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【完全版】採用戦略の立て方から成功事例まで!フレームワークも徹底解説

【完全版】採用戦略の立て方から成功事例まで!フレームワークも徹底解説

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「採用戦略を立てたいけど、何から始めればいいかわからない…」

「戦略的な採用活動で、質の高い人材を獲得したい」

このように悩む採用担当者の方に向けた記事です。

この記事でわかること

  • 採用戦略・計画の立て方17ステップ
  • 採用戦略を立てるマーケティングフレームワーク10選
  • 採用戦略の成功事例

採用戦略を立案・実行することで、自社に最適な人材を獲得できます。

採用戦略は単なる人手不足の解消ではなく、事業目標達成のための人材獲得方針です。

でも、具体的にどう採用戦略を組み立てればいいか迷いますよね?

この記事では、採用戦略の基礎知識から具体的な立案方法、成功事例まで完全解説しています。

自社に合った戦略的な採用活動を始められるようになるため、最後まで読んでみてください。

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「採用戦略の成功事例を見たい!」という方は、採用戦略の成功事例4選へジャンプしてみてください。

Contents

人材採用戦略とは「企業の経営目標を達成するための計画的な人材獲得の方針」です。単に人手を補充するのではなく、事業の成長や組織の将来像を見据えて、必要な人材を確保する指針です。

ポイント

自社の強みや課題、市場環境を分析し、求める人物像を明確にすることで、採用活動の精度が高まります。

質の高い人材の獲得は、企業の競争力強化に直結します。

採用戦略と採用計画の違い

採用戦略は採用活動全体の方向性を示す「コンパス」のような存在であり、採用計画は目的地までの具体的な「地図」にあたります。

採用戦略と採用計画の主な違いは、以下のとおりです。

採用戦略で定めた大きな方針を、具体的な行動レベルに落とし込んだものが採用計画です。採用戦略という骨組みがあってはじめて、実効性のある採用計画を立てられます。

現代のビジネス環境は変化が激しく、企業が持続的に成長するためには、計画的な人材獲得が不可欠です。採用戦略の重要性が高まっている理由をみていきましょう。

採用戦略が重視される背景

  • 労働人口減少と求人倍率の高止まり
  • 働き方や価値観の多様化
  • DX・AI活用拡大とスキル要件の高度化
  • 人的資本経営・ESG開示トレンド

1つずつ解説していきます。

労働人口減少と求人倍率の高止まり

日本の生産年齢人口(15〜64歳)は、減少の一途をたどっています。2040年には生産年齢人口の割合が全体の約50%まで低下する見込みです。

出典:厚生労働省|平成27年版厚生労働白書 – 人口減少社会を考える –

ポイント

令和7年3月の有効求人倍率は1.26倍で、人材が足りていないことがわかります。

参考:厚生労働省|一般職業紹介状況(令和7年3月分及び令和6年度分)について

従来の採用手法のままでは必要な人材を確保できない可能性があります。企業は限られた人材の中から自社にマッチする人材を見つけ出し、惹きつけるための採用戦略が求められています。

働き方や価値観の多様化

働き方や価値観が多様化していることも、企業が採用戦略を見直す必要がある要因です。個人のライフスタイルやキャリアに対する考え方が変化し、画一的な働き方では優秀な人材を惹きつけにくくなりました。

企業が採用戦略を策定する必要がある主な理由は、以下に整理できます。

理由背景・詳細
多様な人材の活躍推進少子高齢化が進む中で、個々の能力を最大限に活かし、企業業績やイノベーション創出につなげるため。
働く側の意識変化への対応終身雇用意識の希薄化や「令和モデル」への移行に伴い、企業が「選ばれる立場」となり、自社の魅力を高め、明確に提示する必要があるため。
柔軟な働き方と公正な処遇の提供多様な人材を惹きつけ、定着させ、能力を最大限に引き出すため、個々人の事情や希望に応じた柔軟な働き方や公正な処遇の提供が不可欠なため。
採用手法の多様化新卒一括採用だけでなく、通年採用など、多様な人材を確保するための採用方法の見直しが求められているため。

働き方や価値観の多様化には、具体的に以下のような側面があります。

多様化の側面内容・具体例
柔軟な働き方・場所の多様化・テレワーク(在宅、サテライト等)の広がり
・育児や介護と仕事の両立支援
・地方勤務など、多様な働き方が可能に
雇用形態のニーズと公正な処遇・雇用形態を問わない公正な待遇
・能力開発の重視
・限定正社員制度など、柔軟な雇用形態への関心
個人のキャリア形成と専門性・自律的なキャリア形成や専門スキル向上の意識向上
・企業には自己実現の場の提供が求められる
・「就社」より「就職(専門職志向)」への変化

こうした変化に対応し、多様な人材から選ばれる企業となるためには、個々の価値観を尊重し、柔軟な制度を設計・運用する採用戦略が不可欠です。

DX・AI活用拡大とスキル要件の高度化

多くの業務プロセスがデジタル化され、AIによる自動化が進む中で、企業が必要とする人材の質やスキルセットが変化しているため、具体的な採用戦略が必要です。

ポイント

既存の職務がAIに代替される可能性がある一方、データを分析・活用できる人材や、AIを使いこなして新たな価値を創造できる人材などが必要でしょう。これまで以上に専門性の高いスキルをもつ人材の需要が高まっています。

DX・AI活用の具体的な例としては、以下の表のようなものがあります。

DX・AI活用の領域具体的な活用例
業務効率化・自動化・RPA:定型業務の自動化
・AIチャットボット:問い合わせ対応の自動化
・AI-OCR:紙書類のデータ化、入力作業削減
データ分析・意思決定支援・BIツール:経営データの可視化・分析
・AI:需要予測、市場トレンド分析
・機械学習:製品の品質管理、異常検知
新たなサービス・製品開発・AI:パーソナライズドサービスの提供
・IoTとAIの連携:スマート製品開発
・AI画像認識:新サービスの創出

企業は優秀なDX・AI人材を採用するために、魅力的な業務内容や成長機会を提示するなど、戦略的な採用アプローチが求められています。

人的資本経営・ESG開示トレンド

人的資本経営の注目とESG開示のトレンドも、企業が採用戦略を重視する要因です。これらは企業価値を測る新しい指標として、投資家や社会から強く意識されています。

人的資本経営とは

人材を「資本」と捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上を目指す経営の考え方。

ESGとは

環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)への配慮も評価して実施する投資のこと。人的資本は主に「S」の要素に関わる。

近年、企業は財務情報だけでなく、人材戦略や従業員のエンゲージメント、ダイバーシティ&インクルージョンといった人的資本に関する情報を開示する傾向です。

投資家は企業の成長力を判断する上で、人的資本への取り組みやESG情報を重視します。

出典:経済産業省|人的資本経営の現状・課題と トップランナーたちの取組

そのため、企業は採用戦略を明確にする必要があります。

採用戦略を策定するメリットは以下の5つです。

採用戦略で得られる5つのメリット

1. ミスマッチと早期離職の防止

2. 採用できる人材の質が向上する

3. 採用コストの最適化

4. 企業のブランディングを強化できる

5. 中長期で人材を採用できる仕組みができる

これらのメリットは、企業の成長に直結します。1つずつ解説していきます。

ミスマッチと早期離職の防止

採用戦略を策定することで企業が求める人物像が明確になり、それに基づいて選考することでミスマッチと早期離職を防ぎやすくなります。

ポイント

採用ペルソナを詳細に設計し、企業の文化や働きがいを具体的に伝えることで、候補者は入社後の姿をより正確にイメージできます。

選考段階での透明性を高め、企業と候補者の期待値をすり合わせることで、入社後の「こんなはずではなかった…」という事態を避けられるでしょう。結果として、社員の定着率向上につながり、組織全体の安定にも貢献します。

ペルソナ設定については、採用ペルソナの設計から解説していきます。

採用できる人材の質が向上する

明確な採用戦略があると、採用できる人材の質が向上します。自社の事業戦略や経営目標から逆算して「どのような人材が必要なのか」を具体的に定義するため、採用活動の軸がぶれません。

求める人物像が明確になれば、そのターゲット層に響くメッセージを発信し、適切な採用チャネルを選定できます。結果として、以下のような質の高い人材を採用できる可能性があります。

採用できる人材の例

  • 事業計画達成に貢献する人材
  • 専門スキルを持つ即戦力人材
  • 企業文化にフィットする人材
  • 将来のリーダー候補となる人材

戦略に基づいた選考プロセスは、候補者の能力や適性を見極めることになり、企業の成長を加速させる優秀な人材の採用を実現します。

採用コストの最適化

採用戦略を策定すると計画的な採用活動ができるため、無駄なコストを抑えられます。採用戦略によって採用コストが下がる具体例は、以下のとおりです。

削減されるコスト項目具体的な内容
求人広告費ターゲットに合わない媒体への出稿を削減
人材紹介手数料ミスマッチによる早期退職に伴う再契約の発生を抑制
選考にかかる人件費非効率な選考プロセスの見直しによる時間・工数の削減
研修・教育コストミスマッチ人材への初期投資が無駄になるリスクを低減
早期離職に伴う損失欠員補充コストや、それによる生産性低下の防止

ミスマッチが減ることで、採用のやり直しにかかる費用や、早期離職者への教育コストが無駄になるのを防ぎます。また、ターゲットの人材に合わせた採用チャネルを選定することで、費用対効果の高い募集活動が可能です。

企業のブランディングを強化できる

一貫した採用戦略は、企業のブランディング強化にも有効です。

採用サイトやSNS、説明会などで、企業の理念や社員の声を積極的に発信することで、候補者は企業文化への理解を深めます。

候補者への丁寧な対応や、選考過程での質の高いコミュニケーションも、企業の良い評判を広める上で効果的です。

企業のブランディングが強化されると、以下のようなメリットがあります。

ブランディングによるメリット

  • 企業の認知度向上と応募者数の増加
  • 候補者からの共感を呼び、入社意欲の向上
  • 社員のエンゲージメント向上と帰属意識の醸成

採用活動を通じて企業ブランドを高めることは、優秀な人材を惹きつけるだけでなく、社会的な信頼性の向上にも寄与します。

中長期で人材を採用できる仕組みができる

中長期で良い人材を採用できる仕組みができるのも、採用戦略を策定するメリットです。採用ノウハウが社内に蓄積され、採用プロセスが標準化されることで、担当者が変わっても一定の採用力を維持できるでしょう。

また、将来的に必要となる人材を見据えたタレントプールの構築や、候補者との継続的なコミュニケーション体制の確立も可能です。

ポイント

このような仕組みができると、急な欠員補充や事業拡大時の増員にも、迅速に対応できます。

採用市場の変化に柔軟に対応し、持続的に優秀な人材を確保できる体制を整えることは、企業の持続的な成長を支える基盤となるでしょう。

ここでは、採用戦略の成功事例を紹介していきます。私たちが提供するAI採用ツール「HELLOBOSS」を採用戦略に活用した事例です。

採用戦略の成功事例

1. 早期アプローチで100名のエントリー

2. 地方×採用が難しい職種で採用成功

3. 動画とAIで店長候補者の採用数アップ

4. サービス業がわずか2ヶ月で500エントリー

HELLOBOSSは10万人を超えるユーザーの中から、貴社に合う人材をAIが推薦してくれます。

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早期アプローチで100名のエントリー

早期アプローチで100名のエントリーを獲得した自動車ディーラーの事例です。

26卒に向けて説明会やインターンの集客として、HELLOBOSSのエンタープライズプランを活用しました。

ナビサイトにまだ登録していないユーザーに対して早期にアプローチすることで、獲得できていなかったハイクラス層の獲得に成功しました。

地方×採用が難しい職種で採用成功

地方×採用が難しい職種で採用成功を果たした運輸業の事例です。

若手の母集団形成に苦戦していた地方のドライバー採用にHELLOBOSSのエンタープライズプランを活用しました。

AIでターゲットに的確なアプローチができたため、有効応募率は90%以上を達成。

既存の求人媒体よりも一人当たりの採用単価を30%削減することに成功しました。

動画とAIで店長候補者の採用数アップ

動画とAIで店長候補者の採用数アップを実現した飲食業の事例です。

求人検索エンジンでも応募単価・採用単価が高騰している飲食店長候補ポジションで、HELLOBOSSのエンタープライズプランを導入しました。

動画を使った訴求の磨き込みとAIアプローチにより、ターゲットからの応募を多く獲得することに成功。

今では最も獲得効率の良い採用ツールの1つとして、HELLOBOSSを活用しています。

サービス業がわずか2ヶ月で500エントリー

サービス業がわずか2ヶ月で500エントリーを獲得したホテル・旅館の事例です。

求人媒体だけではなかなか集まらない中で、HELLOBOSSのエンタープライズプランを導入しました。

2ヶ月で500応募以上の母集団を形成し、さらにAI電話等の機能活用や専属サポートによる候補者対応ができたため、工数を削減しながら採用数を増やしました。

効果的な採用戦略を立案し、計画的に実行するためには、体系的なステップを踏むことが望ましいです。ここでは、採用戦略・計画の立て方を17のステップに分けて解説します。

採用戦略・計画の立て方17ステップ

  1. 採用の専任担当者を配置する
  2. 事業計画の把握
  3. 足りない人材の把握
  4. 採用フレームワークで内外環境を分析
  5. 採用ペルソナの設計
  6. 採用チャネルの選定
  7. 採用ファネル設計
  8. KGI・KPI設定と予算配分
  9. 求人票の作成
  10. 待遇改善など社内体制の整備
  11. キャリアプランの明確化
  12. 各部署や経営層に協力してもらう
  13. 面接の質問や評価を決めておく
  14. 面接官のトレーニング
  15. 内定後フォロー
  16. オンボーディング対策
  17. PDCAサイクルを回して改善していく

これらのステップを順に進めることで、再現性の高い採用活動が可能になります。1つずつ確認していきましょう。

①採用の専任担当者を配置する

採用活動の成果を上げるためには、できれば採用の専任担当者を配置するのが理想的です。

採用業務に集中できるため、市場調査や候補者とのコミュニケーション、選考プロセスの管理などを丁寧に進められます。

注意

他の業務と兼任する場合、日々の業務に追われてしまい、候補者への連絡が遅れたり、面接がスムーズに進まなかったりするでしょう。結果として、採用のチャンスを逃してしまうかもしれません。

企業規模によっては難しい場合もありますが、可能な範囲で専任化を検討してみてください。

人手が足りない場合はAIを活用する

どうしても専任の採用担当者を配置できない場合は、AIを活用するのがおすすめです。AIに採用活動の一部をサポートしてもらうことで、担当者の負担を軽減し、業務の効率化を図れます。

具体的には、以下のような業務でAIの活用が期待できます。

AIを活用できる主な採用業務

  • 書類選考・スクリーニング
  • マッチング
  • スケジューリング・チャットボット
  • スカウトメール文のクオリティ向上
  • AI面接
  • 採用活動のコンサルティング

AIツールを導入することで、少人数でも戦略的な採用活動を進められる可能性があります。

採用活動にAIを活用する方法は、【徹底比較】AI採用のメリット・デメリットと現場の成功事例を紹介で詳しく解説しています。

おすすめのAI採用ツール

私たちが提供する「HELLOBOSS」は、AIを活用したダイレクトリクルーティングツールです。

10万人以上のユーザーの中から、貴社に合う人材をAIが自動で推薦します。

AIが求人票の自動生成やマッチングを支援するため、採用担当者の負担を大幅に軽減できます。

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②事業計画の把握

採用戦略を策定するために、事業計画も把握しておきましょう。採用は事業を推進するための人材を確保する活動であり、事業の方向性や目標と連動していなければ意味がありません。

事業計画を理解することで、将来的に拡大する事業領域や、そのために必要な人材のスキル・経験、人数、時期が見えてきます。

事業計画を把握する方法

  • 経営会議や事業戦略会議への参加
  • 経営層や事業責任者へのヒアリング
  • 中期経営計画書などの資料確認

これらの情報を元に、採用戦略を策定していきます。

③足りない人材の把握

次は社内で足りない人材を具体的に把握していきます。各部署にヒアリングして、業務の課題や、将来的に不足しそうなスキル・経験などを洗い出してください。

ポイント

単に人数を把握するだけでなく、求める人物のスキル・経験・価値観なども具体化することで、後のペルソナ設計に活かせます。

短期的に必要な人材と、中長期的に必要な人材を把握しておくことも、計画的な採用戦略を立てる上で役立つでしょう。

④採用フレームワークで内外環境を分析

続いて、採用フレームワークで企業の内外環境を分析します。自社の強みや弱み、採用市場における機会や脅威を理解することで、成果につながる採用戦略を策定できます。

具体的には、以下のようなフレームワークがおすすめです。

採用フレームワーク

  • 3C分析
  • 4C分析
  • SWOT分析
  • STP
  • RFM
  • TMP
  • AIDA
  • EVPキャンバス
  • バリュープロポジションキャンバス
  • 9-Box Grid

フレームワークの詳細は、採用戦略の策定に使えるマーケティングフレームワーク10選で詳しく解説するので、このまま読み進めてみてください。

⑤採用ペルソナの設計

採用活動の精度を高めるためには、ペルソナを設計しましょう。採用ペルソナとは、企業が採用したい理想の人物像を具体的に設定したものです。

採用ペルソナを設計することで、ターゲットに響く情報発信の内容やチャネルが明確になります。また、選考基準を作成する上でも基盤となるデータです。

採用ペルソナを設定する手順は、以下のとおりです。

採用ペルソナを設計するステップ

  1. 採用したい人材像を社長や現場に聞く
  2. 人材を採用する目的を定義する
  3. 採用したい人材像を書き出す
  4. 採用市場に合わせたペルソナにする
  5. ペルソナを経営層や現場のメンバーに確認してもらう

採用ペルソナの具体的な作り方やテンプレートについては、採用ペルソナの作り方完全ガイド|テンプレートと7ステップのフレームワークで詳しく解説しています。

⑥採用チャネルの選定

次に、採用チャネルを選定していきます。採用ペルソナや目的に合わせて、最適なチャネルを組み合わせるのがコツです。

主な採用チャネルとその特徴は以下のとおりです。

採用チャネルの種類特徴
求人サイト・幅広い求職者に情報を届けられる
・掲載課金型や成功報酬型などプランが多様
ダイレクトリクルーティング・企業からほしい人材に直接アプローチできる
・潜在層への訴求も可能
ハローワーク・無料で求人掲載が可能
・地域密着型で、地元での採用に強い
人材紹介・エージェントが候補者を厳選して紹介
・採用要件が明確な場合に有効
リファラル採用・社員の人脈を通じた紹介
・信頼性が高く、定着率が良い傾向
SNS採用・情報の拡散力が高い
・若年層に情報が届きやすい
オウンドメディア・自社ブログでコンテンツを発信
・企業の魅力を深く伝えられる
採用イベント・会社説明会や合同企業説明会など
・求職者とコミュニケーションできる
学校との連携・大学や専門学校などと連携
・専門スキルを持つ学生にアプローチできる
勉強会・企業で勉強会を実施
・共通の興味をもつ人材と出会える
ハッカソン・製品やサービスを開発するイベント
・エンジニアなどの採用に活用される
求人誌・新聞折込やフリーペーパーなど
・地域の読者層にリーチできる

各採用チャネルの詳細な特徴や選び方は、採用チャネル完全ガイド!主要12選一覧と自社に合う選び方5ステップを参考にしてみてください。

おすすめのダイレクトリクルーティングツール

ダイレクトリクルーティングを実施する場合は「HELLOBOSS」がおすすめです。

10万人以上のユーザーの中から、職種・スキル・経験年数など詳細な条件で、貴社に合う人材をAIが推薦します。

HELLOBOSSの特徴

  • AIによる自動マッチング機能
  • 求人票の自動生成機能
  • 候補者とチャットでやり取り可能
  • 月額4,000円から利用可能
  • 成功報酬は一切なし

従来のダイレクトリクルーティングでは見つからない優秀な人材と出会える可能性があります。

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⑦採用ファネル設計

採用活動の各段階における候補者の動きを可視化し、課題を発見・改善するために、採用ファネルを設計していきます。採用ファネルとは、候補者が企業を認知してから採用に至るまでのプロセスを段階的に示したもので「採用フロー」とも呼ばれます。

