせることで、ターゲットからの多数の応募獲得に成功しています。

今では、最も獲得効率の良い採用ツールの一つとして活用されています。

AI電話や専属サポートを実施して2ヶ月で500エントリー

従来の求人媒体だけでは母集団形成が困難だったホテル・旅館業界でもHELLOBOSSが成果を上げています。

結果として、わずか2ヶ月で500応募以上の母集団形成に成功しました。

活用した機能・サポートの例

  • AI電話
  • 専属サポートによる候補者対応

これらの機能を活用することで、採用工数を削減しながら、採用数を大幅に引き上げることに成功した事例です。

採用CXの改善に取り組む際には、陥りがちな失敗と、それに伴うリスクを事前に理解しておくことが重要です。

ここでは、代表的な4つの失敗例とそのリスク管理について解説します。

採用CXでよくある失敗

  • 対応遅延によるネガティブ口コミ
  • 情報発信の一貫性欠如
  • 選考フローの属人化
  • KPI未設定で効果測定不可

あらかじめ失敗のパターンを知っておくことで、事前に対策を講じることが可能です。

一つずつ見ていきましょう。

対応遅延によるネガティブ口コミ

候補者への連絡が遅れることは、採用CXにおいて最も避けたい失敗の一つです。

連絡の遅れは候補者に「軽んじられている」という印象を与え、選考辞退につながります。

それだけでなく、SNSや口コミサイトでのネガティブな評判を拡散させる大きなリスクとなります。

対応遅延が起きやすい場面

  • 応募後の一次連絡
  • 面接日程の調整
  • 合否の通知 など

各ステップでの対応期限を社内で明確にルール化し、徹底することがリスク管理の第一歩です。

情報発信の一貫性欠如

発信するチャネルや担当者によって、企業情報やメッセージに一貫性がないと、候補者は混乱し不信感を抱きます。

採用活動全体で、一貫したブランドイメージを発信することが重要です。

例えば、以下のような情報のズレが発生しがちです。

チャネル発信内容のズレ
求人票「風通しの良い職場」と記載
面接面接官がトップダウン的な文化を強調する
SNS若手社員が楽しそうに働く様子を発信
社員口コミサイト「体育会系の厳しい文化」という書き込み

ペルソナ設定や採用方針に基づき、社内で発信するメッセージの軸を統一しておきましょう。

選考フローの属人化

面接官によって質問内容や評価基準がバラバラになっている状態は、選考の公平性を損ないます。

これは「選考フローの属人化」と呼ばれる典型的な失敗例です。

候補者は、面接官によって全く違う印象を受けることになり、企業への不信感につながります。

評価シートや質問集を準備して面接官トレーニングを実施するなど、選考プロセスを標準化する取り組みが求められます。

KPI未設定で効果測定不可

採用CXの改善活動を行ったものの、KPIを設定していないために効果を客観的に測定できないケースもあります。

これでは、どの施策が成功して、どの施策が失敗したのかが分からず、次の改善アクションにつなげられません。

「内定承諾率を5%向上させる」のように、具体的な数値を伴うKPIを設定しましょう。

施策の前後でデータを比較することが、効果的な改善活動の基本です。

最後に、採用CXに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

疑問点を解消し、改善活動への一歩を踏み出しましょう。

採用CXと従来採用プロセスの違いは?

最も大きな違いは「視点」です。

従来の採用が「企業が候補者を選ぶ」という企業視点だったのに対し、採用CXは「候補者が企業を選ぶ」という候補者視点に立っています。

具体的な違いは、以下のとおりです。

項目従来の採用プロセス採用CX
視点企業視点(選ぶ側)候補者視点(選ばれる側)
目的必要な人材の確保候補者の満足度向上とファン化
評価指標採用数、採用コスト内定承諾率、選考離脱率、口コミ評価

採用CXは、単なる採用手法ではなく、候補者との良好な関係を築くためのブランディング活動とも言えます。

参考記事:【フロー図付き】採用フロー完全マニュアル|新卒・中途別に解説

中小企業でも効果はある?

むしろ、リソースが限られる中小企業にこそ大きな効果が期待できます。

大企業のように大規模な広告は打てなくても、一人ひとりの候補者に寄り添った丁寧な対応は、企業の規模に関わらず実践可能です。

心のこもったコミュニケーションは候補者の心に響き、「この会社で働きたい」という強い動機付けになります。

中小企業ならではの、経営層との距離の近さやアットホームな雰囲気を伝えることも、有効なアプローチです。

参考記事:中小企業が採用活動に苦戦する理由|成功するための戦略11ステップ

改善に必要な期間と費用の目安は?

改善に必要な期間と費用は、企業の現状や目標、取り組む施策の規模によって大きく異なります。

例えば、エントリーフォームの改修など、すぐに着手できる小さな改善であれば数週間、費用もほとんどかかりません。

一方で、ATSの導入や採用サイトのリニューアルとなると、数ヶ月の期間と相応の費用が必要です。

まずは費用をかけずにできる小さな改善から始め、効果を見ながら段階的に投資を検討していくと良いでしょう。

データが取れない場合の効果測定方法は?

十分な定量データが取れない場合でも、定性的な情報で効果を測定することは可能です。

主観的な評価にはなりますが、候補者の生の声は改善のヒントの宝庫です。

定性的な効果測定方法の例

  • 候補者へのアンケート実施(選考満足度など)
  • 面接官へのヒアリング(候補者の反応の変化など)
  • SNSや口コミサイトでの評判のチェック

これらの情報を定期的に収集し、施策実施前と比較することで、改善の方向性が正しいかを確認しましょう。

内定承諾率を上げる施策は?

内定承諾率を上げるには、内定通知から承諾までの期間に、候補者の入社意欲をいかに高められるかが鍵となります。

内定承諾率向上のための施策例

  • オファー面談の実施(待遇や業務内容のすり合わせ)
  • 役員や現場社員からのメッセージ送付
  • 内定者限定イベントへの招待
  • 入社後のキャリアプランの提示 など

候補者が抱える不安や疑問を解消し、「この会社が自分を最も必要としてくれている」と感じてもらうための特別なアプローチが有効です。

推進チーム・体制はどう組む?

採用CXの改善は、人事部だけで完結するものではありません。

経営層や現場の各部門を巻き込んだ、全社的なプロジェクトとして進めることが成功の秘訣です。

まずは人事担当者が中心となり、各部門からキーパーソンを選出してプロジェクトチームを発足させましょう。

経営層にはCX改善の重要性を理解してもらい、予算やリソース確保の協力を仰ぎます。

現場の面接官には、候補者視点の重要性を共有し、面接の質向上に協力してもらうなど、各関係者を巻き込みながら進める体制を築くことが求められます。

採用CXの向上は、候補者一人ひとりに寄り添った体験を提供することから始まります。

短期的な採用成果だけでなく、長期的な企業の成長にもつながる重要な取り組みです。

さっそく、以下のステップで改善を進めていきましょう。

採用CX改善7ステップ

  1. ペルソナを再定義する
  2. ストーリーボードを設計する
  3. 迅速なコミュニケーション体制を構築する
  4. Web・モバイルのUI・UXを最適化する
  5. 面接体験を演出し第一印象を強める
  6. 内定後のフォローとファン化施策を打つ
  7. 効果を測定しPDCAを回す

採用CXの改善、特にコミュニケーションの迅速化や候補者管理には、AI採用ツールの活用が効果的です。

おすすめのAI採用ツール

HELLOBOSS」は、10万人以上のユーザーの中から、AIが貴社に合う候補者を自動で推薦するダイレクトリクルーティングツールです。

候補者との円滑なコミュニケーションを支えるチャット機能も搭載しており、採用CXの向上と採用工数の削減を同時に実現します。

無料から始められるので、実際にAIのサポートを体験しながら、採用CXの改善を進めてみてください。

貴社の採用CX向上の参考になれば幸いです。

recruitment-cx_image01

「採用CXを改善したいけど、何から始めればいいかわからない…」

「候補者からの応募が思うように集まらず、歩留まりも悪い…」

このように悩む採用担当者の方に向けた記事です。

この記事でわかること

  • 採用CXに注力する5つのメリット
  • 採用CX改善7ステップ
  • HELLOBOSSを活用した採用CX成功事例

採用CXの向上は、候補者視点に立った一連の体験価値を高めることで実現し、持続可能な採用体制の構築に不可欠です。

人材獲得競争が激化する現代において、優れた候補者体験は応募数の増加や内定承諾率の向上に直結し、企業の採用ブランドを大きく左右するからです。

この記事を読めば、採用CXの基本から具体的な改善ステップ、成功事例までを網羅的に理解し、自社に合った効果的な施策を実行できるようになります。

最後まで読んで、さっそく採用CXの改善を始めていきましょう。

採用CXの改善をAIで効率化しませんか?