自社の採用ターゲットや選考方針に合わせて、最適な採用ファネルを設計することで、各段階での離脱率を把握し、改善策を講じやすくなるでしょう。

新卒向けの採用ファネルの例は以下のとおりです。

新卒向けのフローの名称特徴・概要
標準型採用フロー一般的な説明会→書類選考→複数回面接→内定
説明会・グループワーク一体型フロー説明会とグループワークを同日実施し効率化
インターンシップ経由の採用フローインターン参加者を選考対象とする
ダイレクトリクルーティング型フロー企業から学生へ直接アプローチして選考
オウンドメディア経由の採用フロー自社メディアからの応募者を選考
テスト型フロー適性検査や専門試験を重視した選考
早期選考・リクルーター面談型フロー早期から優秀層と接触し選考
オンライン完結型フロー説明会から最終面接まで全てオンラインで実施
体験ワークショップ型フロー業務に近いワークショップを通じて適性判断
マッチングイベント型フローイベントで候補者と相互理解を深め選考

続いて、中途採用の採用ファネルの例は以下のとおりです。

中途採用フローの名称特徴・概要
標準型中途採用フロー書類選考→複数回面接(人事・現場・役員)→内定
スピード重視・即決型フロー選考回数を減らし、短期間で採用決定
ダイレクトリクルーティング型フロー企業から候補者へ直接アプローチし選考
リファラル採用型フロー社員紹介による候補者を選考
エージェント活用型フロー人材紹介会社経由の候補者を選考
カジュアル面談重視型フロー選考前にカジュアルな面談で相互理解
オンライン完結型フロー全ての選考プロセスをオンラインで実施
試験選考型フロー専門スキルや知識を測る試験を導入
プロジェクトベースの選考特定プロジェクトへの参加を通じて適性判断
現場体験・職場見学型フロー実際の職場体験や見学を選考に組み込む
トライアル雇用・業務委託型フロー一定期間の試用や業務委託を経て正規採用を判断

採用ファネルを設計すると同時に、採用スケジュールも具体的に決めていきましょう。採用フローの詳しい作り方や注意点は、【フロー図付き】採用フロー完全マニュアル|新卒・中途別に解説で解説しています。

⑧KGI・KPI設定と予算配分

採用活動の成果を測定し、改善につなげるために、KGIとKPIも設定していきましょう。KGIとKPIの違いは以下のとおりです。

KGI

Key Goal Indicator(重要目標達成指標)のことで、採用活動における最終的な目標を指します。

KPI

Key Performance Indicator(重要業績評価指標)のことで、KGIを達成するための中間指標を指します。

KGIを達成するために、採用ファネルの各ステップに対応したKPIを設定し、それぞれの目標値を定めます。そして、設定したKPIを達成するために、各採用チャネルや活動フェーズごとに予算を配分します。

以下は、KPIのステップごとの予算配分の一例です。

目標との差異があれば原因を分析して、採用戦略や予算配分を見直しましょう。詳しくは、採用KPIを設定する5ステップ|4つの運用のコツと注意点も解説にまとめています。

採用ペルソナに魅力的だと感じてもらえるような求人票を作成します。単に業務内容や待遇を羅列するだけでなく、企業のビジョンや文化、働く魅力、キャリアパスなどを具体的に記述し、候補者の入社意欲を高めてください。

応募が集まりやすい求人票を作成するステップは、以下のとおりです。

応募が集まりやすい求人票の作り方5ステップ

  1. 求めるペルソナを明確にする
  2. ペルソナが興味を持つ自社の強みをまとめる
  3. 求人内容を具体的に記載する
  4. 写真や動画を入れる
  5. 社内で求人票の内容をチェックする

詳しい求人票の書き方は、求人票の書き方のコツを徹底解説|求人票の作り方5ステップにまとめているので、参考にしてみてください。

AIに求人票を自動生成してもらう方法

求人票はAIに書いてもらうのがおすすめです。

HELLOBOSS」を使うと、登録した情報からAIが求人票を自動生成してくれます。

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  • 職種や条件を入力するだけで自動生成
  • 候補者に響く魅力的な内容に最適化
  • 何度でも編集・修正が可能
  • 複数の求人票パターンを作成可能

AIが業界のトレンドや求職者のニーズを分析し、応募が集まりやすい求人票を自動で作成します。

求人票作成の時間を大幅に短縮できます。

無料から試せるので、AIに求人票を自動生成してもらいましょう。

⑩待遇改善など社内体制の整備

他社との採用競争に負けないためにも、待遇改善など社内体制の整備を進めておく必要があります。待遇を改善すると、求人票や面接で具体的にアピールできて、候補者の入社意欲を高めます。

待遇改善や社内制度の整備は、採用担当者だけでなく、経営層や関連部署との連携が不可欠です。現状の課題を共有し、ペルソナに響くような待遇を可能な限り整えていきましょう。

待遇を改善する具体例は以下のとおりです。

改善項目具体的な取り組み例
給与・賞与・業界水準や競合他社の給与調査に基づいた見直し
・成果に応じたインセンティブ制度の導入
・明確な評価制度と昇給基準の設定
休日・休暇・年間休日数の増加
・有給休暇取得率の向上奨励
・特別休暇制度の新設や拡充
福利厚生・住宅手当
・家族手当
・通勤手当
・育児や介護支援制度
・健康増進プログラムの提供など
働き方・リモートワーク制度
・フレックスタイム制度
・時短勤務制度
・時間単位での有給休暇
・副業や兼業の容認
研修・教育・新入社員研修
・階層別研修
・専門スキル研修
・資格取得支援制度
・eラーニングシステムの導入
職場環境・ハラスメント相談窓口の設置
・社内イベントの促進

これらの改善は、既存社員の満足度向上にもつながり、リファラル採用の活性化も期待できます。

参考記事:リファラル採用が難しい理由とは?注意点や失敗しないコツも解説

⑪キャリアプランの明確化

続いて、自社のキャリアプランを明確化しましょう。どんなキャリアを築けるかは、向上心のある優秀な人材にとって魅力的に映ります。

ポイント

キャリアプランが明確であれば、求人票に具体的なキャリアステップを記載しやすくなります。また、面接時にも候補者のキャリア志向に合わせて提案できるため、採用できる確率が高まるでしょう。

キャリアプランの具体例は以下のとおりです。

キャリアパスの方向性具体的なキャリア例・ポジション例
マネジメントコース・チームリーダー、課長、部長などのライン管理職
・事業部長、部門長といった上位管理職
・経営幹部、役員への登用
専門職コース・特定分野の高度専門職
・技術顧問としての社内外での活動
・専門領域の指導者
ゼネラリストコース・複数部門を経験し、幅広い視野と知識を習得
・全社横断的なプロジェクトのマネジメント
・新規事業開発や企画部門での活躍
その他多様なキャリア・社内起業制度を活用した新規事業の立ち上げ
・海外拠点での勤務
・グループ会社への出向

キャリアパスを整備し、それぞれの道で成長できることを社内外に明示することで、キャリアアップを目指す人材の獲得につながります。

⑫各部署や経営層に協力してもらう

人材採用は、採用担当者だけが努力するものではありません。各部署や経営層に協力してもらうことで、採用活動の成果は最大化します。

現場の社員が自社の魅力や仕事のやりがいを候補者に伝えたり、経営層が企業のビジョンや将来性を語ったりすることは、候補者の入社意欲を高めます。

各部署や経営層に協力してもらう具体例は、以下のとおりです。

各部署や経営層に協力してもらう例

  • 会社説明会やイベントへの登壇依頼
  • 現場社員によるカジュアル面談の実施
  • リファラル採用への積極的な参加促進
  • 面接官としての協力依頼
  • 経営層からの採用に関するメッセージ発信

採用活動の意義を社内で共有し、協力を仰ぎやすい体制を構築しましょう。

⑬面接の質問や評価を決めておく

事前に面接の質問や評価を決めておくのがおすすめです。面接官によって質問内容や評価基準が異なると、候補者の能力や適性を客観的に判断できません。

ポイント

あらかじめ評価項目や基準を明確にしておくことで、面接官の主観によるブレを減らし、採用のミスマッチを防ぎましょう。

例えば、コンピテンシー評価(成果を出す人に共通する行動特性)を導入し、各評価項目に対応する具体的な質問例を用意しておくと効果的です。また、評価シートを標準化し、複数の面接官で評価結果を共有することで、多角的な視点から候補者を見極められます。

⑭面接官のトレーニング

候補者に自社を魅力的に感じてもらい、入社意欲を高めてもらうためには、面接官のトレーニングも不可欠です。面接官は「企業の顔」であり、その言動や態度は候補者の企業イメージを左右します。

面接官のトレーニング方法の具体例は、以下のとおりです。

面接官のトレーニング方法

  • 面接マニュアルの作成と共有
  • ロールプレイング形式での模擬面接
  • 評価基準のすり合わせワークショップ
  • フィードバック研修の実施
  • 外部講師による専門研修の導入

優秀な人材を逃さないためにも、面接のトレーニングを積んでおきましょう。

⑮内定後フォロー

優秀な人材を確保するためには、内定を出した後も油断できません。内定辞退を防ぎ、確実に入社してもらうためには、内定後フォローの制度を整備してください。

ポイント

内定者は入社を決めるまでに複数の企業を比較しているケースが多く、不安や疑問を抱えている場合があります。

企業側から定期的にコミュニケーションを取り、入社への期待感を高め、不安を解消するためにフォローしましょう。内定後フォローの具体例は、以下のようなものがあります。

内定後フォローの具体例

  • 内定者懇親会の開催
  • 先輩社員との面談機会の設定
  • 社内イベントへの招待
  • 定期的なメールや電話での連絡
  • 入社前研修や課題の提供

内定者に寄り添った丁寧なフォローを心がけてください。

⑯オンボーディング対策

入社した人材がすぐに離職しないためにも、オンボーディング対策が必要です。「オンボーディング」とは、新入社員が早期に戦力化するための育成プログラムのことです。

オンボーディング対策の具体例は、以下のようなものがあります。

オンボーディングのフェーズ具体的な取り組み例
入社初日〜1週間・オリエンテーション
・オフィスツアー
・PCやアカウント設定
・ウェルカムランチ
入社1ヶ月目・OJT計画の説明と開始
・部署内での歓迎会
・定期的な1on1ミーティング
・業務に必要な知識
・スキルの基礎研修
・社内システムやツールの使い方研修
入社3ヶ月目・業務のフィードバック
・目標設定と進捗確認
・他部署との連携業務体験
・社内イベントへの参加促進
入社6ヶ月目〜1年・高度な業務への挑戦
・キャリア面談の実施
・パフォーマンス評価
・社内勉強会や研修への参加

組織全体で新入社員をサポートする体制を整えることが、長期的な活躍と定着につながります。

⑰PDCAサイクルを回して改善していく

採用戦略は一度作ったら終わりではありません。PDCAサイクルを回して改善していくことで、戦略はブラッシュアップされ、採用の成果は最大化していきます。

ポイント

採用市場や事業環境は常に変化するため、定期的に戦略の効果を検証し、必要に応じて見直しましょう。

採用戦略におけるPDCAサイクルの具体例は以下のとおりです。

PDCAの段階具体的な活動例
Plan(計画)・KGIやKPIの設定
・ペルソナの明確化
・採用チャネルの選定
・選考フローと評価基準の設計
Do(実行)・求人情報の公開
・採用イベントの実施
・書類選考、面接の実施
・内定者フォロー
Check(評価)・KPIの進捗状況の測定と分析
・採用コストの効果測定
・定着率やパフォーマンス評価
・採用プロセスのアンケート
Action(改善)・KPI未達成の原因究明と対策立案
・採用チャネルの見直し
・選考基準や面接内容の改善
・内定者フォローの強化

PDCAサイクルを回すためには、データの収集と分析が不可欠です。採用管理システムなどを活用し、客観的なデータに基づいて改善策を検討しましょう。

採用戦略を効果的に立案・実行するためには、マーケティングのフレームワークを活用するのが有効です。採用戦略の策定に役立つ10個のフレームワークを紹介します。

採用戦略策定のフレームワーク

  1. 3C分析
  2. 4C分析
  3. SWOT分析
  4. STP
  5. RFM
  6. TMP
  7. AIDA
  8. EVPキャンバス
  9. 9-Box Grid
  10. バリュープロポジションキャンバス

1つずつ解説していくので、自社で取り組めそうなものから実践してみましょう。

3C分析

3C分析は、自社の採用活動を取り巻く環境を理解するための基本的なフレームワークです。「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つの視点から分析し、採用戦略の方向性を見定めます。

3Cの要素分析内容
Customer(市場・顧客=求職者)・求める人材像
・求職者のニーズや動向
・市場規模
・転職市場のトレンドなど
Competitor(競合)・競合他社の採用戦略
・競合の強み、弱み
・競合の打ち出している条件や魅力
・競合の求職者からの評価など
Company(自社)・自社の経営戦略
・自社の事業内容
・自社の企業文化
・自社の強み、弱み
・自社の採用における課題
・自社が提供できる価値

採用戦略においては、まず求職者(Customer)が企業選びで何を重視しているのかを理解します。次に、競合他社(Competitor)の採用活動を調べて、どんな人材を獲得しようとしているのかを分析します。

そして、自社(Company)の強みや魅力を客観的に把握し、競合と比較して優位に立てるポイントや、求職者に訴求できる独自の価値を明確にします。

ポイント

3C分析を通じて、自社が採用市場で成功するための要因(KSF:Key Success Factor)を見つけ出し、採用戦略を立案することを目指します。

例えば「中堅SaaS企業がプロダクトマネージャーを採用する」場合の3C分析の具体例は以下のとおりです。

3Cの要素中堅SaaS企業がプロダクトマネージャーを採用する例
Customer(市場・求職者)・経験豊富なPMは市場に少ない
・成長機会、裁量権、プロダクトへの共感を重視
・リモートワークや柔軟な働き方を好む傾向
Competitor(競合)・大手テック企業や有名スタートアップが競合
・高年収やストックオプションを提示する企業も多い
・独自の開発文化や技術的挑戦をアピール
Company(自社)・安定した顧客基盤と成長中のプロダクトを持つ
・意思決定が早く、PMの裁量が大きい文化
・年収面では大手に見劣りする
・社会貢献性の高いプロダクトであることを訴求可能

この分析結果から、自社は「プロダクトの社会貢献性」や「PMの裁量の大きさ」を前面に押し出すと良いでしょう。成長意欲の高いプロダクトマネージャーに響くメッセージを発信する戦略を立てられます。

4C分析

4C分析は求職者視点で自社の提供価値を見直すためのフレームワークです。

4Cの要素採用戦略における視点
Customer Value
顧客価値=求職者にとっての価値
企業が求職者に提供できる魅力
(仕事内容、成長機会、企業文化、待遇など)
Cost
顧客コスト=求職者が払うコスト
求職者が応募・入社するために必要な時間、労力、心理的負担、機会費用
(他社を諦めるなど)
Convenience
利便性=応募・入社のしやすさ
応募プロセスの簡便さ、選考スケジュールの柔軟性、勤務地の魅力、アクセスの良さ、入社準備のサポート体制など
Communication
コミュニケーション
企業から求職者への情報発信の適切さ、双方向のコミュニケーションの質、選考過程でのフィードバック、内定後のフォローなど

求職者中心の視点を持つことで魅力的な採用活動を展開し、応募者の満足度を高めます。

例えば、全国展開するフィットネスクラブが、未経験歓迎のパーソナルトレーナー候補を採用する場合の4C分析は以下のとおりです。

4Cの要素未経験歓迎のパーソナルトレーナー候補を採用する場合
Customer Value(求職者価値)・充実した研修制度で未経験からプロのトレーナーへ
・お客様の目標達成をサポートするやりがい
・自身の健康や体力向上にもつながる仕事
・成果に応じたインセンティブ制度
Cost(求職者コスト)・資格取得までの学習時間や費用
・シフト制勤務による不規則な生活リズム
・体力的な負担や接客スキルへの不安
Convenience(利便性)・Webサイトからの簡単な応募フォーム
・オンライン説明会や一次面接の実施
・全国各地の店舗で勤務できる
・研修期間中のサポート体制
Communication(コミュニケーション)・採用サイトやSNSで活躍するトレーナーのインタビューや研修内容を発信
・店舗見学や現役トレーナーとの座談会を実施
・選考結果の理由を丁寧にフィードバック
・内定者向けにトレーニング知識の事前学習コンテンツ提供

この分析から、未経験者の不安を払拭する研修制度の魅力発信や、応募プロセスの利便性向上、選考中の丁寧なコミュニケーションを強化する施策が考えられます。

SWOT分析

SWOT分析は、自社の内部環境の「強み」「弱み」と、外部環境の「機会」「脅威」を整理・分析するフレームワークです。

SWOTの要素内容
Strengths(強み)
内部環境
採用活動において自社が持つ有利な点
例:ブランド力、独自の技術、企業文化、充実した福利厚生など
Weaknesses(弱み)
内部環境
採用活動において自社が持つ不利な点
例:知名度の低さ、待遇面の課題、採用ノウハウ不足、立地条件など
Opportunities(機会)
外部環境
採用市場や社会情勢の変化など、自社の採用活動に有利に働く外部要因
例:特定スキルの人材増加、競合他社の採用縮小、新しい採用チャネルの登場など
Threats(脅威)
外部環境
採用市場や社会情勢の変化など、自社の採用活動に不利に働く外部要因
例:労働人口の減少、競合の採用強化、法的規制の変更、求職者の価値観の変化など

SWOT分析で、現実的かつ効果的な採用戦略の立案が可能になります。

例えば、設立3年の再生可能エネルギー関連スタートアップ企業が、事業開発担当の経験者を採用する場合のSWOT分析の具体例は以下のとおりです。

SWOTの要素再生可能エネルギーのスタートアップ企業が事業開発担当者を採用する具体例
Strengths(強み)
内部環境
・社会貢献性の高い事業ドメインと明確なビジョン
・意思決定が迅速で、個人の裁量が大きい
・最新技術トレンドへの感度が高いチーム
Weaknesses(弱み)
内部環境
・企業の知名度や実績がまだ低い
・大手企業に比べ福利厚生や安定性に不安を感じる候補者がいる
・採用体制や教育制度が未整備
Opportunities(機会)
外部環境
・再生可能エネルギー市場の急速な拡大と社会全体の関心の高まり
・大手企業からのスピンアウト人材や社会貢献志向の強い優秀層の存在
・オンライン採用ツールの活用で、遠隔地の候補者にもアプローチ可能
Threats(脅威)
外部環境
・同業スタートアップや大手企業の新規参入による人材獲得競争の激化
・政策や市場の変動リスクに対する候補者の懸念
・高い専門性を持つ人材の絶対数の不足

この分析から、強み「社会貢献性と裁量権」を活かし、機会「市場拡大と社会関心の高まり」を捉えてミッションに共感する人材に訴求する戦略が考えられます。また、弱み「知名度」を補うための積極的な情報発信、脅威「競争激化」に対応するための社内環境整備といった施策を検討できるでしょう。

STP

STPは、マーケティング戦略の基本的なフレームワークです。

採用戦略においては、求職者市場を細分化して、自社が狙うべきターゲット層を絞り、そのターゲット層に対して自社を魅力的に位置づけるために活用します。

STPの要素内容
Segmentation(セグメンテーション)求職者市場を共通のニーズや属性(年齢、経験、スキル、価値観、志向性など)を持つグループに分類する。
Targeting(ターゲティング)セグメント化された市場の中から、自社の経営戦略や採用目標に合致し、かつ自社の魅力が最も響くと思われるターゲット層を選定する。
Positioning(ポジショニング)選定したターゲット層に対して、競合他社との違いを明確にし、自社独自の魅力や提供価値を伝え、求職者の心の中で特別な位置を確立する。