私たちが提供する「HELLOBOSS」は、10万人を超えるユーザーの中からAIが貴社に合う人材を自動推薦するツールです。

候補者とのコミュニケーションを円滑にするチャット機能や、採用活動を効率化する機能で、採用CXの向上をサポートします。

無料で試せるので、AIに最適な人材を推薦してもらいながら検討してみてください。

Contents

採用CX(Candidate Experience)とは、候補者が企業を認知し、応募してから入社に至るまでの一連のプロセスで得られる体験価値のことです。

日本語では「候補者体験」と訳されます。

採用活動を単なる「選考プロセス」として捉えるのではなく、候補者との重要なコミュニケーション機会と認識し、すべての接点における体験価値を高める考え方です。

採用CXに含まれる体験の例

  • 求人情報の分かりやすさ
  • 応募手続きの簡便さ
  • 面接での丁寧な対応
  • 合否連絡の速さと透明性
  • 内定後の手厚いフォロー

上記のような体験を通じて候補者が抱く感情や印象のすべてが良いものであって初めて、採用CXは向上します。

候補者一人ひとりに良い体験を提供し、自社のファンになってもらうための取り組みが採用CXの本質です。

近年、多くの企業で採用CXの向上が重要視されています。

その背景には、労働市場や人々の価値観の大きな変化があります。

採用CXが重視される4つの背景

  1. 少子高齢化で人材獲得競争が激化
  2. 転職率上昇・キャリア多様化
  3. SNS・口コミによる情報透明化
  4. 学生の企業選択行動の変化

一つずつ解説していきます。

少子高齢化で人材獲得競争が激化

少子高齢化による労働力人口の減少で、企業間の人材獲得競争は激しさを増しています。

少ない候補者を多くの企業が奪い合う「売り手市場」が常態化しているのが現状です。

総務省の統計でも日本の生産年齢人口は長期的に減少傾向にあり、企業は候補者から「選ばれる」ための努力が不可欠になりました。

出典:総務省|情報通信白書刊行から50年~ICTとデジタル経済の変遷~

他社との差別化を図り、優秀な人材に魅力を感じてもらうためにも、候補者に良い印象を与える採用CXの向上が求められます。

転職率上昇・キャリア多様化

終身雇用の価値観は薄れ、転職を通じてキャリアを形成することが一般的になりました。

一つの企業に留まらず、スキルアップやより良い労働条件を求めて職場を移る人が増えています。

出典:厚生労働省|転職入職率等の推移

副業やフリーランスといった働き方も普及し、個人のキャリアは多様化しています。

もはや「一度入社すれば安泰」という時代ではなく、企業は常に候補者から選ばれる立場にあると認識しなくてはなりません。

魅力的な候補者体験を提供できない企業は、優秀な人材から敬遠されてしまうでしょう。

SNS・口コミによる情報透明化

SNSや口コミサイトの普及により、企業のリアルな情報を候補者が簡単に確認できるようになりました。

候補者は企業が発信する公式情報だけでなく、元社員や現役社員による第三者の評価も参考にして応募先を決める傾向があります。

候補者が参考にする情報サイトの例

  • X
  • OpenWork
  • Lighthouse
  • 転職会議 など

選考過程でのネガティブな体験は、プラットフォームを通じて拡散されるリスクがあります。

一度ついた悪い評判を覆すのは容易ではありません。

一つひとつの候補者体験を丁寧に行い、良い評判が自然と広まるような取り組みが必要です。

学生の企業選択行動の変化

特にZ世代と呼ばれる若い世代を中心に、企業を選ぶ際の価値観が大きく変化しています。

かつて重視された安定性や給与といった条件だけでなく、自己成長や社会への貢献、働きがいを求める傾向が顕著です。

項目従来の価値観現代の価値観(Z世代など)
企業選びの軸安定性、給与、企業の知名度自己成長、働きがい、社会貢献
主な情報源就職ナビサイト、会社説明会SNS、口コミサイト、インターンシップ
求める働き方終身雇用、会社への貢献ワークライフバランス、柔軟な働き方

価値観の変化に対応し、候補者の心に響くメッセージを発信しなくてはなりません。

企業の理念や文化を体感できるような採用CXを設計することが、これからの時代に選ばれる企業になるための第一歩です。

採用CXに注力することで、企業には下記のメリットがあります。

採用CXに注力する5つのメリット

  1. 応募率・歩留まりの改善
  2. 企業ブランドの向上と情報拡散
  3. 入社後の定着率の向上
  4. リファラル採用の促進
  5. 採用コスト・工数の削減

候補者体験の向上は、採用活動のさまざまな側面に良い影響を与えます。

くわしく見ていきましょう。

応募率・歩留まりの改善

採用CXの向上は、応募率の向上と選考過程での離脱率低下、つまり「歩留まり」の改善に直結します。

候補者にとってポジティブな選考体験が、入社意欲を高め、他社への流出を防ぎます。

改善が期待できる歩留まりの例

  • 書類選考通過率
  • 面接設定率
  • 一次面接通過率
  • 最終面接通過率
  • 内定承諾率

各選考ステップで丁寧なコミュニケーションを重ねることで、候補者は企業への信頼感を深めます。

結果として、内定承諾率の向上も期待できるでしょう。

企業ブランドの向上と情報拡散

優れた候補者体験は、企業の採用ブランドを向上させ、ポジティブな情報の拡散につながります。

良い体験をした候補者が、知人やSNSなどを通じて自発的にその経験を共有してくれるためです。

ポジティブな情報が拡散されるチャネルの例

  • 口コミサイト
  • SNS
  • 知人や友人への紹介
  • 大学のキャリアセンター など

たとえ採用に至らなかった候補者でも、企業のファンとして良い評判を広めてくれる存在になり得ます。

長期的に見て、これは強力な採用資産となります。

入社後の定着率の向上

採用CXへの注力は、入社後のミスマッチを防ぎ、社員の定着率向上にも貢献します。

選考段階から企業文化や業務内容について透明性の高い情報を提供すると、候補者は入社後の働き方を正確にイメージできます。

ポイント

リアルな情報提供を通じて期待値のズレをなくし、入社後に「こんなはずではなかった」と感じる事態を防ぎます。

納得感を持って入社した社員は、組織へのエンゲージメントが高まりやすく、早期離職のリスクを低減できます。

リファラル採用の促進

採用CXの改善は、社員による友人・知人の紹介、すなわちリファラル採用の活性化を促します。

社員が自社の採用プロセスに自信と誇りを持つと、知人を紹介する際の心理的なハードルが下がります。

「自分の会社は候補者を大切に扱ってくれる」という信頼感は、社員を後押しする重要な要素です。

結果として質の高い母集団形成につながり、採用活動の好循環が生まれます。

参考記事:リファラル採用が難しい理由とは?注意点や失敗しないコツも解説

採用コスト・工数の削減

長期的に見ると、採用CXへの投資は採用全体のコストと工数の削減につながります。

歩留まりの改善やリファラル採用が増加すれば、広告費や人材紹介手数料といった外部コストへの依存を減らせます。

削減が期待できるコスト・工数の例

  • 求人広告費
  • 人材紹介エージェントへの成功報酬
  • 再募集にかかる費用
  • 面接の日程調整などの採用工数 など

定着率が向上すれば、欠員補充のための採用活動が減り、人事担当者の負担も軽減されます。

採用CXは、効率的で持続可能な採用体制を築くための投資と言えるでしょう。

参考記事:【徹底解説】採用コストのムダを削減する17の具体的アクション

採用CXは、候補者が企業を認知してから入社するまでの一連の流れで構成されます。

企業と候補者の関係性は、下記の9つのステージを経て構築されていきます。

採用CXの9ステージ

  1. CXの方針を決める
  2. ペルソナを設定する
  3. KGIとKPIを設定する
  4. 認知活動|SNS/オウンド/広告
  5. 応募|エントリーフォーム
  6. 選考|面接体験
  7. 内定通知
  8. 内定者フォロー
  9. オンボーディング