STPを採用戦略に適用することで、漠然とした採用活動から脱却し、限られたリソースを効果的に活用して、求める人材に集中的にアプローチできます。

例えば、中規模の教育サービス企業が、オンライン教材開発の経験を持つコンテンツクリエイターを採用する場合のSTPの具体例は以下のとおりです。

STPの要素教育サービス企業がコンテンツクリエイターを採用する具体例
Segmentation(セグメンテーション)・経験分野別: 学校教育向け教材経験者、企業研修向け教材経験者、一般消費者向けEdTechコンテンツ経験者
・スキル別: 動画編集スキル保有者、インタラクティブコンテンツ開発スキル保有者、ゲーミフィケーション導入経験者
・志向性別: 最新技術活用志向、教育効果追求志向、ユーザーエンゲージメント重視志向
Targeting(ターゲティング)・一般消費者向けEdTechコンテンツ開発経験3年以上
・インタラクティブな動画教材の企画・制作スキルが高い
・教育への情熱と新しい学びの形を創造したいという意欲を持つ人材
Positioning(ポジショニング)・「最新技術を駆使した革新的なオンライン教育コンテンツを、裁量を持って企画からリリースまで担当できる企業」として訴求
・競合との差別化
大手出版社:安定だがスピード感に欠ける
小規模制作会社:自由度は高いがリソース不足

このSTPに基づき、ターゲットとする「EdTech経験者でインタラクティブ動画制作に強いクリエイター」に対し「最新技術への挑戦と裁量権」を訴求します。専門ブログやオンラインコミュニティで魅力的な求人情報を発信する戦略も良いでしょう。

RFM

RFM分析は、顧客の購買行動を分析する際に用いられる手法です。「最終購入日(Recency)」「購入頻度(Frequency)」「購入金額(Monetary)」の3つの指標で顧客をランク付けし、優良顧客を見つけ出すものです。

採用戦略においては、直接的な購買行動はありませんが、この考え方を「候補者の行動や意欲」に置き換えて応用できます。

RFMの指標(採用への応用)分析内容・着眼点(例)
Recency(最新接触日・行動日)候補者が最後に自社に何らかのアクション(イベント参加、サイト訪問、問い合わせなど)を記録した時期。直近であるほど関心が高い可能性がある。
Frequency(接触頻度・行動頻度)候補者が自社の採用情報やイベントに接触する頻度。頻度が高いほど、自社への関心が継続していると考えられる。
Monetary(貢献度・関与度)候補者のスキル・経験のマッチ度、選考ステップの進捗度、イベントでの積極性など、採用への「貢献度」や「関与の深さ」を測る指標に置き換える。

過去の応募者データやタレントプールの中から、再アプローチすべき有望な候補者群を特定するのにも役立ちます。直近で接点があり、過去にも複数回イベントに参加し、スキルマッチ度も高い候補者には、積極的なスカウトを送るなどの施策が考えられます。

例えば、自動車部品メーカーが、インターンシップ参加者や合同説明会での接触者リストから、次世代技術開発エンジニアの卵を発掘するRFM分析の具体例は以下のとおりです。

RFMの指標(採用への応用)自動車部品メーカーが次世代技術開発エンジニアを採用する具体例
Recency(最新接触日)・6ヶ月以内に自社主催の技術セミナーに参加
・1ヶ月以内に新卒採用ページを再訪問
Frequency(接触頻度)・過去2年間にインターンシップと技術イベントに各1回以上参加
・企業説明動画を複数回視聴
Monetary(貢献度・関与度)・インターンシップでの評価が「A」または「B+」
・大学での専攻が機械工学、電気電子工学、情報工学のいずれか
・技術セミナーでの質疑応答で積極的な発言あり

この分析から「最近の接触と複数の接触があり、評価の高い学生には、早期選考の案内やリクルーターによる個別面談を設定するなど、優先的なアプローチを検討できます。

TMP

TMP(タレントマネジメントプラン)は、従業員の採用から育成・評価・配置・定着までを一貫して計画・管理し、パフォーマンスを最大化する人材戦略の枠組みです。「プラン」と付くとおり、具体的な計画に落とし込むことが求められます。

TMPの主要な要素採用戦略における考慮点
Talent Acquisition(人材獲得)経営戦略に基づき、現在および将来必要となる人材像を定義し、計画的に採用する。採用チャネルの最適化、選考プロセスの高度化など。
Onboarding(オンボーディング)新入社員が早期に組織に馴染み、能力を発揮できるように支援する。
Performance Management(業績管理)公平な評価制度に基づき、従業員のパフォーマンスを評価し、フィードバックを通じて成長を促す。採用した人材が期待通りの成果を上げているかを検証する。
Learning & Development(学習と能力開発)従業員のスキルアップやキャリア開発を支援するための研修制度や機会を提供する。採用した人材のポテンシャルを最大限に引き出す。
Succession Planning(後継者育成計画)将来のリーダー候補や重要なポジションの後継者を計画的に育成する。採用段階から将来の幹部候補を見据えた人材獲得も視野に入れる。
Compensation & Benefits(報酬と福利厚生)競争力のある報酬体系や魅力的な福利厚生を提供し、従業員のモチベーションを高め、定着を促す。採用においても、これらは訴求ポイントとなる。
Retention(リテンション=定着)従業員が長く働き続けたいと思えるような魅力的な職場環境や企業文化を醸成する。採用した人材が早期に離職しないための施策。

採用戦略はTMPの一部であり、他の要素と密接に関連しています。例えば、優秀な人材を採用できても、オンボーディングや育成が整っていなければ、能力を十分に発揮できず、早期離職につながる恐れがあります。

ポイント

TMPの視点を持つことで、採用活動を単なる「入口」として捉えるのではなく、入社後の活躍や定着までを見据えた、長期的な人材戦略を策定できます。

例えば、グローバル展開を目指す中堅化粧品メーカーが、海外マーケティング担当者を採用する場合のTMPにおける採用戦略の例は以下のとおりです。

TMPの要素化粧品メーカーが海外マーケティング担当者を採用する具体例
人材獲得・ビジネスレベルの英語力に加え、特定地域の言語・文化に精通した人材をターゲット
・海外の求人サイトやLinkedInを活用したダイレクトリクルーティングを強化
・ケーススタディ選考(海外市場向けマーケティング戦略立案)を導入
オンボーディング・入社後、本社でのブランド研修に加え、海外支社でのOJT期間を設定
・異文化理解研修や語学力向上支援プログラムを提供
学習と能力開発・海外のマーケティングトレンドを学ぶためのセミナー参加支援
・将来の海外拠点責任者候補としてのリーダーシップ研修
報酬と福利厚生・海外勤務を考慮した報酬体系(赴任手当、住宅補助など)
・グローバル基準の福利厚生制度の導入検討
リテンション=定着・多様なバックグラウンドを持つ社員が活躍できるインクルーシブな企業文化の醸成
・海外での成果を正当に評価する制度の確立
・定期的なキャリア面談によるグローバルキャリアパスの共有

TMPの各要素と連携させながら採用戦略を具体化することで、採用した人材が長期的に活躍し、企業成長に貢献する可能性を高めます。

AIDA

AIDAは消費者の購買決定プロセスを説明するモデルで「注意(Attention)」「興味(Interest)」「欲求(Desire)」「行動(Action)」の頭文字を取ったものです。

採用戦略においては、候補者が企業を認知し、応募・入社に至るまでの心理的なプロセスを理解し、各段階で適切なアプローチを設計するために活用できます。

AIDAの段階採用戦略における候補者の心理・行動と企業のアプローチ例
Attention(注意)候補者が企業の存在や求人情報を知る段階。
企業:求人広告、プレスリリース、SNSでの露出、合同説明会への出展などで、まず「認知獲得」を目指す。
Interest(興味・関心)候補者が企業や仕事内容に対して興味を持つ段階。
企業:採用サイトやブログ、説明会などで、企業のビジョン、文化、仕事の魅力、社員の声などを具体的に伝え、候補者の「関心喚起」をはかる。
Desire(欲求)候補者がその企業で働きたい、この仕事に就きたいと強く望む段階。
企業:面接や面談、職場見学、社員との交流などを通じて、候補者一人ひとりのキャリア志向や価値観に寄り添い、自社で働くことの具体的なメリットや自己実現の可能性を示し、「入社意欲の醸成」を促す。
Action(行動=応募・入社)候補者が実際に応募したり、内定を承諾したりする段階。
企業:応募プロセスの簡略化、選考結果の迅速な通知、内定者への手厚いフォローなどを提供し、スムーズな「行動喚起」を支援する。入社への最終的な意思決定を後押しします。

AIDAモデルを意識することで、採用活動の各接点で、候補者の心理状態に合わせた情報提供やコミュニケーションを設計できます。

例えば、歴史ある出版社の編集部門が、デジタルコンテンツにも対応できる若手編集者を募集する場合のAIDAモデルに基づいた採用戦略の例は以下のとおりです。

AIDAの段階出版社が若手編集者を採用する具体例
Attention(注意)・出版業界専門の求人サイトへの掲載
・自社SNSアカウントで「編集者の日常」や「企画の裏側」を発信
・大学の文学部やマスコミ系学部への求人案内送付
Interest(興味・関心)・採用サイトに、手がけた書籍やデジタルコンテンツの事例、若手編集者のキャリアアップ事例を紹介
・オンライン編集部見学ツアーや、現役編集者とのQ&Aセッションを実施
・「新しい時代の編集者とは」といったテーマでブログ記事を発信
Desire(欲求)・選考課題として、実際の書籍やWebコンテンツの企画案を提出してもらう
・面接では、候補者の「作りたいもの」への情熱やアイデアを深くヒアリング
・編集長やベテラン編集者が、自社の編集方針や育成への考え方を伝え、共に成長できる環境であることをアピール
Action(行動=応募・入社)・ポートフォリオ提出を容易にするためのオンラインストレージ指定
・選考ステップごとのフィードバックを丁寧に実施
・内定者には、入社前に読書課題や編集関連のオンライン講座受講を推奨(費用補助あり)、入社後のスムーズなスタートを支援

候補者の心理プロセスに合わせて段階的なアプローチを設計することが、採用成功の確率を高めます。

EVPキャンバス

EVPキャンバスは「Employee Value Proposition Canvas:従業員価値提案キャンバス」を意味します。)企業が従業員・候補者に対して提供できる独自の価値(=EVP)を明確にして、効果的に伝えるためのフレームワークです。

EVPは報酬や福利厚生といった金銭的・物質的価値だけでなく、仕事のやりがい・成長機会・企業文化・社会貢献といった非金銭的価値も含みます。

EVPキャンバスの主要構成要素採用戦略における検討内容
報酬・給与
・賞与
・インセンティブ
・ストックオプション
・福利厚生
・退職金制度など
キャリア・昇進、昇格の機会
・スキルアップ、能力開発の支援
・多様なキャリアパス
・挑戦的な仕事
・海外勤務の機会
・メンター制度など
仕事内容・仕事の面白さ
・やりがい
・達成感
・社会への貢献実感
・裁量権の大きさ
・革新的なプロジェクトへの参加
・専門性の追求
・ワークライフバランスなど
企業文化・組織風土
・人間関係
・コミュニケーションのあり方
・チームワーク
・多様性と受容性
・リーダーシップのスタイル
・企業のビジョンへの共感
・倫理観、社会貢献意識など
働く環境・オフィスの快適さ
・立地
・リモートワーク
・フレックスタイム
・使用するツール
・安全衛生管理
・ハラスメント対策など

明確で魅力的なEVPは、ターゲット人材を惹きつけ、ミスマッチを防ぎ、入社後のエンゲージメント向上にもつながります。

例えば、急成長中のフードデリバリーサービス企業が、データアナリストを採用する場合のEVPキャンバスの要素と訴求ポイントの具体例は以下のとおりです。

EVPの要素フードデリバリー企業がデータアナリストを採用する具体例
報酬・業界水準以上の給与と業績連動型のインセンティブ
・ストックオプション制度の導入
キャリア・膨大なリアルタイムデータを扱い、分析スキルを高度化できる
・分析結果が事業戦略に直結するポジション
・データサイエンティストやAIエンジニアへのキャリアパスも可能
仕事内容・数百万ユーザーの行動データや市場トレンドを分析し、サービス改善や新規施策を提案
・A/Bテストの設計・効果測定、経営層へのレポーティング
・食の未来をデータでデザインするダイナミックな仕事
企業文化・データを重視する文化
・部門を超えたオープンな議論とスピーディーな実行力
・多様なバックグラウンドを持つ優秀なメンバーが集う刺激的な環境
働く環境・最新の分析ツールやクラウド環境を利用可能
・勉強会や技術カンファレンスへの参加を奨励・支援
・一部リモートワーク可、フレックスタイム制

EVPを明確にすることで、求人票や面接での訴求ポイントが具体的になり、候補者に対して自社の魅力を効果的に伝えられるようになります。

9-Box Grid

9-Box Gridは、人材評価や人材配置、後継者育成計画などに用いられるフレームワークです。一般的には「パフォーマンス」と「ポテンシャル」の2軸で人材を9つのボックスに分類し評価します。

採用戦略においては、直接的に候補者をこのグリッドで評価するわけではありませんが、採用基準の明確化や、入社後の育成方針を検討する上で参考になります。

まず「自社が各ポジションで求めるパフォーマンスレベル」と「将来的に期待するポテンシャル」を定義します。選考プロセスを通じて、候補者が発揮できそうなパフォーマンスや、ポテンシャルを見極めるための質問や評価基準を設定します。

リーダー候補を採用したい場合は、高いポテンシャルを持つ人材を見抜くための評価項目を重視するなどの活用が考えられます。

求める人材像をパフォーマンスとポテンシャルの観点から具体化することで、選考基準がより明確になり、戦略的な人材獲得に繋げられます。

バリュープロポジションキャンバス

バリュープロポジションキャンバスは、候補者のニーズや課題と、自社が提供できる価値を整理し、両者の適合性を高めるフレームワークです。候補者が本当に求めているものと、企業が提供できる魅力が合致しているかを見える化します。

候補者のニーズや課題内容
候補者のジョブ候補者がキャリアを通じて成し遂げたい目的、解決したい課題、満たしたい欲求。
例:スキルアップ、社会貢献、自己成長、良好な人間関係、安定した生活など
候補者の利得候補者が仕事や職場に期待するプラスの成果やメリット。
例:高い報酬、やりがいのある仕事、成長機会、柔軟な働き方、良い評判、尊敬されることなど
候補者の悩み候補者が仕事や職場で避けたいマイナス要素や障害、不満。
例:低い給与、単調な仕事、成長の停滞、長時間労働、人間関係のストレス、将来への不安など
企業が提供できる価値内容
製品・サービス企業が候補者に提供する具体的な「働く機会」そのもの。
例:職務内容、ポジション、プロジェクト、労働条件、福利厚生、研修制度、キャリアパスなど
利得をもたらすもの企業の提供価値の中で、特に候補者の「利得」を増大させる要素。
例:市場価値の高いスキルが身につく、大きな裁量権、業界トップクラスの報酬、社会貢献性の高い事業など
悩みを取り除くもの企業の提供価値の中で、特に候補者の「悩み」を軽減・解消する要素。
例:手厚いOJTによるスキル不足解消、フレックスタイム制による柔軟な働き方、透明性の高い評価制度による不公平感の払拭、充実した福利厚生による生活不安の軽減など

採用戦略にバリュープロポジションキャンバスを用いることで、候補者の求める点を理解します。その上で、自社が提供できる価値が、候補者の利得を生み出し、悩みを取り除く点を具体的に示せるようにします。

ポイント

この両者が強力に結びつくとき、候補者にとって魅力的な「働く価値提案」となり、採用競争において優位に立てます。

例えば、デザイン思考を重視する日用品メーカーが、若手のUXデザイナーを採用する場合のバリュープロポジションキャンバスの具体例は以下のとおりです。

候補者側内容
候補者のジョブ・ユーザー中心のデザインプロセスを実践したい
・自分のデザインで人々の生活をより良くしたい
・多様なバックグラウンドのチームと協働したい
・デザインスキルを継続的に高めたい
候補者の利得・自分のアイデアやデザインが製品に反映される喜び
・ユーザー調査からプロトタイピング、検証まで一貫して関与できる
・デザイン思考を重視する文化での成長機会
・安定した企業基盤のもとで、長期的な視点でデザインに取り組める
候補者の悩み・デザイナーの発言力が弱く、意見が通りにくい組織
・短期的な成果ばかり求められ、本質的なユーザー理解やUX改善が疎かになる
・デザイン業務が細分化され、全体像が見えない
・古い体質で、新しいデザイン手法やツール導入に消極的
企業側内容
製品・サービス(働く機会)・新製品開発プロジェクトにおけるUXデザイン担当ポジション
・ユーザー調査、ペルソナ作成、ジャーニーマップ作成、UIデザイン、ユーザビリティテストなど
・プロダクトマネージャー、エンジニア、マーケターとの協業
・デザイン思考ワークショップの企画・運営サポート
利得をもたらすもの・全社的にデザイン思考を推進しており、UXデザイナーの意見が尊重される
・ユーザーリサーチに十分な予算と時間を確保
・製品コンセプト段階からUXデザイナーが関与
・社内外の研修や勉強会への参加支援、デザインツール導入にも積極的
悩みを取り除くもの・経営層がUXの意義を理解し、デザイナーの専門性を評価
・長期的な視点でのUX改善を重視する開発プロセス
・プロジェクト全体に関与でき、自分の貢献を実感しやすい
・若手デザイナー向けのメンター制度やキャリア相談窓口を設置

自社の採用メッセージがターゲット候補者の「ジョブ」「利得」「悩み」に的確に応えられているか確認し、魅力的な価値提案へと磨き上げていけます。

採用戦略は企業の状況や求める人材によっても変わります。ここでは、採用対象や企業規模に合わせた採用戦略のポイントを解説していきます。

採用対象・企業規模別の採用戦略

  • 新卒採用の戦略
  • 中途採用の戦略
  • エンジニアの採用戦略
  • 中小企業の採用戦略
  • ベンチャー企業の採用戦略
  • スタートアップ企業の採用戦略
  • 地方企業の採用戦略
  • アルバイトの採用戦略

自社の状況に照らし合わせながら、最適な戦略を検討してみてください。1つずつみていきましょう。

新卒採用の戦略

新卒採用の戦略では、学生の視点に立った情報提供と、早期からの関係構築が求められます。ポテンシャルを重視し、入社後の育成プランも合わせて提示すると良いでしょう。

新卒採用に有効な戦略

  • 採用活動の早期化と通年採用の検討
  • インターンシップの実施
  • 専門性を問うジョブ型採用の導入
  • オンラインとオフラインの併用
  • SNSを活用した情報発信と交流

これらの戦略を実行する上で、新卒採用におすすめのチャネルは以下のとおりです。

おすすめの採用チャネル特徴
就職情報サイト・多くの学生が登録
・広範囲へのリーチが可能
ダイレクトリクルーティング・企業から学生へ直接アプローチ
・ミスマッチを防ぎやすい
合同企業説明会・多数の学生と一度に接触できる
・認知度が向上する可能性がある
学内セミナー・推薦・特定大学の学生にターゲットを絞れる
・質の高い母集団形成が期待できる
リファラル採用社員紹介。企業文化への適合性が高く、定着しやすい傾向がある

新卒採用の詳しいノウハウは、新卒採用が難しい7つの理由|新卒採用におすすめの手法11選も紹介で解説しています。

中途採用の戦略

中途採用では、候補者のスキルや経験を正確に見極める選考プロセスが必要です。

また、転職潜在層へのアプローチも有効です。カジュアル面談などで企業のビジョンや事業の将来性を伝え、共感を呼ぶ情報発信を心がけましょう。

参考記事:カジュアル面談からスカウトを成功させる7つのコツ|進め方も解説

ポイント

ダイレクトリクルーティングやリファラル採用を積極的に活用し、自社にマッチする人材へ直接アプローチすることも効果的です。

中途採用におすすめのチャネルは以下のとおりです。

おすすめの採用チャネル特徴
転職サイト・幅広い経験者層が登録
・専門職向けサイトも多数
ダイレクトリクルーティング・企業から直接アプローチできる
・転職潜在層にもリーチ可能
人材紹介・非公開求人や専門職採用に強い
・スクリーニングの手間を削減できる
リファラル採用・社員の人脈を活用
・信頼性が高く、ミスマッチが少ない
自社採用サイト・SNS・企業の魅力を直接発信
・タレントプール形成に有効

中途採用の詳しいノウハウは、中途採用が難しい7つの理由と解決策|成功に必要な9ステップで紹介しています。

エンジニアの採用戦略

エンジニアの採用戦略は、専門性の高いスキルを持つ人材の獲得競争が激しいため、特に工夫が求められます。エンジニアが魅力に感じる企業文化や開発環境を整備し、的確に伝えることが不可欠です。