これらのステージごとに候補者との接点(タッチポイント)が存在します。

各ステージで体験価値を高める工夫が求められます。

くわしく見ていきましょう。

①CXの方針を決める

まず採用活動のゴールを明確にし、どのような候補者体験を提供したいのか、その基本方針を定めます。

「迅速で丁寧な対応」「誠実で透明性の高い情報提供」など、自社が目指すCXの姿を言語化することが第一歩です。

この軸が定まっていないと、担当者によって対応がブレてしまい、一貫性のない候補者体験を提供するリスクがあります。

この方針が、以降のすべての施策における判断基準となります。

②ペルソナを設定する

次に、採用したい理想の人物像(ペルソナ)を具体的に設定します。

ペルソナが明確になることで、ターゲットに響く情報発信やアプローチが可能になります。

ポイント

ペルソナでは、スキルや経験だけでなく、価値観や志向性、情報収集の方法まで細かく定義します。

設定したペルソナは、求人票の言葉選びや面接での質問内容、採用チャネルの選定など、あらゆる場面で活用されます。

現場の社員や経営層にヒアリングを行い、解像度の高いペルソナを作り上げましょう。

参考記事:採用ペルソナの作り方完全ガイド|テンプレートと7ステップのフレームワーク

③KGIとKPIを設定する

方針とペルソナに基づき、採用活動の最終目標(KGI)と、達成度を測るための中間指標(KPI)を定めます。

数値を設定することで、施策の効果を客観的に評価し、改善につなげやすくなります。

目標設定の例は、下記のとおりです。

指標具体例
KGI(最終目標)半年以内にエンジニアを5名採用する
KPI(中間指標)・応募数:月間50件
・書類選考通過率:30%
・内定承諾率:60%

各KPIの数値を定期的に計測することで、どのステージに課題があるのか(ボトルネック)を特定しやすくなります。

KGIから逆算して各ステージのKPIを設定することが、目標達成への道筋を明確にします。

参考記事:採用KPIを設定する5ステップ|4つの運用のコツと注意点も解説

④認知活動|SNS/オウンド/広告

候補者が自社を最初に知る段階です。

SNSでの情報発信、オウンドメディアの記事、求人広告など、ペルソナが接触する可能性の高いチャネルで企業の魅力を発信します。

  • 社員インタビューを通じて仕事のやりがいを伝える
  • ブログで社内の文化を紹介する

この段階で一貫性のあるメッセージを伝えることが、後の応募動機に影響を与えます。

参考記事

  • 採用SNS戦略を成功させる!利点を最大化する10のステップ徹底解説
  • 【完全解説】オウンドメディア採用の成功事例|成功する10ステップ

⑤応募|エントリーフォーム

候補者が興味を持ち、実際に行動を起こすステージです。

応募のハードルを下げ、機会損失を防ぐためにエントリーフォームの最適化が欠かせません。

エントリーフォーム改善の例

  • 入力項目の削減
  • スマートフォン表示の最適化
  • 応募完了までのステップの明示 など

エントリーフォームのイメージは以下のとおりです。

少しでも「面倒だ」と感じさせると、優秀な候補者ほど早く離脱してしまいます。

候補者がストレスなく応募できるスムーズな体験を提供しましょう。

⑥選考|面接体験

候補者と企業が直接コミュニケーションをとる、CXの中核となるステージです。

面接官の態度や質問内容、雰囲気づくりが、候補者の入社意欲を大きく左右します。

面接官は事前に応募書類をしっかりと読み込み、候補者に合わせた質問を準備することが、有意義な対話につながります。

候補者の話を真摯に聞き、対等な立場で対話する姿勢が求められます。

面接体験を向上させるためには、以下のような点を意識すると良いでしょう。

フェーズ具体的なアクション
面接前・面接官のプロフィールを事前に共有
・オフィスへの地図やWeb面接のURLを前日までにリマインド
面接中・アイスブレイクで緊張をほぐす
・面接官も自己開示を行う
・候補者の話を遮らず、最後まで聞く
面接後・合否に関わらず、今後の活躍を願う言葉を添える
・次の選考に進む場合は、今後の流れを明確に伝える

これらの小さな配慮の積み重ねが、候補者の満足度を高め、企業への好印象につながります。

⑦内定通知

内定はゴールではなく、新たな関係の始まりです。

単に結果を伝えるだけでなく、候補者のこれまでの頑張りを称え、入社を歓迎する気持ちを伝えることが重要です。

ポイント

電話で内定を伝えた後、期待する役割や魅力を改めて伝える手紙やメールを送付すると、より特別感を演出できます。

競合他社に先を越されないためにも、最終面接から1〜3営業日以内など、スピーディーな連絡をルール化しておくと良いでしょう。

内定ブルーを防ぎ、入社への期待感を高めるための丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。

⑧内定者フォロー

内定承諾から入社までの期間、候補者の不安を解消し、エンゲージメントを維持するためのフォローを行います。

定期的なコミュニケーションが、内定辞退の防止につながります。

内定者フォローの施策例

  • 先輩社員とのオンライン座談会
  • 社内イベントへの招待
  • 定期的な情報提供(社内報など)
  • 入社前研修 など

すべての内定者に同じ内容を送るのではなく、職種や個人の志向に合わせてコミュニケーション内容を変えることで、より「自分ごと」として捉えてもらえます。

内定者が安心して入社日を迎えられるよう、手厚いサポート体制を築きます。

⑨オンボーディング

入社後、新入社員が組織にスムーズに馴染み、早期に活躍できるよう支援するプロセスです。

採用CXは入社して終わりではありません。

入社者がスムーズに組織の一員となるためには、多角的なサポートが効果的です。

具体的には、以下のような施策が考えられます。

サポートの種類具体的な施策例
事務的サポート・入社手続きの案内
・必要な備品(PC、名刺など)の事前準備
業務的サポート・業務マニュアルの整備
・1on1ミーティングの定期実施
精神的サポート・メンター制度の導入
・歓迎ランチ会の開催

これらの取り組みを通じて、新入社員の不安を解消し、早期にパフォーマンスを発揮できる環境を整えることが、長期的な定着につながります。

採用CXを改善するには、まず現状を正しく把握し、課題を発見することが不可欠です。

やみくもに施策を打つのではなく、データに基づいて客観的に自社を見つめ直しましょう。

採用CX診断と課題発見の4ステップ

  1. 接点の洗い出し
  2. 定量KPI+定性アンケートで評価
  3. ボトルネックと優先順位付け
  4. 目標・指標設定と社内共有

これらのステップを着実に実行することで、効果的な改善策が見えてきます。

一つずつ解説していきます。

①接点の洗い出し

まず、候補者が自社を認知してから入社後に至るまでの、すべての接点(タッチポイント)を時系列で洗い出しましょう。

候補者の視点に立ち、どのようなプロセスを経て、どのような体験をしているかを可視化することが目的です。

例えば、以下のようにステージごとのタッチポイントを整理します。

ステージ主な接点(タッチポイント)
認知・SNS
・Web広告
・オウンドメディア
・口コミサイト
応募・求人サイト
・自社採用ページ
・エントリーフォーム
選考・書類選考通知
・面接日程調整の連絡
・面接
・合否連絡
内定・入社・内定通知
・内定者フォロー
・オンボーディング

このマップを作成することで、見落としていた接点や、改善すべきポイントが明確になります。

②定量KPI+定性アンケートで評価

次に、洗い出した各接点での体験を「定量的」と「定性的」の両面から評価します。

定量データだけでは見えない、候補者の生の声を聞くことが課題発見の質を高めます。

定量評価では、各選考段階の通過率や応募完了率などのKPIを分析します。

一方で定性評価では、選考辞退者や内定者、入社後の社員にアンケートやヒアリングを実施し、「なぜそのように感じたのか」という具体的な理由を探ります。

参考記事:採用KPIを設定する5ステップ|4つの運用のコツと注意点も解説

③ボトルネックと優先順位付け

評価によって課題が明らかになったら、どこから手をつけるべきか優先順位を決めましょう。

すべての課題に一度に取り組むのは非現実的なため、最も効果的な打ち手を見極める必要があります。

課題の優先順位は、改善によって得られる「インパクトの大きさ」と、施策の「実現のしやすさ」の2つの軸で判断するのが一般的です。

まずはインパクトが大きく、かつ実現性が高い課題から着手しましょう。

④目標・指標設定と社内共有

優先課題が決まったら、具体的な改善目標と、その達成度を測る指標を再設定します。

目標は、具体的で測定可能なものにすることが不可欠です。

目標設定の質を高めるために、SMARTの法則というフレームワークが役立ちます。

SMARTの法則とは

  • Specific:具体的で分かりやすいか
  • Measurable:測定可能か、数値で測れるか
  • Achievable:達成可能か
  • Relevant:KGIなどの最終目標と関連性があるか
  • Time-bound:期限が明確か

このフレームワークを使って、目標をより具体的にしてみましょう。

例えば、「応募数を増やす」という曖昧な目標をSMART化すると、以下のようになります。

項目良い目標例
S (具体的)SNS経由での新卒エンジニア職の応募数を増やす
M (測定可能)月間30件まで増やす(現状は月10件)
A (達成可能)過去の施策実績から、3ヶ月で3倍は現実的な範囲
R (関連性)エンジニア採用というKGIに直結する
T (期限)3ヶ月後のX月末までに達成する

目標を具体化することで、何をすべきかが明確になり、進捗も追いやすくなります。

最後に、決定した課題、優先順位、そして具体化した目標を関係部署(経営層、現場の面接官など)に共有しましょう。

全社で課題意識を統一し、協力体制を築くことが改善の成功率を高めます。

ここからは、具体的な採用CXの改善ステップを解説します。

課題の発見から改善策の実行、そして効果測定までを一つの流れとして捉えましょう。

採用CX改善7ステップ

  1. ペルソナを再定義する
  2. ストーリーボードを設計する
  3. 迅速なコミュニケーション体制を構築する
  4. Web・モバイルのUI・UXを最適化する
  5. 面接体験を演出し第一印象を強める
  6. 内定後のフォローとファン化施策を打つ
  7. 効果を測定しPDCAを回す

これらのステップに沿って進めることで、候補者体験を効果的に向上させられます。

一つずつ見ていきましょう。

ステップ1|ペルソナを再定義する

まず、採用ペルソナが現状に合っているかを見直しましょう。

採用活動がうまくいかない場合、そもそもターゲット設定がズレている可能性があります。

注意

市場の変化や事業戦略の変更に合わせて、求める人物像は常に変化するものです。

以前設定したペルソナのままだと、アプローチにズレが生じ、ミスマッチが起こる可能性があります。

最新の採用データや現場の声を基に、ペルソナをアップデートしましょう。

参考記事:採用ペルソナの作り方完全ガイド|テンプレートと7ステップのフレームワーク

ステップ2|ストーリーボードを設計する

次に、再定義したペルソナがどのような感情や思考で採用プロセスを体験するかを可視化する「ストーリーボード」を設計します。

このプロセスは、採用活動における「おもてなしの設計図」を作る作業とも言えます。

候補者の感情の起伏を予測することで、どのタイミングでどのようなアプローチが効果的かが見えてきます。

ストーリーボードには、以下のような要素を盛り込みましょう。

項目記載する内容
ステージ認知、応募、選考、内定など
タッチポイントSNS、採用サイト、面接など各ステージでの接点
候補者の行動各タッチポイントで候補者がとる具体的な行動
候補者の感情・思考行動の裏にある感情や思考、期待、不安など
改善のアイデア感情をポジティブにするための施策アイデア