おすすめのエンジニア採用戦略は以下のとおりです。

エンジニアの採用戦略

  1. 経験が浅いエンジニアの採用を検討する
  2. 採用担当者もITエンジニアの知識やスキルを勉強する
  3. 入社したいと思った理由を社内のエンジニアに聞く
  4. 社内のエンジニアに協力してもらう
  5. カジュアル面談を実施する
  6. スピーディーに選考を進める
  7. 入社前に業務を体験してもらう

これらのノウハウは、ITエンジニアの採用が難しい10の理由|苦戦しないコツも徹底解説で詳しく紹介しています。

また、エンジニア採用におすすめのチャネルは以下のとおりです。

エンジニア採用におすすめのチャネル

  • ダイレクトリクルーティング
  • エンジニア向け求人サイト
  • 技術系イベント
  • リファラル採用
  • GitHubやQiitaなどの技術情報共有サービス

技術ブログやOSS活動への貢献など、企業側の技術力をアピールすることも有効な手段です。

中小企業の採用戦略

中小企業の採用戦略では、大手企業と同じ土俵で戦うのではなく、独自の魅力を最大限に活かすのがコツです。地域社会への貢献度や、社員の裁量の大きさなどを訴求すると良いでしょう。

ニッチな分野で強みを持つ企業であれば、その専門性をアピールし、特定のスキルを持つ人材にターゲットを絞ることも有効です。

ポイント

企業の顔が見えるような、温かみのある情報発信を心がけ、候補者との丁寧なコミュニケーションを重ねることが信頼獲得につながります。

中小企業におすすめの採用チャネルは以下のとおりです。

中小企業におすすめの採用チャネル

  • ダイレクトリクルーティング
  • リファラル採用
  • オウンドメディアでの情報発信
  • ハローワーク
  • 地域密着型求人誌
  • 地元の商工会議所や業界団体との連携

中小企業の採用の詳しいノウハウは、中小企業が採用活動に苦戦する理由|成功するための戦略11ステップで紹介しています。

ベンチャー企業の採用戦略

ベンチャー企業の採用戦略では、企業の成長性やビジョンへの共感、そして挑戦できる環境をアピールすることが効果的です。変化を恐れず、共に会社を創り上げていく意欲のある人材を惹きつける必要があります。

ポイント

ベンチャー企業の採用に有効な戦略として、ストックオプション制度や、将来の幹部候補といった夢のある条件を提示することが挙げられます。

また、経営者も採用活動の前面に立ち、企業の情熱や想いを直接伝えることも、候補者の心を動かすでしょう。

ベンチャー企業におすすめの採用チャネルは以下のとおりです。

ベンチャー企業におすすめの採用チャネル

  • ダイレクトリクルーティング
  • Wantedlyなどの共感を軸とした求人媒体
  • リファラル採用
  • SNSYouTubeで情報発信
  • ミートアップやピッチイベント

ベンチャー企業の採用の詳しいノウハウは、採用が難しいベンチャー企業が採用の成功率を上げる9つのコツで紹介しています。

スタートアップ企業の採用戦略

スタートアップ企業の採用戦略は、リソースの制約を考慮しつつ、企業の成長に不可欠なコアメンバーを獲得するのが最優先です。企業の将来性や創業者のビジョンに共感し、事業を創り上げていく情熱を持つ人材が求められます。

スタートアップ企業の採用では、候補者に対して「企業の成長に直接貢献できる実感」や「初期メンバーとしての大きな裁量権」を魅力として提示しましょう。

スタートアップ企業におすすめの採用チャネルは以下のとおりです。

スタートアップ企業におすすめの採用チャネル

  • ダイレクトリクルーティング
  • 創業者の人脈、エンジェル投資家からの紹介
  • リファラル採用
  • SNS(特に創業者の発信)
  • スタートアップ向けイベント

限られたリソースの中で、企業の熱意と将来性を最大限に伝えていきましょう。

地方企業の採用戦略

地方企業の採用戦略は、地域ならではの魅力や働きがいを訴求するのがコツです。Uターン・Iターン希望者や、地域に貢献したいと考える人材へのアプローチが有効です。

ポイント

リモートワーク制度を整えて、エリアを問わずに人材を採用するのも良いでしょう。

また、地域の行政機関や教育機関と連携し、合同説明会やインターンシップを実施するのも効果的です。

地方企業におすすめの採用チャネルは以下のとおりです。

地方企業におすすめの採用チャネル

  • ダイレクトリクルーティング
  • オウンドメディア運用
  • 地域特化型の求人サイト
  • リファラル採用
  • オンライン会社説明会

地方企業の採用の詳しいノウハウは、地方採用を成功に導く10の戦略と5つの採用手法【成功事例も紹介】で紹介しています。

アルバイトの採用戦略

アルバイト採用では、以下のような具体的なメリットを提示すると効果的です。

アルバイト採用でアピールできるメリット例

  • シフトの柔軟性
  • 未経験者歓迎
  • 交通費支給
  • まかない付き
  • 従業員割引あり

また、職場の雰囲気や一緒に働く仲間たちの情報を発信することも、応募のハードルを下げるのに役立ちます。

応募から採用までのプロセスを簡略化し、迅速な対応を心がけることで機会損失を防ぎやすいです。

ちなみに、アルバイトにおすすめの採用チャネルは以下のとおりです。

アルバイトにおすすめの採用チャネル

  • 大手アルバイト求人サイト
  • アルバイトアプリ
  • 地域密着型の無料求人誌
  • ダイレクトリクルーティング
  • リファラル採用

ターゲット層がよく利用する媒体を選び、魅力的な情報を発信し続けることが応募者の獲得につながります。

現代の採用活動では、多様な人材の活躍推進が不可欠です。ダイバーシティや働き方改革を意識した採用設計が求められています。

個々の事情に合わせた柔軟な働き方を提供できると、優秀な人材の獲得と定着に繋がりやすいです。ここでは、具体的な取り組みを見ていきましょう。

男性育休の実施

近年、男性の育児休業取得率は上昇傾向にあります。男性が育児休業を取得しやすい環境を整備すると、採用活動でのアピールポイントになります。

育児と仕事の両立を支援する姿勢は、男女双方の優秀な人材から選ばれる理由となるでしょう。

事業所規模男性の育休割合
500人以上36%
100〜499人28%
30〜99人23.5%
5〜29人29%

参考:厚生労働省|令和5年度雇用均等基本調査

採用戦略を策定する際に、男性の育休についても検討してみてください。

フレックス制度の導入

フレックス制度の導入も、優秀な人材を採用する上で検討したい制度です。従業員が始業・終業時刻を自主的に決定できるため、柔軟な働き方を求める人材に響きます。

企業規模が大きいほどフレックス制度の導入割合が高く、近年は中小企業でも導入事例が増えつつあります。

出典:内閣府|フレックスタイム制を導入している企業の割合の推移

フレックス制度は、通勤ラッシュの回避や育児・介護との両立、自己啓発時間の確保など、従業員のワークライフバランス向上に効果的です。採用活動においては、フレックス制度の導入をアピールすると、多様な価値観を持つ人材からの応募が期待できます。

勤怠管理やコアタイムの設定など、適切な運用ルールの策定も検討が必要です。

リモートワークの導入

リモートワークの導入は、働き方の選択肢を広げ、多くの人材を惹きつける有効な手段です。コロナをきっかけに、テレワークを導入している企業は増加傾向にあります。

出典:総務省|情報通信分野の現状と課題

リモートワーク制度を整備することで、遠隔地の優秀な人材や、育児・介護などで通勤が難しい人材の採用が可能になります。また、通勤時間の削減による生産性向上や、オフィスコストの削減といったメリットも期待できるでしょう。

導入には、セキュリティ対策やコミュニケーションルールの整備が必要です。

ワークライフバランスを重視する層への対策

ワークライフバランスを重視する層の採用活動は、取り組みを積極的に発信することで、優秀な人材からの応募を集めやすくなります。ワークライフバランスを重視する層へ向けた具体的な対策例は以下のとおりです。

対策の分類具体的な施策例
労働時間の適正化・長時間労働の削減
・勤務間インターバル制度の導入
・有給休暇取得の奨励、計画的付与
柔軟な勤務制度・フレックスタイム制度の導入
・時短勤務制度の拡充
・リモートワーク、在宅勤務の推進
休暇制度の充実・特別休暇(リフレッシュ休暇、ボランティア休暇等)
・記念日休暇、アニバーサリー休暇
・時間単位での年次有給休暇制度
育児・介護支援・育児休業・介護休業制度の取得促進
・企業内保育施設の設置または保育料補助
・子の看護休暇、介護休暇の柔軟な運用
・育児中の時短勤務、時差出勤の推奨

従業員が心身ともに健康で、意欲的に働ける環境を整備することが、結果的に企業の持続的な成長を支えます。

従来の採用手法だけでは、人材確保が困難な場合があります。その場合は、新たな視点で採用戦略を見直してみてください。

どうしても採用が難しい場合の戦略

  • ダイレクトリクルーティングでスカウトする
  • SNSやYouTubeを活用してタレントプールを形成する
  • 採用ページを最適化する
  • AIを活用して採用活動を最適化する
  • リファラル採用の制度を作る
  • アルムナイ採用を実施する

これらの戦略は採用の選択肢を広げ、新たな出会いを生み出す可能性があります。それぞれの戦略について、具体的に解説していきます。

ダイレクトリクルーティングでスカウトする

どうしても採用が難しい場合には、ダイレクトリクルーティングで人材をスカウトするのがおすすめです。

企業から求める人材に直接アプローチできる「攻め」の採用手法です。

ダイレクトリクルーティングのメリット

  • ほしい人材に直接アプローチできる
  • 即戦力人材を採用しやすい
  • 転職潜在層にコンタクトできる
  • 社内の採用ノウハウを蓄積できる
  • 採用コストを抑えられる

自社の魅力やビジョンを直接伝えることで、候補者の入社意欲を高められます。また、候補者データベースから自社に合う人材を探し出せるため、ミスマッチの防止にも繋がるでしょう。

参考記事

  • 【徹底比較】ダイレクトリクルーティングのメリット5選|他の手法と何が違う?
  • 【完全ガイド】スカウトメールの返信率を上げる16の方法|例文つき

ダイレクトリクルーティングはHELLOBOSSがおすすめ

ダイレクトリクルーティングは「HELLOBOSS」がおすすめです。

HELLOBOSSが選ばれる理由

  • 10万人以上の豊富なユーザーデータベース
  • AIによる高精度なマッチング
  • 候補者とのチャット機能で返信率アップ
  • 専属サポートによる手厚いフォロー
  • 月額4,000円からの低コスト

これまで出会えなかった転職潜在層や、求人サイトに登録していない優秀な人材にもアプローチできます。

AIが自動でマッチングするため、効率的にスカウト活動を進められるでしょう。

無料から試せるので、ダイレクトリクルーティングの効果を体験してみてください。

SNSやYouTubeを活用してタレントプールを形成する

人材の採用が難しい場合は、SNSやYouTubeでタレントプールを形成する戦略も検討してみてください。タレントプールとは、将来的に採用する可能性がある候補者のデータベースです。

企業の日常や文化、社員の声をSNSやYouTubeで継続的に発信し、ファンを増やしましょう。

注意点

タレントプールの形成は即効性がありません。時間をかけてSNSやYouTubeアカウントを育て、見込み客との関係を構築していく必要があります。

集めた見込み層には、公式LINEなどに登録してもらい、定期的な情報提供やイベント案内で継続的にアプローチすると効果的です。

参考記事

  • 採用SNS戦略を成功させる!利点を最大化する10のステップ徹底解説
  • YouTubeを使った採用活動に成功する17のコツ|成功事例も紹介

採用ページを最適化する

企業の採用ページが魅力的ではなく、求人サイトやSNSから集客した候補者を逃している可能性があります。

候補者は企業の採用ページを見て、応募するか判断するケースが多いです。そのため、採用ページの内容を充実させ、候補者の知りたい情報を提供する必要があります。

採用ページに掲載したいコンテンツ例

  • 経営者からのメッセージ
  • 事業内容
  • 仕事内容
  • 社員インタビュー
  • 1日のスケジュール
  • キャリアパス
  • 研修制度
  • 福利厚生
  • 社内イベントの様子
  • 募集要項
  • 応募方法

テキストだけでなく、動画で掲載すると印象に残ります。採用ページの作成や改善のコツは、【完全解説】オウンドメディア採用の成功事例|成功する10ステップにまとめているので、参考にしてみてください。

AIを活用して採用活動を最適化する

AIを活用して採用活動を最適化するのもおすすめです。採用活動にAIを活用すると、以下のような業務を任せられます。

AIを活用できる主な採用業務

  • スクリーニング
  • マッチング
  • チャットボット
  • スカウトメール文のクオリティ向上
  • 採用活動のコンサルティング

高性能なAIに自社の採用活動を相談して、客観的な分析や改善提案を受けることで、成果に繋がりやすくなるでしょう。AIを活用するコツは、【徹底比較】AI採用のメリット・デメリットと現場の成功事例を紹介にまとめています。

採用活動におすすめのAIツール

採用活動にAIを導入する場合は「HELLOBOSS」がおすすめです。

AIが採用業務をサポートします。

HELLOBOSSのAI機能

  • 求人票の自動生成
  • 候補者の自動マッチング
  • スカウトメールの最適化
  • 応募者のスクリーニング支援

10万人以上のユーザーデータを分析し、貴社に最適な人材をAIが推薦します。

採用担当者の工数を削減しながら、質の高い採用活動を実現できるでしょう。

月額4,000円から全てのAI機能を利用でき、成功報酬は一切かかりません。

無料から始められるので、AI採用の効果を実際に体験してみてください。

リファラル採用の制度を作る

社員に人材を紹介してもらう「リファラル採用」の制度を作ることも検討してみてください。社員の個人的な繋がりを通じて候補者を紹介してもらうため、通常の求人サイトや人材紹介では出会えない層にアプローチできる可能性があります。

リファラル採用の制度を作る流れは、以下のとおりです。

リファラル採用を導入する流れ

  1. 導入目的・目標の設定
  2. ペルソナの明確化
  3. インセンティブ・報酬制度の設計
  4. 社内告知・周知
  5. 選考フローの透明化と不採用時のフォロー策
  6. 入社後オンボーディング&定着支援
  7. 成果分析と継続的改善

リファラル採用のコツは、リファラル採用が難しい理由とは?注意点や失敗しないコツも解説にまとめています。

アルムナイ採用を実施する

アルムナイ採用は退職した元社員を再雇用することです。元社員はすでに自社の企業文化や事業内容を理解しているため、即戦力としての活躍が期待できます。

また、他社での経験を活かした新たな視点をもたらしてくれる可能性もあるでしょう。

アルムナイ採用を実施する方法や手順の例は以下のとおりです。

手順具体的な内容
1. 対象者の定義とリスト作成・再雇用の対象となる元社員の基準を設定(例:在籍期間、役職、退職理由など)
・退職者データベースの整備、連絡先の把握
2. コミュニケーションチャネルの構築・アルムナイネットワークの構築(専用SNSグループ、メーリングリストなど)
・定期的な情報発信(企業の近況、イベント案内など)
3. 再雇用制度の設計と周知・再雇用時の処遇(給与、役職など)の検討
・アルムナイ向けの採用ページ作成
・元社員への制度案内
4. 応募・選考プロセスの設定・アルムナイ専用の応募窓口設置
・通常の選考プロセスとの違いを明確化(例:一部選考免除など)
5. 受け入れ準備とオンボーディング・復帰後の業務内容や期待役割の明確化
・変化した社内ルールやシステムに関する再教育
・周囲の社員への周知と円滑な受け入れ体制の構築

元社員との良好な関係を維持し、企業の成長や変化を伝えることが、再入社のきっかけ作りにつながります。

採用戦略の策定や実行に課題を感じる場合、コンサルタントの支援も有効です。外部の知見やリソースを取り入れることで、採用活動の質を向上させられる場合があります。

ここでは、コンサルティング導入の判断軸から費用相場、効果的な活用法までを見ていきましょう。

採用コンサル導入の判断軸

採用コンサル導入の判断軸は、以下を参考にしてみてください。

採用コンサル導入の判断軸

  • 採用戦略の立案ノウハウがない
  • 採用課題が特定できず、改善が進まない
  • 専門的な知見や最新トレンドを取り入れたい
  • 客観的な視点から採用活動を評価してほしい
  • 採用ブランディングを根本から見直したい

これらの軸に複数当てはまる場合は、専門コンサルタントの活用を考えてみても良いでしょう。

ただし、まずはAIに相談してみるなど、低コストで試せるコンサルティングもおすすめです。AIに採用コンサルティングを受ける方法は、【徹底比較】AI採用のメリット・デメリットと現場の成功事例を紹介にまとめています。

採用コンサルの費用相場

採用コンサルの費用は、契約形態や支援範囲によって変動します。自社のニーズと予算に合わせて、適切なプランを選びましょう。

一般的に、プロジェクト単位での契約・月額顧問契約・成果報酬型の契約などがあります。それぞれの費用相場と特徴は以下のとおりです。

複数のコンサルティング会社から見積もりを取り、サービス内容と費用を比較してください。

採用代行とインハウスのハイブリッド活用

採用代行とインハウスのハイブリッド活用も検討してみてください。すべての採用業務を外部に委託するのではなく、自社の強みを活かしつつ、不足部分を専門サービスで補います。

自社に採用ノウハウを蓄積しながら、効率的に採用活動を進められます。

採用代行とインハウスの役割分担によるハイブリッド活用の例は、以下のとおりです。

立場主な業務・タスク例
外部コンサル・採用戦略全体の策定支援
・市場動向や競合の分析
・採用ブランディングに関する助言
・EVP(従業員価値提案)構築の支援
社内チーム・採用計画の最終決定と実行管理
・面接や候補者の最終評価(コア業務)
・社内各部署との連携、経営層への報告
・主要ターゲットへのダイレクトスカウト
・企業文化の発信、リファラル採用の推進
採用代行・応募者対応、一次的な書類選別
・面接日程の調整業務
・求人広告の運用代行
・スカウトメール送信の補助業務
・採用関連データの入力や集計作業
専門業者・採用サイトの企画・制作・運用
・採用動画や記事などの広報コンテンツ作成

自社のリソース状況や採用課題、強化したい業務領域を見極め、最適な組み合わせを検討しましょう。

最後に、採用戦略でよくある質問に答えていきます。

Z世代の採用戦略は?

Z世代は1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた層を指します。デジタルネイティブであるZ世代は、SNSや動画コンテンツを通じた情報収集が得意です。

また、社会貢献の意識や多様性、個人の成長を重視する傾向があります。Z世代に効果的な採用戦略のポイントは、以下のとおりです。

Z世代向け採用戦略のポイント具体的な施策例
情報収集の特性に対応・SNS(TikTok, Instagram等)での情報発信
・動画コンテンツ活用(社員Vlog、企業紹介)
・口コミサイト、OB/OG訪問機会の提供
価値観への配慮・企業の社会貢献性、SDGsへの取り組み発信
・多様性を尊重する企業文化のアピール
・個人の成長機会、キャリアパスの明確化
コミュニケーション・カジュアル面談、オンラインでの気軽な接点
・選考過程での迅速かつ丁寧なフィードバック
・リアルな職場環境や社員の声の発信
働き方の柔軟性・リモートワークやフレックス制度の導入
・ワークライフバランスへの配慮
・副業や学びの機会提供(企業による)

Z世代は多様な価値観を持っています。真摯なコミュニケーションを心がけることで、興味を持ってもらえる可能性が高まります。

人材を採用できない場合は採用基準を下げるべき?

人材を採用できない場合、採用基準を安易に下げると、長期的な視点ではリスクが生じる可能性があります。

採用基準を下げすぎるリスク

  • 求めるスキルレベルに達せず、業務遂行に支障が出る
  • 企業文化に合わず、チームワークが乱れる
  • 早期離職者が増加し、採用・教育コストが無駄になる
  • 既存社員のモチベーション低下や不公平感に繋がる
  • 既存社員の退職を引き起こす恐れがある

採用基準を見直す前に、まずは現在の採用戦略全体を再点検しましょう。募集チャネルの拡大、選考方法の工夫、企業の魅力発信の強化など、他に改善できる点がないか検討することが先決です。

採用する年齢層別の採用戦略フレームワークは?