この設計を通じて、候補者の視点に立った一貫性のあるアプローチを計画できます。

各タッチポイントで候補者の感情がどのように動くかを具体的に想像することで、より共感を呼ぶ施策が生まれます。

ステップ3|迅速なコミュニケーション体制を構築する

候補者からの問い合わせや応募に対して、迅速かつ丁寧に対応できる体制も整えましょう。

連絡の遅れは、候補者の不安や不信感を招き、機会損失に直結するためです。

返信が早いだけで、候補者は「自分は大切に扱われている」と感じ、志望度が上がることがあります。

  • 応募から24時間以内に一次連絡を入れる
  • 面接の合否は3営業日以内に通知する
  • 候補者からの質問メールには半日以内に返信する

採用担当者だけでなく、面接官も含めてレスポンス速度の重要性を共有することが大切です。

可能であれば、ATS(採用管理システム)を導入し、対応漏れや遅れを防ぐ仕組みを整えることも検討しましょう。

迅速なコミュニケーションはHELLOBOSSにお任せ

候補者との迅速なコミュニケーションを実現するには、採用ツール「HELLOBOSS」のチャット機能がおすすめです。

メールよりも開封率や返信率が高く、候補者と気軽にやり取りできるため、スピーディーな関係構築が可能です。

ポイント

候補者からの連絡を見逃さず、すぐに対応できる体制が整うことで、機会損失を防ぎ、採用CXを大きく向上させます。

無料なので、まずは候補者とのスムーズなやり取りを体験してみてください。

ステップ4|Web・モバイルのUI・UXを最適化する

採用サイトやエントリーフォームが、スマートフォンでも見やすく、使いやすいかを確認してください。

多くの候補者は、移動中などの隙間時間にスマートフォンで情報収集や応募を行います。

表示崩れや入力のしにくさは、応募意欲を大きく削いでしまいます。

確認するポイント

  • エントリーフォームの入力項目は多すぎないか
  • ページの読み込み速度は遅くないか

候補者がストレスを感じないよう、モバイルファーストの視点で見直しを行いましょう。

ステップ5|面接体験を演出し第一印象を強める

面接は、候補者が企業を最も強く印象付けられる場面です。

面接官は候補者を評価するだけでなく、自社の魅力を伝える「広報担当」としての役割も担っています。

単なる質疑応答ではなく、候補者にとって「有意義な時間だった」と感じてもらえるような体験を演出しましょう。

ポイント

  • 面接官は会社の「顔」であることを意識する
  • 面接の冒頭でアイスブレイクの時間を設ける
  • 候補者のキャリアプランに寄り添う質問をする

面接官トレーニングを実施し、応対品質の基準を全社で統一することも重要です。

ポジティブな面接体験は、入社意欲の向上に大きく貢献します。

ステップ6|内定後のフォローとファン化施策を打つ

内定承諾後から入社までの期間は、内定辞退のリスクが最も高い時期の一つです。

この期間に適切なフォローを行い、候補者を自社の「ファン」にすることが重要になります。

たとえ今回入社に至らなくても、ファンになった候補者は将来の顧客や、再応募者になる可能性があるからです。

具体的には、以下のような施策が考えられます。

施策のカテゴリ具体的な施策
情報提供・社内報やブログの共有
・プロジェクトの進捗報告
コミュニケーション・先輩社員とのオンライン座談会
・内定者同士の懇親会
・人事担当者との定期的な面談
スキルアップ支援・入社前研修の実施
・推薦図書の案内

内定者の不安を取り除き、入社への期待感を高めるためのコミュニケーションを継続しましょう。

ステップ7|効果を測定しPDCAを回す

実施した改善策が実際に効果を上げているか、設定したKPIを用いて定期的に測定します。

内定者アンケートの結果や、採用サイトのアクセス解析データなどを基に、施策の効果を客観的に振り返りましょう。

採用CXの改善は一度で終わるものではありません。

「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)」のPDCAサイクルを回し続けることで、継続的に候補者体験を向上させていきましょう。

採用CXの改善には多くの工数がかかりますが、AIやATS(採用管理システム)を活用することで、業務を効率化し、体験価値を自動で最適化できます。

ここでは、代表的な3つの活用方法を紹介します。

AI・ATSの活用方法

  • HELLOBOSSで候補者マッチングを高速化
  • チャットボットで24時間の問い合わせ対応
  • データドリブンで改善

それぞれ解説していきます。

HELLOBOSSで候補者マッチングを高速化

採用活動にAIを導入するなら「HELLOBOSS」がおすすめです。

10万人以上のユーザーの中から、貴社の求める経験やスキルを持つ人材をAIが自動でマッチングします。

採用担当者が候補者を探す手間を大幅に削減できるだけでなく、これまで出会えなかった優秀な転職潜在層にアプローチできる可能性が広がります。

無料から始められるので、まずは気軽にAIによるマッチングの効果を体験してみてください。

チャットボットで24時間の問い合わせ対応

採用サイトにAIチャットボットを導入すれば、候補者からのよくある質問に24時間365日、自動で対応できます。

候補者は時間帯を気にせず、疑問をすぐに解消できるため、満足度の向上につながります。

  • 選考フローに関する質問
  • 勤務地や福利厚生について
  • 会社説明会の開催日程

人事担当者は定型的な問い合わせ対応から解放され、より個別性の高いコミュニケーションに集中できます。

参考記事:【徹底比較】AI採用のメリット・デメリットと現場の成功事例を紹介

データドリブンで改善

ATSに蓄積されたデータを分析することで、採用CXの課題を客観的に特定し、改善策を立案できます。

勘や経験に頼るのではなく、データに基づいた意思決定(データドリブン)が可能になります。

例えば、以下のようにデータと改善アクションを結びつけられます。

分析するデータ改善できるCXの例
チャネル別の応募数ペルソナに合った採用媒体へ広告費を集中させる
エントリーフォームの離脱率入力項目を減らし、応募のハードルを下げる
選考ステップごとの辞退率辞退が多いステップの面接内容や連絡方法を見直す

このようにデータを活用することで、PDCAサイクルを高速で回し、継続的に採用CXを最適化していきましょう。

HELLOBOSSを活用して採用CXの向上に成功した企業の事例を紹介します。

具体的な成功イメージを持つことで、自社での活用方法が見えてくるでしょう。

HELLOBOSSの成功事例

  • ナビサイトに未登録の学生にアプローチして100名エントリー
  • AIでドライバーに合うアプローチを実施して有効応募率90%以上
  • 動画とAIのアプローチで飲食店の店長候補者を多数獲得
  • AI電話や専属サポートを実施して2ヶ月で500エントリー

HELLOBOSSは、AIによる高精度なマッチングと、候補者と直接つながるチャット機能で、多くの企業の採用活動を支援してきました。

採用が難しいとされる業界・職種でも、採用単価の削減や母集団形成に成功した事例が多数あります。

ぜひ、自社の採用活動の参考にしてみてください。

ナビサイトに未登録の学生にアプローチして100名エントリー

ある自動車ディーラーでは、26卒向けの説明会やインターンの集客でHELLOBOSSを活用しました。

ナビサイトにまだ登録していない優秀な学生層に対し、早期にアプローチすることに成功しています。

ポイント

これまで獲得できていなかったハイクラス層の獲得に成功し、結果として100名のエントリーを獲得しました。

早期の段階で競合他社に先んじて、質の高い母集団を形成した事例です。

AIでドライバーに合うアプローチを実施して有効応募率90%以上

若手人材の確保に苦戦していた地方の運輸会社では、ドライバー採用にHELLOBOSSを導入しました。

AIがターゲットに的確なアプローチを実行したことで、有効応募率は90%以上を達成しています。

さらに、既存の求人媒体を利用した場合と比較して、一人当たりの採用単価を30%削減することにも成功しました。

動画とAIのアプローチで飲食店の店長候補者を多数獲得

採用単価が高騰しがちな飲食店の店長候補ポジションにおいて、HELLOBOSSが活用されました。

動画コンテンツで訴求力を磨き込み、AIによる的確なアプローチを組み合わせることで、ターゲットからの多数の応募獲得に成功しています。

今では、最も獲得効率の良い採用ツールの一つとして活用されています。

AI電話や専属サポートを実施して2ヶ月で500エントリー

従来の求人媒体だけでは母集団形成が困難だったホテル・旅館業界でもHELLOBOSSが成果を上げています。

結果として、わずか2ヶ月で500応募以上の母集団形成に成功しました。

活用した機能・サポートの例

  • AI電話
  • 専属サポートによる候補者対応

これらの機能を活用することで、採用工数を削減しながら、採用数を大幅に引き上げることに成功した事例です。

採用CXの改善に取り組む際には、陥りがちな失敗と、それに伴うリスクを事前に理解しておくことが重要です。

ここでは、代表的な4つの失敗例とそのリスク管理について解説します。

採用CXでよくある失敗

  • 対応遅延によるネガティブ口コミ
  • 情報発信の一貫性欠如
  • 選考フローの属人化
  • KPI未設定で効果測定不可

あらかじめ失敗のパターンを知っておくことで、事前に対策を講じることが可能です。

一つずつ見ていきましょう。

対応遅延によるネガティブ口コミ

候補者への連絡が遅れることは、採用CXにおいて最も避けたい失敗の一つです。

連絡の遅れは候補者に「軽んじられている」という印象を与え、選考辞退につながります。

それだけでなく、SNSや口コミサイトでのネガティブな評判を拡散させる大きなリスクとなります。

対応遅延が起きやすい場面

  • 応募後の一次連絡
  • 面接日程の調整
  • 合否の通知 など

各ステップでの対応期限を社内で明確にルール化し、徹底することがリスク管理の第一歩です。

情報発信の一貫性欠如

発信するチャネルや担当者によって、企業情報やメッセージに一貫性がないと、候補者は混乱し不信感を抱きます。

採用活動全体で、一貫したブランドイメージを発信することが重要です。

例えば、以下のような情報のズレが発生しがちです。

チャネル発信内容のズレ
求人票「風通しの良い職場」と記載
面接面接官がトップダウン的な文化を強調する
SNS若手社員が楽しそうに働く様子を発信
社員口コミサイト「体育会系の厳しい文化」という書き込み