採用する年齢層別によって採用戦略フレームワークは異なります。採用する年齢層別におすすめの採用戦略フレームワーク例は、以下のとおりです。

これらはあくまで一例です。企業の状況や募集職種、採用市場の動向などを考慮して、フレームワークを試してみてください。

効果的な採用戦略を立案し実行することで、自社に最適な人材を獲得できます。

採用戦略は以下の17ステップで策定できます。

採用戦略・計画の立て方17ステップ

  1. 採用の専任担当者を配置する
  2. 事業計画の把握
  3. 足りない人材の把握
  4. 採用フレームワークで内外環境を分析
  5. 採用ペルソナの設計
  6. 採用チャネルの選定
  7. 採用ファネル設計
  8. KGI・KPI設定と予算配分
  9. 求人票の作成
  10. 待遇改善など社内体制の整備
  11. キャリアプランの明確化
  12. 各部署や経営層に協力してもらう
  13. 面接の質問や評価を決めておく
  14. 面接官のトレーニング
  15. 内定後フォロー
  16. オンボーディング対策
  17. PDCAサイクルを回して改善していく

これらのステップを実践することで、戦略的な採用活動を展開できるでしょう。

採用活動が困難な場合は、ダイレクトリクルーティングやAIツールの活用、SNSでのタレントプール形成なども検討してみてください。

AIを活用したダイレクトリクルーティングツール

HELLOBOSS」は10万人以上のユーザーの中から、AIが貴社に合う候補者を推薦してくれます。

月額4,000円からスタートでき、成功報酬は一切かかりません。

無料から始められるので、戦略的な採用活動を実際に体験してみてください。

貴社の採用戦略立案と成功の参考になれば幸いです。

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「採用戦略を立てたいけど、何から始めればいいかわからない…」

「戦略的な採用活動で、質の高い人材を獲得したい」

このように悩む採用担当者の方に向けた記事です。

この記事でわかること

  • 採用戦略・計画の立て方17ステップ
  • 採用戦略を立てるマーケティングフレームワーク10選
  • 採用戦略の成功事例

採用戦略を立案・実行することで、自社に最適な人材を獲得できます。

採用戦略は単なる人手不足の解消ではなく、事業目標達成のための人材獲得方針です。

でも、具体的にどう採用戦略を組み立てればいいか迷いますよね?

この記事では、採用戦略の基礎知識から具体的な立案方法、成功事例まで完全解説しています。

自社に合った戦略的な採用活動を始められるようになるため、最後まで読んでみてください。

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「採用戦略の成功事例を見たい!」という方は、採用戦略の成功事例4選へジャンプしてみてください。

Contents

人材採用戦略とは「企業の経営目標を達成するための計画的な人材獲得の方針」です。単に人手を補充するのではなく、事業の成長や組織の将来像を見据えて、必要な人材を確保する指針です。

ポイント

自社の強みや課題、市場環境を分析し、求める人物像を明確にすることで、採用活動の精度が高まります。

質の高い人材の獲得は、企業の競争力強化に直結します。

採用戦略と採用計画の違い

採用戦略は採用活動全体の方向性を示す「コンパス」のような存在であり、採用計画は目的地までの具体的な「地図」にあたります。

採用戦略と採用計画の主な違いは、以下のとおりです。

採用戦略で定めた大きな方針を、具体的な行動レベルに落とし込んだものが採用計画です。採用戦略という骨組みがあってはじめて、実効性のある採用計画を立てられます。

現代のビジネス環境は変化が激しく、企業が持続的に成長するためには、計画的な人材獲得が不可欠です。採用戦略の重要性が高まっている理由をみていきましょう。

採用戦略が重視される背景

  • 労働人口減少と求人倍率の高止まり
  • 働き方や価値観の多様化
  • DX・AI活用拡大とスキル要件の高度化
  • 人的資本経営・ESG開示トレンド

1つずつ解説していきます。

労働人口減少と求人倍率の高止まり

日本の生産年齢人口(15〜64歳)は、減少の一途をたどっています。2040年には生産年齢人口の割合が全体の約50%まで低下する見込みです。

出典:厚生労働省|平成27年版厚生労働白書 – 人口減少社会を考える –

ポイント

令和7年3月の有効求人倍率は1.26倍で、人材が足りていないことがわかります。

参考:厚生労働省|一般職業紹介状況(令和7年3月分及び令和6年度分)について

従来の採用手法のままでは必要な人材を確保できない可能性があります。企業は限られた人材の中から自社にマッチする人材を見つけ出し、惹きつけるための採用戦略が求められています。

働き方や価値観の多様化

働き方や価値観が多様化していることも、企業が採用戦略を見直す必要がある要因です。個人のライフスタイルやキャリアに対する考え方が変化し、画一的な働き方では優秀な人材を惹きつけにくくなりました。

企業が採用戦略を策定する必要がある主な理由は、以下に整理できます。

理由背景・詳細
多様な人材の活躍推進少子高齢化が進む中で、個々の能力を最大限に活かし、企業業績やイノベーション創出につなげるため。
働く側の意識変化への対応終身雇用意識の希薄化や「令和モデル」への移行に伴い、企業が「選ばれる立場」となり、自社の魅力を高め、明確に提示する必要があるため。
柔軟な働き方と公正な処遇の提供多様な人材を惹きつけ、定着させ、能力を最大限に引き出すため、個々人の事情や希望に応じた柔軟な働き方や公正な処遇の提供が不可欠なため。
採用手法の多様化新卒一括採用だけでなく、通年採用など、多様な人材を確保するための採用方法の見直しが求められているため。

働き方や価値観の多様化には、具体的に以下のような側面があります。

多様化の側面内容・具体例
柔軟な働き方・場所の多様化・テレワーク(在宅、サテライト等)の広がり
・育児や介護と仕事の両立支援
・地方勤務など、多様な働き方が可能に
雇用形態のニーズと公正な処遇・雇用形態を問わない公正な待遇
・能力開発の重視
・限定正社員制度など、柔軟な雇用形態への関心
個人のキャリア形成と専門性・自律的なキャリア形成や専門スキル向上の意識向上
・企業には自己実現の場の提供が求められる
・「就社」より「就職(専門職志向)」への変化

こうした変化に対応し、多様な人材から選ばれる企業となるためには、個々の価値観を尊重し、柔軟な制度を設計・運用する採用戦略が不可欠です。

DX・AI活用拡大とスキル要件の高度化

多くの業務プロセスがデジタル化され、AIによる自動化が進む中で、企業が必要とする人材の質やスキルセットが変化しているため、具体的な採用戦略が必要です。

ポイント

既存の職務がAIに代替される可能性がある一方、データを分析・活用できる人材や、AIを使いこなして新たな価値を創造できる人材などが必要でしょう。これまで以上に専門性の高いスキルをもつ人材の需要が高まっています。

DX・AI活用の具体的な例としては、以下の表のようなものがあります。

DX・AI活用の領域具体的な活用例
業務効率化・自動化・RPA:定型業務の自動化
・AIチャットボット:問い合わせ対応の自動化
・AI-OCR:紙書類のデータ化、入力作業削減
データ分析・意思決定支援・BIツール:経営データの可視化・分析
・AI:需要予測、市場トレンド分析
・機械学習:製品の品質管理、異常検知
新たなサービス・製品開発・AI:パーソナライズドサービスの提供
・IoTとAIの連携:スマート製品開発
・AI画像認識:新サービスの創出

企業は優秀なDX・AI人材を採用するために、魅力的な業務内容や成長機会を提示するなど、戦略的な採用アプローチが求められています。

人的資本経営・ESG開示トレンド

人的資本経営の注目とESG開示のトレンドも、企業が採用戦略を重視する要因です。これらは企業価値を測る新しい指標として、投資家や社会から強く意識されています。

人的資本経営とは

人材を「資本」と捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上を目指す経営の考え方。

ESGとは

環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)への配慮も評価して実施する投資のこと。人的資本は主に「S」の要素に関わる。

近年、企業は財務情報だけでなく、人材戦略や従業員のエンゲージメント、ダイバーシティ&インクルージョンといった人的資本に関する情報を開示する傾向です。

投資家は企業の成長力を判断する上で、人的資本への取り組みやESG情報を重視します。

出典:経済産業省|人的資本経営の現状・課題と トップランナーたちの取組

そのため、企業は採用戦略を明確にする必要があります。

採用戦略を策定するメリットは以下の5つです。

採用戦略で得られる5つのメリット

1. ミスマッチと早期離職の防止

2. 採用できる人材の質が向上する

3. 採用コストの最適化

4. 企業のブランディングを強化できる

5. 中長期で人材を採用できる仕組みができる

これらのメリットは、企業の成長に直結します。1つずつ解説していきます。

ミスマッチと早期離職の防止

採用戦略を策定することで企業が求める人物像が明確になり、それに基づいて選考することでミスマッチと早期離職を防ぎやすくなります。

ポイント

採用ペルソナを詳細に設計し、企業の文化や働きがいを具体的に伝えることで、候補者は入社後の姿をより正確にイメージできます。

選考段階での透明性を高め、企業と候補者の期待値をすり合わせることで、入社後の「こんなはずではなかった…」という事態を避けられるでしょう。結果として、社員の定着率向上につながり、組織全体の安定にも貢献します。

ペルソナ設定については、採用ペルソナの設計から解説していきます。

採用できる人材の質が向上する

明確な採用戦略があると、採用できる人材の質が向上します。自社の事業戦略や経営目標から逆算して「どのような人材が必要なのか」を具体的に定義するため、採用活動の軸がぶれません。

求める人物像が明確になれば、そのターゲット層に響くメッセージを発信し、適切な採用チャネルを選定できます。結果として、以下のような質の高い人材を採用できる可能性があります。

採用できる人材の例

  • 事業計画達成に貢献する人材
  • 専門スキルを持つ即戦力人材
  • 企業文化にフィットする人材
  • 将来のリーダー候補となる人材

戦略に基づいた選考プロセスは、候補者の能力や適性を見極めることになり、企業の成長を加速させる優秀な人材の採用を実現します。

採用コストの最適化

採用戦略を策定すると計画的な採用活動ができるため、無駄なコストを抑えられます。採用戦略によって採用コストが下がる具体例は、以下のとおりです。

削減されるコスト項目具体的な内容
求人広告費ターゲットに合わない媒体への出稿を削減
人材紹介手数料ミスマッチによる早期退職に伴う再契約の発生を抑制
選考にかかる人件費非効率な選考プロセスの見直しによる時間・工数の削減
研修・教育コストミスマッチ人材への初期投資が無駄になるリスクを低減
早期離職に伴う損失欠員補充コストや、それによる生産性低下の防止

ミスマッチが減ることで、採用のやり直しにかかる費用や、早期離職者への教育コストが無駄になるのを防ぎます。また、ターゲットの人材に合わせた採用チャネルを選定することで、費用対効果の高い募集活動が可能です。

企業のブランディングを強化できる

一貫した採用戦略は、企業のブランディング強化にも有効です。

採用サイトやSNS、説明会などで、企業の理念や社員の声を積極的に発信することで、候補者は企業文化への理解を深めます。

候補者への丁寧な対応や、選考過程での質の高いコミュニケーションも、企業の良い評判を広める上で効果的です。

企業のブランディングが強化されると、以下のようなメリットがあります。

ブランディングによるメリット

  • 企業の認知度向上と応募者数の増加
  • 候補者からの共感を呼び、入社意欲の向上
  • 社員のエンゲージメント向上と帰属意識の醸成

採用活動を通じて企業ブランドを高めることは、優秀な人材を惹きつけるだけでなく、社会的な信頼性の向上にも寄与します。

中長期で人材を採用できる仕組みができる

中長期で良い人材を採用できる仕組みができるのも、採用戦略を策定するメリットです。採用ノウハウが社内に蓄積され、採用プロセスが標準化されることで、担当者が変わっても一定の採用力を維持できるでしょう。

また、将来的に必要となる人材を見据えたタレントプールの構築や、候補者との継続的なコミュニケーション体制の確立も可能です。

ポイント

このような仕組みができると、急な欠員補充や事業拡大時の増員にも、迅速に対応できます。

採用市場の変化に柔軟に対応し、持続的に優秀な人材を確保できる体制を整えることは、企業の持続的な成長を支える基盤となるでしょう。

ここでは、採用戦略の成功事例を紹介していきます。私たちが提供するAI採用ツール「HELLOBOSS」を採用戦略に活用した事例です。

採用戦略の成功事例

1. 早期アプローチで100名のエントリー

2. 地方×採用が難しい職種で採用成功

3. 動画とAIで店長候補者の採用数アップ

4. サービス業がわずか2ヶ月で500エントリー

HELLOBOSSは10万人を超えるユーザーの中から、貴社に合う人材をAIが推薦してくれます。

無料から始められるので、試しながら検討してみてください。

早期アプローチで100名のエントリー

早期アプローチで100名のエントリーを獲得した自動車ディーラーの事例です。

26卒に向けて説明会やインターンの集客として、HELLOBOSSのエンタープライズプランを活用しました。

ナビサイトにまだ登録していないユーザーに対して早期にアプローチすることで、獲得できていなかったハイクラス層の獲得に成功しました。

地方×採用が難しい職種で採用成功

地方×採用が難しい職種で採用成功を果たした運輸業の事例です。

若手の母集団形成に苦戦していた地方のドライバー採用にHELLOBOSSのエンタープライズプランを活用しました。

AIでターゲットに的確なアプローチができたため、有効応募率は90%以上を達成。

既存の求人媒体よりも一人当たりの採用単価を30%削減することに成功しました。

動画とAIで店長候補者の採用数アップ

動画とAIで店長候補者の採用数アップを実現した飲食業の事例です。

求人検索エンジンでも応募単価・採用単価が高騰している飲食店長候補ポジションで、HELLOBOSSのエンタープライズプランを導入しました。

動画を使った訴求の磨き込みとAIアプローチにより、ターゲットからの応募を多く獲得することに成功。

今では最も獲得効率の良い採用ツールの1つとして、HELLOBOSSを活用しています。

サービス業がわずか2ヶ月で500エントリー

サービス業がわずか2ヶ月で500エントリーを獲得したホテル・旅館の事例です。

求人媒体だけではなかなか集まらない中で、HELLOBOSSのエンタープライズプランを導入しました。

2ヶ月で500応募以上の母集団を形成し、さらにAI電話等の機能活用や専属サポートによる候補者対応ができたため、工数を削減しながら採用数を増やしました。

効果的な採用戦略を立案し、計画的に実行するためには、体系的なステップを踏むことが望ましいです。ここでは、採用戦略・計画の立て方を17のステップに分けて解説します。

採用戦略・計画の立て方17ステップ

  1. 採用の専任担当者を配置する
  2. 事業計画の把握
  3. 足りない人材の把握
  4. 採用フレームワークで内外環境を分析
  5. 採用ペルソナの設計
  6. 採用チャネルの選定
  7. 採用ファネル設計
  8. KGI・KPI設定と予算配分
  9. 求人票の作成
  10. 待遇改善など社内体制の整備
  11. キャリアプランの明確化
  12. 各部署や経営層に協力してもらう
  13. 面接の質問や評価を決めておく
  14. 面接官のトレーニング
  15. 内定後フォロー
  16. オンボーディング対策
  17. PDCAサイクルを回して改善していく

これらのステップを順に進めることで、再現性の高い採用活動が可能になります。1つずつ確認していきましょう。

①採用の専任担当者を配置する

採用活動の成果を上げるためには、できれば採用の専任担当者を配置するのが理想的です。

採用業務に集中できるため、市場調査や候補者とのコミュニケーション、選考プロセスの管理などを丁寧に進められます。

注意

他の業務と兼任する場合、日々の業務に追われてしまい、候補者への連絡が遅れたり、面接がスムーズに進まなかったりするでしょう。結果として、採用のチャンスを逃してしまうかもしれません。

企業規模によっては難しい場合もありますが、可能な範囲で専任化を検討してみてください。

人手が足りない場合はAIを活用する

どうしても専任の採用担当者を配置できない場合は、AIを活用するのがおすすめです。AIに採用活動の一部をサポートしてもらうことで、担当者の負担を軽減し、業務の効率化を図れます。

具体的には、以下のような業務でAIの活用が期待できます。

AIを活用できる主な採用業務

  • 書類選考・スクリーニング
  • マッチング
  • スケジューリング・チャットボット
  • スカウトメール文のクオリティ向上
  • AI面接
  • 採用活動のコンサルティング

AIツールを導入することで、少人数でも戦略的な採用活動を進められる可能性があります。

採用活動にAIを活用する方法は、【徹底比較】AI採用のメリット・デメリットと現場の成功事例を紹介で詳しく解説しています。

おすすめのAI採用ツール

私たちが提供する「HELLOBOSS」は、AIを活用したダイレクトリクルーティングツールです。

10万人以上のユーザーの中から、貴社に合う人材をAIが自動で推薦します。

AIが求人票の自動生成やマッチングを支援するため、採用担当者の負担を大幅に軽減できます。

無料から試せるので、実際にAI採用の効果を体験してみてください。

②事業計画の把握

採用戦略を策定するために、事業計画も把握しておきましょう。採用は事業を推進するための人材を確保する活動であり、事業の方向性や目標と連動していなければ意味がありません。

事業計画を理解することで、将来的に拡大する事業領域や、そのために必要な人材のスキル・経験、人数、時期が見えてきます。

事業計画を把握する方法

  • 経営会議や事業戦略会議への参加
  • 経営層や事業責任者へのヒアリング
  • 中期経営計画書などの資料確認

これらの情報を元に、採用戦略を策定していきます。

③足りない人材の把握

次は社内で足りない人材を具体的に把握していきます。各部署にヒアリングして、業務の課題や、将来的に不足しそうなスキル・経験などを洗い出してください。

ポイント

単に人数を把握するだけでなく、求める人物のスキル・経験・価値観なども具体化することで、後のペルソナ設計に活かせます。

短期的に必要な人材と、中長期的に必要な人材を把握しておくことも、計画的な採用戦略を立てる上で役立つでしょう。

④採用フレームワークで内外環境を分析

続いて、採用フレームワークで企業の内外環境を分析します。自社の強みや弱み、採用市場における機会や脅威を理解することで、成果につながる採用戦略を策定できます。

具体的には、以下のようなフレームワークがおすすめです。

採用フレームワーク

  • 3C分析
  • 4C分析
  • SWOT分析
  • STP
  • RFM
  • TMP
  • AIDA
  • EVPキャンバス
  • バリュープロポジションキャンバス
  • 9-Box Grid

フレームワークの詳細は、採用戦略の策定に使えるマーケティングフレームワーク10選で詳しく解説するので、このまま読み進めてみてください。

⑤採用ペルソナの設計

採用活動の精度を高めるためには、ペルソナを設計しましょう。採用ペルソナとは、企業が採用したい理想の人物像を具体的に設定したものです。

採用ペルソナを設計することで、ターゲットに響く情報発信の内容やチャネルが明確になります。また、選考基準を作成する上でも基盤となるデータです。

採用ペルソナを設定する手順は、以下のとおりです。

採用ペルソナを設計するステップ

  1. 採用したい人材像を社長や現場に聞く
  2. 人材を採用する目的を定義する
  3. 採用したい人材像を書き出す
  4. 採用市場に合わせたペルソナにする
  5. ペルソナを経営層や現場のメンバーに確認してもらう

採用ペルソナの具体的な作り方やテンプレートについては、採用ペルソナの作り方完全ガイド|テンプレートと7ステップのフレームワークで詳しく解説しています。

⑥採用チャネルの選定

次に、採用チャネルを選定していきます。採用ペルソナや目的に合わせて、最適なチャネルを組み合わせるのがコツです。

主な採用チャネルとその特徴は以下のとおりです。

採用チャネルの種類特徴
求人サイト・幅広い求職者に情報を届けられる
・掲載課金型や成功報酬型などプランが多様
ダイレクトリクルーティング・企業からほしい人材に直接アプローチできる
・潜在層への訴求も可能
ハローワーク・無料で求人掲載が可能
・地域密着型で、地元での採用に強い
人材紹介・エージェントが候補者を厳選して紹介
・採用要件が明確な場合に有効
リファラル採用・社員の人脈を通じた紹介
・信頼性が高く、定着率が良い傾向
SNS採用・情報の拡散力が高い
・若年層に情報が届きやすい
オウンドメディア・自社ブログでコンテンツを発信
・企業の魅力を深く伝えられる
採用イベント・会社説明会や合同企業説明会など
・求職者とコミュニケーションできる
学校との連携・大学や専門学校などと連携
・専門スキルを持つ学生にアプローチできる
勉強会・企業で勉強会を実施
・共通の興味をもつ人材と出会える
ハッカソン・製品やサービスを開発するイベント
・エンジニアなどの採用に活用される
求人誌・新聞折込やフリーペーパーなど
・地域の読者層にリーチできる