ペルソナ設定や採用方針に基づき、社内で発信するメッセージの軸を統一しておきましょう。

選考フローの属人化

面接官によって質問内容や評価基準がバラバラになっている状態は、選考の公平性を損ないます。

これは「選考フローの属人化」と呼ばれる典型的な失敗例です。

候補者は、面接官によって全く違う印象を受けることになり、企業への不信感につながります。

評価シートや質問集を準備して面接官トレーニングを実施するなど、選考プロセスを標準化する取り組みが求められます。

KPI未設定で効果測定不可

採用CXの改善活動を行ったものの、KPIを設定していないために効果を客観的に測定できないケースもあります。

これでは、どの施策が成功して、どの施策が失敗したのかが分からず、次の改善アクションにつなげられません。

「内定承諾率を5%向上させる」のように、具体的な数値を伴うKPIを設定しましょう。

施策の前後でデータを比較することが、効果的な改善活動の基本です。

最後に、採用CXに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

疑問点を解消し、改善活動への一歩を踏み出しましょう。

採用CXと従来採用プロセスの違いは?

最も大きな違いは「視点」です。

従来の採用が「企業が候補者を選ぶ」という企業視点だったのに対し、採用CXは「候補者が企業を選ぶ」という候補者視点に立っています。

具体的な違いは、以下のとおりです。

項目従来の採用プロセス採用CX
視点企業視点(選ぶ側)候補者視点(選ばれる側)
目的必要な人材の確保候補者の満足度向上とファン化
評価指標採用数、採用コスト内定承諾率、選考離脱率、口コミ評価

採用CXは、単なる採用手法ではなく、候補者との良好な関係を築くためのブランディング活動とも言えます。

参考記事:【フロー図付き】採用フロー完全マニュアル|新卒・中途別に解説

中小企業でも効果はある?

むしろ、リソースが限られる中小企業にこそ大きな効果が期待できます。

大企業のように大規模な広告は打てなくても、一人ひとりの候補者に寄り添った丁寧な対応は、企業の規模に関わらず実践可能です。

心のこもったコミュニケーションは候補者の心に響き、「この会社で働きたい」という強い動機付けになります。

中小企業ならではの、経営層との距離の近さやアットホームな雰囲気を伝えることも、有効なアプローチです。

参考記事:中小企業が採用活動に苦戦する理由|成功するための戦略11ステップ

改善に必要な期間と費用の目安は?

改善に必要な期間と費用は、企業の現状や目標、取り組む施策の規模によって大きく異なります。

例えば、エントリーフォームの改修など、すぐに着手できる小さな改善であれば数週間、費用もほとんどかかりません。

一方で、ATSの導入や採用サイトのリニューアルとなると、数ヶ月の期間と相応の費用が必要です。

まずは費用をかけずにできる小さな改善から始め、効果を見ながら段階的に投資を検討していくと良いでしょう。

データが取れない場合の効果測定方法は?

十分な定量データが取れない場合でも、定性的な情報で効果を測定することは可能です。

主観的な評価にはなりますが、候補者の生の声は改善のヒントの宝庫です。

定性的な効果測定方法の例

  • 候補者へのアンケート実施(選考満足度など)
  • 面接官へのヒアリング(候補者の反応の変化など)
  • SNSや口コミサイトでの評判のチェック

これらの情報を定期的に収集し、施策実施前と比較することで、改善の方向性が正しいかを確認しましょう。

内定承諾率を上げる施策は?

内定承諾率を上げるには、内定通知から承諾までの期間に、候補者の入社意欲をいかに高められるかが鍵となります。

内定承諾率向上のための施策例

  • オファー面談の実施(待遇や業務内容のすり合わせ)
  • 役員や現場社員からのメッセージ送付
  • 内定者限定イベントへの招待
  • 入社後のキャリアプランの提示 など

候補者が抱える不安や疑問を解消し、「この会社が自分を最も必要としてくれている」と感じてもらうための特別なアプローチが有効です。

推進チーム・体制はどう組む?

採用CXの改善は、人事部だけで完結するものではありません。

経営層や現場の各部門を巻き込んだ、全社的なプロジェクトとして進めることが成功の秘訣です。

まずは人事担当者が中心となり、各部門からキーパーソンを選出してプロジェクトチームを発足させましょう。

経営層にはCX改善の重要性を理解してもらい、予算やリソース確保の協力を仰ぎます。

現場の面接官には、候補者視点の重要性を共有し、面接の質向上に協力してもらうなど、各関係者を巻き込みながら進める体制を築くことが求められます。

採用CXの向上は、候補者一人ひとりに寄り添った体験を提供することから始まります。

短期的な採用成果だけでなく、長期的な企業の成長にもつながる重要な取り組みです。

さっそく、以下のステップで改善を進めていきましょう。

採用CX改善7ステップ

  1. ペルソナを再定義する
  2. ストーリーボードを設計する
  3. 迅速なコミュニケーション体制を構築する
  4. Web・モバイルのUI・UXを最適化する
  5. 面接体験を演出し第一印象を強める
  6. 内定後のフォローとファン化施策を打つ
  7. 効果を測定しPDCAを回す

採用CXの改善、特にコミュニケーションの迅速化や候補者管理には、AI採用ツールの活用が効果的です。

おすすめのAI採用ツール

HELLOBOSS」は、10万人以上のユーザーの中から、AIが貴社に合う候補者を自動で推薦するダイレクトリクルーティングツールです。

候補者との円滑なコミュニケーションを支えるチャット機能も搭載しており、採用CXの向上と採用工数の削減を同時に実現します。

無料から始められるので、実際にAIのサポートを体験しながら、採用CXの改善を進めてみてください。

貴社の採用CX向上の参考になれば幸いです。

記事カテゴリー
すべての記事
タグ