各採用チャネルの詳細な特徴や選び方は、採用チャネル完全ガイド!主要12選一覧と自社に合う選び方5ステップを参考にしてみてください。

おすすめのダイレクトリクルーティングツール

ダイレクトリクルーティングを実施する場合は「HELLOBOSS」がおすすめです。

10万人以上のユーザーの中から、職種・スキル・経験年数など詳細な条件で、貴社に合う人材をAIが推薦します。

HELLOBOSSの特徴

  • AIによる自動マッチング機能
  • 求人票の自動生成機能
  • 候補者とチャットでやり取り可能
  • 月額4,000円から利用可能
  • 成功報酬は一切なし

従来のダイレクトリクルーティングでは見つからない優秀な人材と出会える可能性があります。

無料から始められるので、戦略的な採用活動を試しながら検討してみてください。

⑦採用ファネル設計

採用活動の各段階における候補者の動きを可視化し、課題を発見・改善するために、採用ファネルを設計していきます。採用ファネルとは、候補者が企業を認知してから採用に至るまでのプロセスを段階的に示したもので「採用フロー」とも呼ばれます。

自社の採用ターゲットや選考方針に合わせて、最適な採用ファネルを設計することで、各段階での離脱率を把握し、改善策を講じやすくなるでしょう。

新卒向けの採用ファネルの例は以下のとおりです。

新卒向けのフローの名称特徴・概要
標準型採用フロー一般的な説明会→書類選考→複数回面接→内定
説明会・グループワーク一体型フロー説明会とグループワークを同日実施し効率化
インターンシップ経由の採用フローインターン参加者を選考対象とする
ダイレクトリクルーティング型フロー企業から学生へ直接アプローチして選考
オウンドメディア経由の採用フロー自社メディアからの応募者を選考
テスト型フロー適性検査や専門試験を重視した選考
早期選考・リクルーター面談型フロー早期から優秀層と接触し選考
オンライン完結型フロー説明会から最終面接まで全てオンラインで実施
体験ワークショップ型フロー業務に近いワークショップを通じて適性判断
マッチングイベント型フローイベントで候補者と相互理解を深め選考

続いて、中途採用の採用ファネルの例は以下のとおりです。

中途採用フローの名称特徴・概要
標準型中途採用フロー書類選考→複数回面接(人事・現場・役員)→内定
スピード重視・即決型フロー選考回数を減らし、短期間で採用決定
ダイレクトリクルーティング型フロー企業から候補者へ直接アプローチし選考
リファラル採用型フロー社員紹介による候補者を選考
エージェント活用型フロー人材紹介会社経由の候補者を選考
カジュアル面談重視型フロー選考前にカジュアルな面談で相互理解
オンライン完結型フロー全ての選考プロセスをオンラインで実施
試験選考型フロー専門スキルや知識を測る試験を導入
プロジェクトベースの選考特定プロジェクトへの参加を通じて適性判断
現場体験・職場見学型フロー実際の職場体験や見学を選考に組み込む
トライアル雇用・業務委託型フロー一定期間の試用や業務委託を経て正規採用を判断

採用ファネルを設計すると同時に、採用スケジュールも具体的に決めていきましょう。採用フローの詳しい作り方や注意点は、【フロー図付き】採用フロー完全マニュアル|新卒・中途別に解説で解説しています。

⑧KGI・KPI設定と予算配分

採用活動の成果を測定し、改善につなげるために、KGIとKPIも設定していきましょう。KGIとKPIの違いは以下のとおりです。

KGI

Key Goal Indicator(重要目標達成指標)のことで、採用活動における最終的な目標を指します。

KPI

Key Performance Indicator(重要業績評価指標)のことで、KGIを達成するための中間指標を指します。

KGIを達成するために、採用ファネルの各ステップに対応したKPIを設定し、それぞれの目標値を定めます。そして、設定したKPIを達成するために、各採用チャネルや活動フェーズごとに予算を配分します。

以下は、KPIのステップごとの予算配分の一例です。

目標との差異があれば原因を分析して、採用戦略や予算配分を見直しましょう。詳しくは、採用KPIを設定する5ステップ|4つの運用のコツと注意点も解説にまとめています。

採用ペルソナに魅力的だと感じてもらえるような求人票を作成します。単に業務内容や待遇を羅列するだけでなく、企業のビジョンや文化、働く魅力、キャリアパスなどを具体的に記述し、候補者の入社意欲を高めてください。

応募が集まりやすい求人票を作成するステップは、以下のとおりです。

応募が集まりやすい求人票の作り方5ステップ

  1. 求めるペルソナを明確にする
  2. ペルソナが興味を持つ自社の強みをまとめる
  3. 求人内容を具体的に記載する
  4. 写真や動画を入れる
  5. 社内で求人票の内容をチェックする

詳しい求人票の書き方は、求人票の書き方のコツを徹底解説|求人票の作り方5ステップにまとめているので、参考にしてみてください。

AIに求人票を自動生成してもらう方法

求人票はAIに書いてもらうのがおすすめです。

HELLOBOSS」を使うと、登録した情報からAIが求人票を自動生成してくれます。

HELLOBOSSのAI求人票生成機能

  • 職種や条件を入力するだけで自動生成
  • 候補者に響く魅力的な内容に最適化
  • 何度でも編集・修正が可能
  • 複数の求人票パターンを作成可能

AIが業界のトレンドや求職者のニーズを分析し、応募が集まりやすい求人票を自動で作成します。

求人票作成の時間を大幅に短縮できます。

無料から試せるので、AIに求人票を自動生成してもらいましょう。

⑩待遇改善など社内体制の整備

他社との採用競争に負けないためにも、待遇改善など社内体制の整備を進めておく必要があります。待遇を改善すると、求人票や面接で具体的にアピールできて、候補者の入社意欲を高めます。

待遇改善や社内制度の整備は、採用担当者だけでなく、経営層や関連部署との連携が不可欠です。現状の課題を共有し、ペルソナに響くような待遇を可能な限り整えていきましょう。

待遇を改善する具体例は以下のとおりです。

改善項目具体的な取り組み例
給与・賞与・業界水準や競合他社の給与調査に基づいた見直し
・成果に応じたインセンティブ制度の導入
・明確な評価制度と昇給基準の設定
休日・休暇・年間休日数の増加
・有給休暇取得率の向上奨励
・特別休暇制度の新設や拡充
福利厚生・住宅手当
・家族手当
・通勤手当
・育児や介護支援制度
・健康増進プログラムの提供など
働き方・リモートワーク制度
・フレックスタイム制度
・時短勤務制度
・時間単位での有給休暇
・副業や兼業の容認
研修・教育・新入社員研修
・階層別研修
・専門スキル研修
・資格取得支援制度
・eラーニングシステムの導入
職場環境・ハラスメント相談窓口の設置
・社内イベントの促進

これらの改善は、既存社員の満足度向上にもつながり、リファラル採用の活性化も期待できます。

参考記事:リファラル採用が難しい理由とは?注意点や失敗しないコツも解説

⑪キャリアプランの明確化

続いて、自社のキャリアプランを明確化しましょう。どんなキャリアを築けるかは、向上心のある優秀な人材にとって魅力的に映ります。

ポイント

キャリアプランが明確であれば、求人票に具体的なキャリアステップを記載しやすくなります。また、面接時にも候補者のキャリア志向に合わせて提案できるため、採用できる確率が高まるでしょう。

キャリアプランの具体例は以下のとおりです。

キャリアパスの方向性具体的なキャリア例・ポジション例
マネジメントコース・チームリーダー、課長、部長などのライン管理職
・事業部長、部門長といった上位管理職
・経営幹部、役員への登用
専門職コース・特定分野の高度専門職
・技術顧問としての社内外での活動
・専門領域の指導者
ゼネラリストコース・複数部門を経験し、幅広い視野と知識を習得
・全社横断的なプロジェクトのマネジメント
・新規事業開発や企画部門での活躍
その他多様なキャリア・社内起業制度を活用した新規事業の立ち上げ
・海外拠点での勤務
・グループ会社への出向

キャリアパスを整備し、それぞれの道で成長できることを社内外に明示することで、キャリアアップを目指す人材の獲得につながります。

⑫各部署や経営層に協力してもらう

人材採用は、採用担当者だけが努力するものではありません。各部署や経営層に協力してもらうことで、採用活動の成果は最大化します。

現場の社員が自社の魅力や仕事のやりがいを候補者に伝えたり、経営層が企業のビジョンや将来性を語ったりすることは、候補者の入社意欲を高めます。

各部署や経営層に協力してもらう具体例は、以下のとおりです。

各部署や経営層に協力してもらう例

  • 会社説明会やイベントへの登壇依頼
  • 現場社員によるカジュアル面談の実施
  • リファラル採用への積極的な参加促進
  • 面接官としての協力依頼
  • 経営層からの採用に関するメッセージ発信

採用活動の意義を社内で共有し、協力を仰ぎやすい体制を構築しましょう。

⑬面接の質問や評価を決めておく

事前に面接の質問や評価を決めておくのがおすすめです。面接官によって質問内容や評価基準が異なると、候補者の能力や適性を客観的に判断できません。

ポイント

あらかじめ評価項目や基準を明確にしておくことで、面接官の主観によるブレを減らし、採用のミスマッチを防ぎましょう。

例えば、コンピテンシー評価(成果を出す人に共通する行動特性)を導入し、各評価項目に対応する具体的な質問例を用意しておくと効果的です。また、評価シートを標準化し、複数の面接官で評価結果を共有することで、多角的な視点から候補者を見極められます。

⑭面接官のトレーニング

候補者に自社を魅力的に感じてもらい、入社意欲を高めてもらうためには、面接官のトレーニングも不可欠です。面接官は「企業の顔」であり、その言動や態度は候補者の企業イメージを左右します。

面接官のトレーニング方法の具体例は、以下のとおりです。

面接官のトレーニング方法

  • 面接マニュアルの作成と共有
  • ロールプレイング形式での模擬面接
  • 評価基準のすり合わせワークショップ
  • フィードバック研修の実施
  • 外部講師による専門研修の導入

優秀な人材を逃さないためにも、面接のトレーニングを積んでおきましょう。

⑮内定後フォロー

優秀な人材を確保するためには、内定を出した後も油断できません。内定辞退を防ぎ、確実に入社してもらうためには、内定後フォローの制度を整備してください。

ポイント

内定者は入社を決めるまでに複数の企業を比較しているケースが多く、不安や疑問を抱えている場合があります。

企業側から定期的にコミュニケーションを取り、入社への期待感を高め、不安を解消するためにフォローしましょう。内定後フォローの具体例は、以下のようなものがあります。

内定後フォローの具体例

  • 内定者懇親会の開催
  • 先輩社員との面談機会の設定
  • 社内イベントへの招待
  • 定期的なメールや電話での連絡
  • 入社前研修や課題の提供

内定者に寄り添った丁寧なフォローを心がけてください。

⑯オンボーディング対策

入社した人材がすぐに離職しないためにも、オンボーディング対策が必要です。「オンボーディング」とは、新入社員が早期に戦力化するための育成プログラムのことです。

オンボーディング対策の具体例は、以下のようなものがあります。

オンボーディングのフェーズ具体的な取り組み例
入社初日〜1週間・オリエンテーション
・オフィスツアー
・PCやアカウント設定
・ウェルカムランチ
入社1ヶ月目・OJT計画の説明と開始
・部署内での歓迎会
・定期的な1on1ミーティング
・業務に必要な知識
・スキルの基礎研修
・社内システムやツールの使い方研修
入社3ヶ月目・業務のフィードバック
・目標設定と進捗確認
・他部署との連携業務体験
・社内イベントへの参加促進
入社6ヶ月目〜1年・高度な業務への挑戦
・キャリア面談の実施
・パフォーマンス評価
・社内勉強会や研修への参加

組織全体で新入社員をサポートする体制を整えることが、長期的な活躍と定着につながります。

⑰PDCAサイクルを回して改善していく

採用戦略は一度作ったら終わりではありません。PDCAサイクルを回して改善していくことで、戦略はブラッシュアップされ、採用の成果は最大化していきます。

ポイント

採用市場や事業環境は常に変化するため、定期的に戦略の効果を検証し、必要に応じて見直しましょう。

採用戦略におけるPDCAサイクルの具体例は以下のとおりです。

PDCAの段階具体的な活動例
Plan(計画)・KGIやKPIの設定
・ペルソナの明確化
・採用チャネルの選定
・選考フローと評価基準の設計
Do(実行)・求人情報の公開
・採用イベントの実施
・書類選考、面接の実施
・内定者フォロー
Check(評価)・KPIの進捗状況の測定と分析
・採用コストの効果測定
・定着率やパフォーマンス評価
・採用プロセスのアンケート
Action(改善)・KPI未達成の原因究明と対策立案
・採用チャネルの見直し
・選考基準や面接内容の改善
・内定者フォローの強化

PDCAサイクルを回すためには、データの収集と分析が不可欠です。採用管理システムなどを活用し、客観的なデータに基づいて改善策を検討しましょう。

採用戦略を効果的に立案・実行するためには、マーケティングのフレームワークを活用するのが有効です。採用戦略の策定に役立つ10個のフレームワークを紹介します。

採用戦略策定のフレームワーク

  1. 3C分析
  2. 4C分析
  3. SWOT分析
  4. STP
  5. RFM
  6. TMP
  7. AIDA
  8. EVPキャンバス
  9. 9-Box Grid
  10. バリュープロポジションキャンバス

1つずつ解説していくので、自社で取り組めそうなものから実践してみましょう。

3C分析

3C分析は、自社の採用活動を取り巻く環境を理解するための基本的なフレームワークです。「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つの視点から分析し、採用戦略の方向性を見定めます。

3Cの要素分析内容
Customer(市場・顧客=求職者)・求める人材像
・求職者のニーズや動向
・市場規模
・転職市場のトレンドなど
Competitor(競合)・競合他社の採用戦略
・競合の強み、弱み
・競合の打ち出している条件や魅力
・競合の求職者からの評価など
Company(自社)・自社の経営戦略
・自社の事業内容
・自社の企業文化
・自社の強み、弱み
・自社の採用における課題
・自社が提供できる価値

採用戦略においては、まず求職者(Customer)が企業選びで何を重視しているのかを理解します。次に、競合他社(Competitor)の採用活動を調べて、どんな人材を獲得しようとしているのかを分析します。

そして、自社(Company)の強みや魅力を客観的に把握し、競合と比較して優位に立てるポイントや、求職者に訴求できる独自の価値を明確にします。

ポイント

3C分析を通じて、自社が採用市場で成功するための要因(KSF:Key Success Factor)を見つけ出し、採用戦略を立案することを目指します。

例えば「中堅SaaS企業がプロダクトマネージャーを採用する」場合の3C分析の具体例は以下のとおりです。

3Cの要素中堅SaaS企業がプロダクトマネージャーを採用する例
Customer(市場・求職者)・経験豊富なPMは市場に少ない
・成長機会、裁量権、プロダクトへの共感を重視
・リモートワークや柔軟な働き方を好む傾向
Competitor(競合)・大手テック企業や有名スタートアップが競合
・高年収やストックオプションを提示する企業も多い
・独自の開発文化や技術的挑戦をアピール
Company(自社)・安定した顧客基盤と成長中のプロダクトを持つ
・意思決定が早く、PMの裁量が大きい文化
・年収面では大手に見劣りする
・社会貢献性の高いプロダクトであることを訴求可能

この分析結果から、自社は「プロダクトの社会貢献性」や「PMの裁量の大きさ」を前面に押し出すと良いでしょう。成長意欲の高いプロダクトマネージャーに響くメッセージを発信する戦略を立てられます。

4C分析

4C分析は求職者視点で自社の提供価値を見直すためのフレームワークです。

4Cの要素採用戦略における視点
Customer Value
顧客価値=求職者にとっての価値
企業が求職者に提供できる魅力
(仕事内容、成長機会、企業文化、待遇など)
Cost
顧客コスト=求職者が払うコスト
求職者が応募・入社するために必要な時間、労力、心理的負担、機会費用
(他社を諦めるなど)
Convenience
利便性=応募・入社のしやすさ
応募プロセスの簡便さ、選考スケジュールの柔軟性、勤務地の魅力、アクセスの良さ、入社準備のサポート体制など
Communication
コミュニケーション
企業から求職者への情報発信の適切さ、双方向のコミュニケーションの質、選考過程でのフィードバック、内定後のフォローなど

求職者中心の視点を持つことで魅力的な採用活動を展開し、応募者の満足度を高めます。

例えば、全国展開するフィットネスクラブが、未経験歓迎のパーソナルトレーナー候補を採用する場合の4C分析は以下のとおりです。

4Cの要素未経験歓迎のパーソナルトレーナー候補を採用する場合
Customer Value(求職者価値)・充実した研修制度で未経験からプロのトレーナーへ
・お客様の目標達成をサポートするやりがい
・自身の健康や体力向上にもつながる仕事
・成果に応じたインセンティブ制度
Cost(求職者コスト)・資格取得までの学習時間や費用
・シフト制勤務による不規則な生活リズム
・体力的な負担や接客スキルへの不安
Convenience(利便性)・Webサイトからの簡単な応募フォーム
・オンライン説明会や一次面接の実施
・全国各地の店舗で勤務できる
・研修期間中のサポート体制
Communication(コミュニケーション)・採用サイトやSNSで活躍するトレーナーのインタビューや研修内容を発信
・店舗見学や現役トレーナーとの座談会を実施
・選考結果の理由を丁寧にフィードバック
・内定者向けにトレーニング知識の事前学習コンテンツ提供

この分析から、未経験者の不安を払拭する研修制度の魅力発信や、応募プロセスの利便性向上、選考中の丁寧なコミュニケーションを強化する施策が考えられます。

SWOT分析

SWOT分析は、自社の内部環境の「強み」「弱み」と、外部環境の「機会」「脅威」を整理・分析するフレームワークです。

SWOTの要素内容
Strengths(強み)
内部環境
採用活動において自社が持つ有利な点
例:ブランド力、独自の技術、企業文化、充実した福利厚生など
Weaknesses(弱み)
内部環境
採用活動において自社が持つ不利な点
例:知名度の低さ、待遇面の課題、採用ノウハウ不足、立地条件など
Opportunities(機会)
外部環境
採用市場や社会情勢の変化など、自社の採用活動に有利に働く外部要因
例:特定スキルの人材増加、競合他社の採用縮小、新しい採用チャネルの登場など
Threats(脅威)
外部環境
採用市場や社会情勢の変化など、自社の採用活動に不利に働く外部要因
例:労働人口の減少、競合の採用強化、法的規制の変更、求職者の価値観の変化など

SWOT分析で、現実的かつ効果的な採用戦略の立案が可能になります。

例えば、設立3年の再生可能エネルギー関連スタートアップ企業が、事業開発担当の経験者を採用する場合のSWOT分析の具体例は以下のとおりです。

SWOTの要素再生可能エネルギーのスタートアップ企業が事業開発担当者を採用する具体例
Strengths(強み)
内部環境
・社会貢献性の高い事業ドメインと明確なビジョン
・意思決定が迅速で、個人の裁量が大きい
・最新技術トレンドへの感度が高いチーム
Weaknesses(弱み)
内部環境
・企業の知名度や実績がまだ低い
・大手企業に比べ福利厚生や安定性に不安を感じる候補者がいる
・採用体制や教育制度が未整備
Opportunities(機会)
外部環境
・再生可能エネルギー市場の急速な拡大と社会全体の関心の高まり
・大手企業からのスピンアウト人材や社会貢献志向の強い優秀層の存在
・オンライン採用ツールの活用で、遠隔地の候補者にもアプローチ可能
Threats(脅威)
外部環境
・同業スタートアップや大手企業の新規参入による人材獲得競争の激化
・政策や市場の変動リスクに対する候補者の懸念
・高い専門性を持つ人材の絶対数の不足

この分析から、強み「社会貢献性と裁量権」を活かし、機会「市場拡大と社会関心の高まり」を捉えてミッションに共感する人材に訴求する戦略が考えられます。また、弱み「知名度」を補うための積極的な情報発信、脅威「競争激化」に対応するための社内環境整備といった施策を検討できるでしょう。

STP

STPは、マーケティング戦略の基本的なフレームワークです。

採用戦略においては、求職者市場を細分化して、自社が狙うべきターゲット層を絞り、そのターゲット層に対して自社を魅力的に位置づけるために活用します。

STPの要素内容
Segmentation(セグメンテーション)求職者市場を共通のニーズや属性(年齢、経験、スキル、価値観、志向性など)を持つグループに分類する。
Targeting(ターゲティング)セグメント化された市場の中から、自社の経営戦略や採用目標に合致し、かつ自社の魅力が最も響くと思われるターゲット層を選定する。
Positioning(ポジショニング)選定したターゲット層に対して、競合他社との違いを明確にし、自社独自の魅力や提供価値を伝え、求職者の心の中で特別な位置を確立する。

STPを採用戦略に適用することで、漠然とした採用活動から脱却し、限られたリソースを効果的に活用して、求める人材に集中的にアプローチできます。

例えば、中規模の教育サービス企業が、オンライン教材開発の経験を持つコンテンツクリエイターを採用する場合のSTPの具体例は以下のとおりです。

STPの要素教育サービス企業がコンテンツクリエイターを採用する具体例
Segmentation(セグメンテーション)・経験分野別: 学校教育向け教材経験者、企業研修向け教材経験者、一般消費者向けEdTechコンテンツ経験者
・スキル別: 動画編集スキル保有者、インタラクティブコンテンツ開発スキル保有者、ゲーミフィケーション導入経験者
・志向性別: 最新技術活用志向、教育効果追求志向、ユーザーエンゲージメント重視志向
Targeting(ターゲティング)・一般消費者向けEdTechコンテンツ開発経験3年以上
・インタラクティブな動画教材の企画・制作スキルが高い
・教育への情熱と新しい学びの形を創造したいという意欲を持つ人材
Positioning(ポジショニング)・「最新技術を駆使した革新的なオンライン教育コンテンツを、裁量を持って企画からリリースまで担当できる企業」として訴求
・競合との差別化
大手出版社:安定だがスピード感に欠ける
小規模制作会社:自由度は高いがリソース不足

このSTPに基づき、ターゲットとする「EdTech経験者でインタラクティブ動画制作に強いクリエイター」に対し「最新技術への挑戦と裁量権」を訴求します。専門ブログやオンラインコミュニティで魅力的な求人情報を発信する戦略も良いでしょう。

RFM

RFM分析は、顧客の購買行動を分析する際に用いられる手法です。「最終購入日(Recency)」「購入頻度(Frequency)」「購入金額(Monetary)」の3つの指標で顧客をランク付けし、優良顧客を見つけ出すものです。

採用戦略においては、直接的な購買行動はありませんが、この考え方を「候補者の行動や意欲」に置き換えて応用できます。

RFMの指標(採用への応用)分析内容・着眼点(例)
Recency(最新接触日・行動日)候補者が最後に自社に何らかのアクション(イベント参加、サイト訪問、問い合わせなど)を記録した時期。直近であるほど関心が高い可能性がある。
Frequency(接触頻度・行動頻度)候補者が自社の採用情報やイベントに接触する頻度。頻度が高いほど、自社への関心が継続していると考えられる。
Monetary(貢献度・関与度)候補者のスキル・経験のマッチ度、選考ステップの進捗度、イベントでの積極性など、採用への「貢献度」や「関与の深さ」を測る指標に置き換える。

過去の応募者データやタレントプールの中から、再アプローチすべき有望な候補者群を特定するのにも役立ちます。直近で接点があり、過去にも複数回イベントに参加し、スキルマッチ度も高い候補者には、積極的なスカウトを送るなどの施策が考えられます。

例えば、自動車部品メーカーが、インターンシップ参加者や合同説明会での接触者リストから、次世代技術開発エンジニアの卵を発掘するRFM分析の具体例は以下のとおりです。

RFMの指標(採用への応用)自動車部品メーカーが次世代技術開発エンジニアを採用する具体例
Recency(最新接触日)・6ヶ月以内に自社主催の技術セミナーに参加
・1ヶ月以内に新卒採用ページを再訪問
Frequency(接触頻度)・過去2年間にインターンシップと技術イベントに各1回以上参加
・企業説明動画を複数回視聴
Monetary(貢献度・関与度)・インターンシップでの評価が「A」または「B+」
・大学での専攻が機械工学、電気電子工学、情報工学のいずれか
・技術セミナーでの質疑応答で積極的な発言あり

この分析から「最近の接触と複数の接触があり、評価の高い学生には、早期選考の案内やリクルーターによる個別面談を設定するなど、優先的なアプローチを検討できます。

TMP

TMP(タレントマネジメントプラン)は、従業員の採用から育成・評価・配置・定着までを一貫して計画・管理し、パフォーマンスを最大化する人材戦略の枠組みです。「プラン」と付くとおり、具体的な計画に落とし込むことが求められます。

TMPの主要な要素採用戦略における考慮点
Talent Acquisition(人材獲得)経営戦略に基づき、現在および将来必要となる人材像を定義し、計画的に採用する。採用チャネルの最適化、選考プロセスの高度化など。
Onboarding(オンボーディング)新入社員が早期に組織に馴染み、能力を発揮できるように支援する。
Performance Management(業績管理)公平な評価制度に基づき、従業員のパフォーマンスを評価し、フィードバックを通じて成長を促す。採用した人材が期待通りの成果を上げているかを検証する。
Learning & Development(学習と能力開発)従業員のスキルアップやキャリア開発を支援するための研修制度や機会を提供する。採用した人材のポテンシャルを最大限に引き出す。
Succession Planning(後継者育成計画)将来のリーダー候補や重要なポジションの後継者を計画的に育成する。採用段階から将来の幹部候補を見据えた人材獲得も視野に入れる。
Compensation & Benefits(報酬と福利厚生)競争力のある報酬体系や魅力的な福利厚生を提供し、従業員のモチベーションを高め、定着を促す。採用においても、これらは訴求ポイントとなる。
Retention(リテンション=定着)従業員が長く働き続けたいと思えるような魅力的な職場環境や企業文化を醸成する。採用した人材が早期に離職しないための施策。

採用戦略はTMPの一部であり、他の要素と密接に関連しています。例えば、優秀な人材を採用できても、オンボーディングや育成が整っていなければ、能力を十分に発揮できず、早期離職につながる恐れがあります。

ポイント

TMPの視点を持つことで、採用活動を単なる「入口」として捉えるのではなく、入社後の活躍や定着までを見据えた、長期的な人材戦略を策定できます。

例えば、グローバル展開を目指す中堅化粧品メーカーが、海外マーケティング担当者を採用する場合のTMPにおける採用戦略の例は以下のとおりです。

TMPの要素化粧品メーカーが海外マーケティング担当者を採用する具体例
人材獲得・ビジネスレベルの英語力に加え、特定地域の言語・文化に精通した人材をターゲット
・海外の求人サイトやLinkedInを活用したダイレクトリクルーティングを強化
・ケーススタディ選考(海外市場向けマーケティング戦略立案)を導入
オンボーディング・入社後、本社でのブランド研修に加え、海外支社でのOJT期間を設定
・異文化理解研修や語学力向上支援プログラムを提供
学習と能力開発・海外のマーケティングトレンドを学ぶためのセミナー参加支援
・将来の海外拠点責任者候補としてのリーダーシップ研修
報酬と福利厚生・海外勤務を考慮した報酬体系(赴任手当、住宅補助など)
・グローバル基準の福利厚生制度の導入検討
リテンション=定着・多様なバックグラウンドを持つ社員が活躍できるインクルーシブな企業文化の醸成
・海外での成果を正当に評価する制度の確立
・定期的なキャリア面談によるグローバルキャリアパスの共有

TMPの各要素と連携させながら採用戦略を具体化することで、採用した人材が長期的に活躍し、企業成長に貢献する可能性を高めます。

AIDA

AIDAは消費者の購買決定プロセスを説明するモデルで「注意(Attention)」「興味(Interest)」「欲求(Desire)」「行動(Action)」の頭文字を取ったものです。

採用戦略においては、候補者が企業を認知し、応募・入社に至るまでの心理的なプロセスを理解し、各段階で適切なアプローチを設計するために活用できます。

AIDAの段階採用戦略における候補者の心理・行動と企業のアプローチ例
Attention(注意)候補者が企業の存在や求人情報を知る段階。
企業:求人広告、プレスリリース、SNSでの露出、合同説明会への出展などで、まず「認知獲得」を目指す。
Interest(興味・関心)候補者が企業や仕事内容に対して興味を持つ段階。
企業:採用サイトやブログ、説明会などで、企業のビジョン、文化、仕事の魅力、社員の声などを具体的に伝え、候補者の「関心喚起」をはかる。
Desire(欲求)候補者がその企業で働きたい、この仕事に就きたいと強く望む段階。
企業:面接や面談、職場見学、社員との交流などを通じて、候補者一人ひとりのキャリア志向や価値観に寄り添い、自社で働くことの具体的なメリットや自己実現の可能性を示し、「入社意欲の醸成」を促す。
Action(行動=応募・入社)候補者が実際に応募したり、内定を承諾したりする段階。
企業:応募プロセスの簡略化、選考結果の迅速な通知、内定者への手厚いフォローなどを提供し、スムーズな「行動喚起」を支援する。入社への最終的な意思決定を後押しします。

AIDAモデルを意識することで、採用活動の各接点で、候補者の心理状態に合わせた情報提供やコミュニケーションを設計できます。

例えば、歴史ある出版社の編集部門が、デジタルコンテンツにも対応できる若手編集者を募集する場合のAIDAモデルに基づいた採用戦略の例は以下のとおりです。

AIDAの段階出版社が若手編集者を採用する具体例
Attention(注意)・出版業界専門の求人サイトへの掲載
・自社SNSアカウントで「編集者の日常」や「企画の裏側」を発信
・大学の文学部やマスコミ系学部への求人案内送付
Interest(興味・関心)・採用サイトに、手がけた書籍やデジタルコンテンツの事例、若手編集者のキャリアアップ事例を紹介
・オンライン編集部見学ツアーや、現役編集者とのQ&Aセッションを実施
・「新しい時代の編集者とは」といったテーマでブログ記事を発信
Desire(欲求)・選考課題として、実際の書籍やWebコンテンツの企画案を提出してもらう
・面接では、候補者の「作りたいもの」への情熱やアイデアを深くヒアリング
・編集長やベテラン編集者が、自社の編集方針や育成への考え方を伝え、共に成長できる環境であることをアピール
Action(行動=応募・入社)・ポートフォリオ提出を容易にするためのオンラインストレージ指定
・選考ステップごとのフィードバックを丁寧に実施
・内定者には、入社前に読書課題や編集関連のオンライン講座受講を推奨(費用補助あり)、入社後のスムーズなスタートを支援

候補者の心理プロセスに合わせて段階的なアプローチを設計することが、採用成功の確率を高めます。

EVPキャンバス

EVPキャンバスは「Employee Value Proposition Canvas:従業員価値提案キャンバス」を意味します。)企業が従業員・候補者に対して提供できる独自の価値(=EVP)を明確にして、効果的に伝えるためのフレームワークです。

EVPは報酬や福利厚生といった金銭的・物質的価値だけでなく、仕事のやりがい・成長機会・企業文化・社会貢献といった非金銭的価値も含みます。

EVPキャンバスの主要構成要素採用戦略における検討内容
報酬・給与
・賞与
・インセンティブ
・ストックオプション
・福利厚生
・退職金制度など
キャリア・昇進、昇格の機会
・スキルアップ、能力開発の支援
・多様なキャリアパス
・挑戦的な仕事
・海外勤務の機会
・メンター制度など
仕事内容・仕事の面白さ
・やりがい
・達成感
・社会への貢献実感
・裁量権の大きさ
・革新的なプロジェクトへの参加
・専門性の追求
・ワークライフバランスなど
企業文化・組織風土
・人間関係
・コミュニケーションのあり方
・チームワーク
・多様性と受容性
・リーダーシップのスタイル
・企業のビジョンへの共感
・倫理観、社会貢献意識など
働く環境・オフィスの快適さ
・立地
・リモートワーク
・フレックスタイム
・使用するツール
・安全衛生管理
・ハラスメント対策など

明確で魅力的なEVPは、ターゲット人材を惹きつけ、ミスマッチを防ぎ、入社後のエンゲージメント向上にもつながります。

例えば、急成長中のフードデリバリーサービス企業が、データアナリストを採用する場合のEVPキャンバスの要素と訴求ポイントの具体例は以下のとおりです。

EVPの要素フードデリバリー企業がデータアナリストを採用する具体例
報酬・業界水準以上の給与と業績連動型のインセンティブ
・ストックオプション制度の導入
キャリア・膨大なリアルタイムデータを扱い、分析スキルを高度化できる
・分析結果が事業戦略に直結するポジション
・データサイエンティストやAIエンジニアへのキャリアパスも可能
仕事内容・数百万ユーザーの行動データや市場トレンドを分析し、サービス改善や新規施策を提案
・A/Bテストの設計・効果測定、経営層へのレポーティング
・食の未来をデータでデザインするダイナミックな仕事
企業文化・データを重視する文化
・部門を超えたオープンな議論とスピーディーな実行力
・多様なバックグラウンドを持つ優秀なメンバーが集う刺激的な環境
働く環境・最新の分析ツールやクラウド環境を利用可能
・勉強会や技術カンファレンスへの参加を奨励・支援
・一部リモートワーク可、フレックスタイム制

EVPを明確にすることで、求人票や面接での訴求ポイントが具体的になり、候補者に対して自社の魅力を効果的に伝えられるようになります。

9-Box Grid

9-Box Gridは、人材評価や人材配置、後継者育成計画などに用いられるフレームワークです。一般的には「パフォーマンス」と「ポテンシャル」の2軸で人材を9つのボックスに分類し評価します。

採用戦略においては、直接的に候補者をこのグリッドで評価するわけではありませんが、採用基準の明確化や、入社後の育成方針を検討する上で参考になります。

まず「自社が各ポジションで求めるパフォーマンスレベル」と「将来的に期待するポテンシャル」を定義します。選考プロセスを通じて、候補者が発揮できそうなパフォーマンスや、ポテンシャルを見極めるための質問や評価基準を設定します。

リーダー候補を採用したい場合は、高いポテンシャルを持つ人材を見抜くための評価項目を重視するなどの活用が考えられます。

求める人材像をパフォーマンスとポテンシャルの観点から具体化することで、選考基準がより明確になり、戦略的な人材獲得に繋げられます。

バリュープロポジションキャンバス

バリュープロポジションキャンバスは、候補者のニーズや課題と、自社が提供できる価値を整理し、両者の適合性を高めるフレームワークです。候補者が本当に求めているものと、企業が提供できる魅力が合致しているかを見える化します。

候補者のニーズや課題内容
候補者のジョブ候補者がキャリアを通じて成し遂げたい目的、解決したい課題、満たしたい欲求。
例:スキルアップ、社会貢献、自己成長、良好な人間関係、安定した生活など
候補者の利得候補者が仕事や職場に期待するプラスの成果やメリット。
例:高い報酬、やりがいのある仕事、成長機会、柔軟な働き方、良い評判、尊敬されることなど
候補者の悩み候補者が仕事や職場で避けたいマイナス要素や障害、不満。
例:低い給与、単調な仕事、成長の停滞、長時間労働、人間関係のストレス、将来への不安など
企業が提供できる価値内容
製品・サービス企業が候補者に提供する具体的な「働く機会」そのもの。
例:職務内容、ポジション、プロジェクト、労働条件、福利厚生、研修制度、キャリアパスなど
利得をもたらすもの企業の提供価値の中で、特に候補者の「利得」を増大させる要素。
例:市場価値の高いスキルが身につく、大きな裁量権、業界トップクラスの報酬、社会貢献性の高い事業など
悩みを取り除くもの企業の提供価値の中で、特に候補者の「悩み」を軽減・解消する要素。
例:手厚いOJTによるスキル不足解消、フレックスタイム制による柔軟な働き方、透明性の高い評価制度による不公平感の払拭、充実した福利厚生による生活不安の軽減など

採用戦略にバリュープロポジションキャンバスを用いることで、候補者の求める点を理解します。その上で、自社が提供できる価値が、候補者の利得を生み出し、悩みを取り除く点を具体的に示せるようにします。

ポイント

この両者が強力に結びつくとき、候補者にとって魅力的な「働く価値提案」となり、採用競争において優位に立てます。

例えば、デザイン思考を重視する日用品メーカーが、若手のUXデザイナーを採用する場合のバリュープロポジションキャンバスの具体例は以下のとおりです。

候補者側内容
候補者のジョブ・ユーザー中心のデザインプロセスを実践したい
・自分のデザインで人々の生活をより良くしたい
・多様なバックグラウンドのチームと協働したい
・デザインスキルを継続的に高めたい
候補者の利得・自分のアイデアやデザインが製品に反映される喜び
・ユーザー調査からプロトタイピング、検証まで一貫して関与できる
・デザイン思考を重視する文化での成長機会
・安定した企業基盤のもとで、長期的な視点でデザインに取り組める
候補者の悩み・デザイナーの発言力が弱く、意見が通りにくい組織
・短期的な成果ばかり求められ、本質的なユーザー理解やUX改善が疎かになる
・デザイン業務が細分化され、全体像が見えない
・古い体質で、新しいデザイン手法やツール導入に消極的
企業側内容
製品・サービス(働く機会)・新製品開発プロジェクトにおけるUXデザイン担当ポジション
・ユーザー調査、ペルソナ作成、ジャーニーマップ作成、UIデザイン、ユーザビリティテストなど
・プロダクトマネージャー、エンジニア、マーケターとの協業
・デザイン思考ワークショップの企画・運営サポート
利得をもたらすもの・全社的にデザイン思考を推進しており、UXデザイナーの意見が尊重される
・ユーザーリサーチに十分な予算と時間を確保
・製品コンセプト段階からUXデザイナーが関与
・社内外の研修や勉強会への参加支援、デザインツール導入にも積極的
悩みを取り除くもの・経営層がUXの意義を理解し、デザイナーの専門性を評価
・長期的な視点でのUX改善を重視する開発プロセス
・プロジェクト全体に関与でき、自分の貢献を実感しやすい
・若手デザイナー向けのメンター制度やキャリア相談窓口を設置

自社の採用メッセージがターゲット候補者の「ジョブ」「利得」「悩み」に的確に応えられているか確認し、魅力的な価値提案へと磨き上げていけます。

採用戦略は企業の状況や求める人材によっても変わります。ここでは、採用対象や企業規模に合わせた採用戦略のポイントを解説していきます。

採用対象・企業規模別の採用戦略

  • 新卒採用の戦略
  • 中途採用の戦略
  • エンジニアの採用戦略
  • 中小企業の採用戦略
  • ベンチャー企業の採用戦略
  • スタートアップ企業の採用戦略
  • 地方企業の採用戦略
  • アルバイトの採用戦略

自社の状況に照らし合わせながら、最適な戦略を検討してみてください。1つずつみていきましょう。

新卒採用の戦略

新卒採用の戦略では、学生の視点に立った情報提供と、早期からの関係構築が求められます。ポテンシャルを重視し、入社後の育成プランも合わせて提示すると良いでしょう。

新卒採用に有効な戦略

  • 採用活動の早期化と通年採用の検討
  • インターンシップの実施
  • 専門性を問うジョブ型採用の導入
  • オンラインとオフラインの併用
  • SNSを活用した情報発信と交流

これらの戦略を実行する上で、新卒採用におすすめのチャネルは以下のとおりです。

おすすめの採用チャネル特徴
就職情報サイト・多くの学生が登録
・広範囲へのリーチが可能
ダイレクトリクルーティング・企業から学生へ直接アプローチ
・ミスマッチを防ぎやすい
合同企業説明会・多数の学生と一度に接触できる
・認知度が向上する可能性がある
学内セミナー・推薦・特定大学の学生にターゲットを絞れる
・質の高い母集団形成が期待できる
リファラル採用社員紹介。企業文化への適合性が高く、定着しやすい傾向がある

新卒採用の詳しいノウハウは、新卒採用が難しい7つの理由|新卒採用におすすめの手法11選も紹介で解説しています。

中途採用の戦略

中途採用では、候補者のスキルや経験を正確に見極める選考プロセスが必要です。

また、転職潜在層へのアプローチも有効です。カジュアル面談などで企業のビジョンや事業の将来性を伝え、共感を呼ぶ情報発信を心がけましょう。

参考記事:カジュアル面談からスカウトを成功させる7つのコツ|進め方も解説

ポイント

ダイレクトリクルーティングやリファラル採用を積極的に活用し、自社にマッチする人材へ直接アプローチすることも効果的です。

中途採用におすすめのチャネルは以下のとおりです。

おすすめの採用チャネル特徴
転職サイト・幅広い経験者層が登録
・専門職向けサイトも多数
ダイレクトリクルーティング・企業から直接アプローチできる
・転職潜在層にもリーチ可能
人材紹介・非公開求人や専門職採用に強い
・スクリーニングの手間を削減できる
リファラル採用・社員の人脈を活用
・信頼性が高く、ミスマッチが少ない
自社採用サイト・SNS・企業の魅力を直接発信
・タレントプール形成に有効

中途採用の詳しいノウハウは、中途採用が難しい7つの理由と解決策|成功に必要な9ステップで紹介しています。

エンジニアの採用戦略

エンジニアの採用戦略は、専門性の高いスキルを持つ人材の獲得競争が激しいため、特に工夫が求められます。エンジニアが魅力に感じる企業文化や開発環境を整備し、的確に伝えることが不可欠です。

おすすめのエンジニア採用戦略は以下のとおりです。

エンジニアの採用戦略

  1. 経験が浅いエンジニアの採用を検討する
  2. 採用担当者もITエンジニアの知識やスキルを勉強する
  3. 入社したいと思った理由を社内のエンジニアに聞く
  4. 社内のエンジニアに協力してもらう
  5. カジュアル面談を実施する
  6. スピーディーに選考を進める
  7. 入社前に業務を体験してもらう

これらのノウハウは、ITエンジニアの採用が難しい10の理由|苦戦しないコツも徹底解説で詳しく紹介しています。

また、エンジニア採用におすすめのチャネルは以下のとおりです。

エンジニア採用におすすめのチャネル

  • ダイレクトリクルーティング
  • エンジニア向け求人サイト
  • 技術系イベント
  • リファラル採用
  • GitHubやQiitaなどの技術情報共有サービス

技術ブログやOSS活動への貢献など、企業側の技術力をアピールすることも有効な手段です。

中小企業の採用戦略

中小企業の採用戦略では、大手企業と同じ土俵で戦うのではなく、独自の魅力を最大限に活かすのがコツです。地域社会への貢献度や、社員の裁量の大きさなどを訴求すると良いでしょう。

ニッチな分野で強みを持つ企業であれば、その専門性をアピールし、特定のスキルを持つ人材にターゲットを絞ることも有効です。

ポイント

企業の顔が見えるような、温かみのある情報発信を心がけ、候補者との丁寧なコミュニケーションを重ねることが信頼獲得につながります。

中小企業におすすめの採用チャネルは以下のとおりです。

中小企業におすすめの採用チャネル

  • ダイレクトリクルーティング
  • リファラル採用
  • オウンドメディアでの情報発信
  • ハローワーク
  • 地域密着型求人誌
  • 地元の商工会議所や業界団体との連携

中小企業の採用の詳しいノウハウは、中小企業が採用活動に苦戦する理由|成功するための戦略11ステップで紹介しています。

ベンチャー企業の採用戦略

ベンチャー企業の採用戦略では、企業の成長性やビジョンへの共感、そして挑戦できる環境をアピールすることが効果的です。変化を恐れず、共に会社を創り上げていく意欲のある人材を惹きつける必要があります。

ポイント

ベンチャー企業の採用に有効な戦略として、ストックオプション制度や、将来の幹部候補といった夢のある条件を提示することが挙げられます。

また、経営者も採用活動の前面に立ち、企業の情熱や想いを直接伝えることも、候補者の心を動かすでしょう。

ベンチャー企業におすすめの採用チャネルは以下のとおりです。

ベンチャー企業におすすめの採用チャネル

  • ダイレクトリクルーティング
  • Wantedlyなどの共感を軸とした求人媒体
  • リファラル採用
  • SNSYouTubeで情報発信
  • ミートアップやピッチイベント

ベンチャー企業の採用の詳しいノウハウは、採用が難しいベンチャー企業が採用の成功率を上げる9つのコツで紹介しています。

スタートアップ企業の採用戦略

スタートアップ企業の採用戦略は、リソースの制約を考慮しつつ、企業の成長に不可欠なコアメンバーを獲得するのが最優先です。企業の将来性や創業者のビジョンに共感し、事業を創り上げていく情熱を持つ人材が求められます。

スタートアップ企業の採用では、候補者に対して「企業の成長に直接貢献できる実感」や「初期メンバーとしての大きな裁量権」を魅力として提示しましょう。

スタートアップ企業におすすめの採用チャネルは以下のとおりです。

スタートアップ企業におすすめの採用チャネル

  • ダイレクトリクルーティング
  • 創業者の人脈、エンジェル投資家からの紹介
  • リファラル採用
  • SNS(特に創業者の発信)
  • スタートアップ向けイベント

限られたリソースの中で、企業の熱意と将来性を最大限に伝えていきましょう。

地方企業の採用戦略

地方企業の採用戦略は、地域ならではの魅力や働きがいを訴求するのがコツです。Uターン・Iターン希望者や、地域に貢献したいと考える人材へのアプローチが有効です。

ポイント

リモートワーク制度を整えて、エリアを問わずに人材を採用するのも良いでしょう。

また、地域の行政機関や教育機関と連携し、合同説明会やインターンシップを実施するのも効果的です。

地方企業におすすめの採用チャネルは以下のとおりです。

地方企業におすすめの採用チャネル

  • ダイレクトリクルーティング
  • オウンドメディア運用
  • 地域特化型の求人サイト
  • リファラル採用
  • オンライン会社説明会

地方企業の採用の詳しいノウハウは、地方採用を成功に導く10の戦略と5つの採用手法【成功事例も紹介】で紹介しています。

アルバイトの採用戦略

アルバイト採用では、以下のような具体的なメリットを提示すると効果的です。

アルバイト採用でアピールできるメリット例

  • シフトの柔軟性
  • 未経験者歓迎
  • 交通費支給
  • まかない付き
  • 従業員割引あり

また、職場の雰囲気や一緒に働く仲間たちの情報を発信することも、応募のハードルを下げるのに役立ちます。

応募から採用までのプロセスを簡略化し、迅速な対応を心がけることで機会損失を防ぎやすいです。

ちなみに、アルバイトにおすすめの採用チャネルは以下のとおりです。

アルバイトにおすすめの採用チャネル

  • 大手アルバイト求人サイト
  • アルバイトアプリ
  • 地域密着型の無料求人誌
  • ダイレクトリクルーティング
  • リファラル採用

ターゲット層がよく利用する媒体を選び、魅力的な情報を発信し続けることが応募者の獲得につながります。

現代の採用活動では、多様な人材の活躍推進が不可欠です。ダイバーシティや働き方改革を意識した採用設計が求められています。

個々の事情に合わせた柔軟な働き方を提供できると、優秀な人材の獲得と定着に繋がりやすいです。ここでは、具体的な取り組みを見ていきましょう。

男性育休の実施

近年、男性の育児休業取得率は上昇傾向にあります。男性が育児休業を取得しやすい環境を整備すると、採用活動でのアピールポイントになります。

育児と仕事の両立を支援する姿勢は、男女双方の優秀な人材から選ばれる理由となるでしょう。

事業所規模男性の育休割合
500人以上36%
100〜499人28%
30〜99人23.5%
5〜29人29%

参考:厚生労働省|令和5年度雇用均等基本調査

採用戦略を策定する際に、男性の育休についても検討してみてください。

フレックス制度の導入

フレックス制度の導入も、優秀な人材を採用する上で検討したい制度です。従業員が始業・終業時刻を自主的に決定できるため、柔軟な働き方を求める人材に響きます。

企業規模が大きいほどフレックス制度の導入割合が高く、近年は中小企業でも導入事例が増えつつあります。

出典:内閣府|フレックスタイム制を導入している企業の割合の推移

フレックス制度は、通勤ラッシュの回避や育児・介護との両立、自己啓発時間の確保など、従業員のワークライフバランス向上に効果的です。採用活動においては、フレックス制度の導入をアピールすると、多様な価値観を持つ人材からの応募が期待できます。

勤怠管理やコアタイムの設定など、適切な運用ルールの策定も検討が必要です。

リモートワークの導入

リモートワークの導入は、働き方の選択肢を広げ、多くの人材を惹きつける有効な手段です。コロナをきっかけに、テレワークを導入している企業は増加傾向にあります。

出典:総務省|情報通信分野の現状と課題

リモートワーク制度を整備することで、遠隔地の優秀な人材や、育児・介護などで通勤が難しい人材の採用が可能になります。また、通勤時間の削減による生産性向上や、オフィスコストの削減といったメリットも期待できるでしょう。

導入には、セキュリティ対策やコミュニケーションルールの整備が必要です。

ワークライフバランスを重視する層への対策

ワークライフバランスを重視する層の採用活動は、取り組みを積極的に発信することで、優秀な人材からの応募を集めやすくなります。ワークライフバランスを重視する層へ向けた具体的な対策例は以下のとおりです。

対策の分類具体的な施策例
労働時間の適正化・長時間労働の削減
・勤務間インターバル制度の導入
・有給休暇取得の奨励、計画的付与
柔軟な勤務制度・フレックスタイム制度の導入
・時短勤務制度の拡充
・リモートワーク、在宅勤務の推進
休暇制度の充実・特別休暇(リフレッシュ休暇、ボランティア休暇等)
・記念日休暇、アニバーサリー休暇
・時間単位での年次有給休暇制度
育児・介護支援・育児休業・介護休業制度の取得促進
・企業内保育施設の設置または保育料補助
・子の看護休暇、介護休暇の柔軟な運用
・育児中の時短勤務、時差出勤の推奨

従業員が心身ともに健康で、意欲的に働ける環境を整備することが、結果的に企業の持続的な成長を支えます。

従来の採用手法だけでは、人材確保が困難な場合があります。その場合は、新たな視点で採用戦略を見直してみてください。

どうしても採用が難しい場合の戦略

  • ダイレクトリクルーティングでスカウトする
  • SNSやYouTubeを活用してタレントプールを形成する
  • 採用ページを最適化する
  • AIを活用して採用活動を最適化する
  • リファラル採用の制度を作る
  • アルムナイ採用を実施する

これらの戦略は採用の選択肢を広げ、新たな出会いを生み出す可能性があります。それぞれの戦略について、具体的に解説していきます。

ダイレクトリクルーティングでスカウトする

どうしても採用が難しい場合には、ダイレクトリクルーティングで人材をスカウトするのがおすすめです。

企業から求める人材に直接アプローチできる「攻め」の採用手法です。

ダイレクトリクルーティングのメリット

  • ほしい人材に直接アプローチできる
  • 即戦力人材を採用しやすい
  • 転職潜在層にコンタクトできる
  • 社内の採用ノウハウを蓄積できる
  • 採用コストを抑えられる

自社の魅力やビジョンを直接伝えることで、候補者の入社意欲を高められます。また、候補者データベースから自社に合う人材を探し出せるため、ミスマッチの防止にも繋がるでしょう。

参考記事

  • 【徹底比較】ダイレクトリクルーティングのメリット5選|他の手法と何が違う?
  • 【完全ガイド】スカウトメールの返信率を上げる16の方法|例文つき

ダイレクトリクルーティングはHELLOBOSSがおすすめ

ダイレクトリクルーティングは「HELLOBOSS」がおすすめです。

HELLOBOSSが選ばれる理由

  • 10万人以上の豊富なユーザーデータベース
  • AIによる高精度なマッチング
  • 候補者とのチャット機能で返信率アップ
  • 専属サポートによる手厚いフォロー
  • 月額4,000円からの低コスト

これまで出会えなかった転職潜在層や、求人サイトに登録していない優秀な人材にもアプローチできます。

AIが自動でマッチングするため、効率的にスカウト活動を進められるでしょう。

無料から試せるので、ダイレクトリクルーティングの効果を体験してみてください。

SNSやYouTubeを活用してタレントプールを形成する

人材の採用が難しい場合は、SNSやYouTubeでタレントプールを形成する戦略も検討してみてください。タレントプールとは、将来的に採用する可能性がある候補者のデータベースです。

企業の日常や文化、社員の声をSNSやYouTubeで継続的に発信し、ファンを増やしましょう。

注意点

タレントプールの形成は即効性がありません。時間をかけてSNSやYouTubeアカウントを育て、見込み客との関係を構築していく必要があります。

集めた見込み層には、公式LINEなどに登録してもらい、定期的な情報提供やイベント案内で継続的にアプローチすると効果的です。

参考記事

  • 採用SNS戦略を成功させる!利点を最大化する10のステップ徹底解説
  • YouTubeを使った採用活動に成功する17のコツ|成功事例も紹介

採用ページを最適化する

企業の採用ページが魅力的ではなく、求人サイトやSNSから集客した候補者を逃している可能性があります。

候補者は企業の採用ページを見て、応募するか判断するケースが多いです。そのため、採用ページの内容を充実させ、候補者の知りたい情報を提供する必要があります。

採用ページに掲載したいコンテンツ例

  • 経営者からのメッセージ
  • 事業内容
  • 仕事内容
  • 社員インタビュー
  • 1日のスケジュール
  • キャリアパス
  • 研修制度
  • 福利厚生
  • 社内イベントの様子
  • 募集要項
  • 応募方法

テキストだけでなく、動画で掲載すると印象に残ります。採用ページの作成や改善のコツは、【完全解説】オウンドメディア採用の成功事例|成功する10ステップにまとめているので、参考にしてみてください。

AIを活用して採用活動を最適化する

AIを活用して採用活動を最適化するのもおすすめです。採用活動にAIを活用すると、以下のような業務を任せられます。

AIを活用できる主な採用業務

  • スクリーニング
  • マッチング
  • チャットボット
  • スカウトメール文のクオリティ向上
  • 採用活動のコンサルティング

高性能なAIに自社の採用活動を相談して、客観的な分析や改善提案を受けることで、成果に繋がりやすくなるでしょう。AIを活用するコツは、【徹底比較】AI採用のメリット・デメリットと現場の成功事例を紹介にまとめています。

採用活動におすすめのAIツール

採用活動にAIを導入する場合は「HELLOBOSS」がおすすめです。

AIが採用業務をサポートします。

HELLOBOSSのAI機能

  • 求人票の自動生成
  • 候補者の自動マッチング
  • スカウトメールの最適化
  • 応募者のスクリーニング支援

10万人以上のユーザーデータを分析し、貴社に最適な人材をAIが推薦します。

採用担当者の工数を削減しながら、質の高い採用活動を実現できるでしょう。

月額4,000円から全てのAI機能を利用でき、成功報酬は一切かかりません。

無料から始められるので、AI採用の効果を実際に体験してみてください。

リファラル採用の制度を作る

社員に人材を紹介してもらう「リファラル採用」の制度を作ることも検討してみてください。社員の個人的な繋がりを通じて候補者を紹介してもらうため、通常の求人サイトや人材紹介では出会えない層にアプローチできる可能性があります。

リファラル採用の制度を作る流れは、以下のとおりです。

リファラル採用を導入する流れ

  1. 導入目的・目標の設定
  2. ペルソナの明確化
  3. インセンティブ・報酬制度の設計
  4. 社内告知・周知
  5. 選考フローの透明化と不採用時のフォロー策
  6. 入社後オンボーディング&定着支援
  7. 成果分析と継続的改善

リファラル採用のコツは、リファラル採用が難しい理由とは?注意点や失敗しないコツも解説にまとめています。

アルムナイ採用を実施する

アルムナイ採用は退職した元社員を再雇用することです。元社員はすでに自社の企業文化や事業内容を理解しているため、即戦力としての活躍が期待できます。

また、他社での経験を活かした新たな視点をもたらしてくれる可能性もあるでしょう。

アルムナイ採用を実施する方法や手順の例は以下のとおりです。

手順具体的な内容
1. 対象者の定義とリスト作成・再雇用の対象となる元社員の基準を設定(例:在籍期間、役職、退職理由など)
・退職者データベースの整備、連絡先の把握
2. コミュニケーションチャネルの構築・アルムナイネットワークの構築(専用SNSグループ、メーリングリストなど)
・定期的な情報発信(企業の近況、イベント案内など)
3. 再雇用制度の設計と周知・再雇用時の処遇(給与、役職など)の検討
・アルムナイ向けの採用ページ作成
・元社員への制度案内
4. 応募・選考プロセスの設定・アルムナイ専用の応募窓口設置
・通常の選考プロセスとの違いを明確化(例:一部選考免除など)
5. 受け入れ準備とオンボーディング・復帰後の業務内容や期待役割の明確化
・変化した社内ルールやシステムに関する再教育
・周囲の社員への周知と円滑な受け入れ体制の構築

元社員との良好な関係を維持し、企業の成長や変化を伝えることが、再入社のきっかけ作りにつながります。

採用戦略の策定や実行に課題を感じる場合、コンサルタントの支援も有効です。外部の知見やリソースを取り入れることで、採用活動の質を向上させられる場合があります。

ここでは、コンサルティング導入の判断軸から費用相場、効果的な活用法までを見ていきましょう。

採用コンサル導入の判断軸

採用コンサル導入の判断軸は、以下を参考にしてみてください。

採用コンサル導入の判断軸

  • 採用戦略の立案ノウハウがない
  • 採用課題が特定できず、改善が進まない
  • 専門的な知見や最新トレンドを取り入れたい
  • 客観的な視点から採用活動を評価してほしい
  • 採用ブランディングを根本から見直したい

これらの軸に複数当てはまる場合は、専門コンサルタントの活用を考えてみても良いでしょう。

ただし、まずはAIに相談してみるなど、低コストで試せるコンサルティングもおすすめです。AIに採用コンサルティングを受ける方法は、【徹底比較】AI採用のメリット・デメリットと現場の成功事例を紹介にまとめています。

採用コンサルの費用相場

採用コンサルの費用は、契約形態や支援範囲によって変動します。自社のニーズと予算に合わせて、適切なプランを選びましょう。

一般的に、プロジェクト単位での契約・月額顧問契約・成果報酬型の契約などがあります。それぞれの費用相場と特徴は以下のとおりです。

複数のコンサルティング会社から見積もりを取り、サービス内容と費用を比較してください。

採用代行とインハウスのハイブリッド活用

採用代行とインハウスのハイブリッド活用も検討してみてください。すべての採用業務を外部に委託するのではなく、自社の強みを活かしつつ、不足部分を専門サービスで補います。

自社に採用ノウハウを蓄積しながら、効率的に採用活動を進められます。

採用代行とインハウスの役割分担によるハイブリッド活用の例は、以下のとおりです。

立場主な業務・タスク例
外部コンサル・採用戦略全体の策定支援
・市場動向や競合の分析
・採用ブランディングに関する助言
・EVP(従業員価値提案)構築の支援
社内チーム・採用計画の最終決定と実行管理
・面接や候補者の最終評価(コア業務)
・社内各部署との連携、経営層への報告
・主要ターゲットへのダイレクトスカウト
・企業文化の発信、リファラル採用の推進
採用代行・応募者対応、一次的な書類選別
・面接日程の調整業務
・求人広告の運用代行
・スカウトメール送信の補助業務
・採用関連データの入力や集計作業
専門業者・採用サイトの企画・制作・運用
・採用動画や記事などの広報コンテンツ作成

自社のリソース状況や採用課題、強化したい業務領域を見極め、最適な組み合わせを検討しましょう。

最後に、採用戦略でよくある質問に答えていきます。

Z世代の採用戦略は?

Z世代は1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた層を指します。デジタルネイティブであるZ世代は、SNSや動画コンテンツを通じた情報収集が得意です。

また、社会貢献の意識や多様性、個人の成長を重視する傾向があります。Z世代に効果的な採用戦略のポイントは、以下のとおりです。

Z世代向け採用戦略のポイント具体的な施策例
情報収集の特性に対応・SNS(TikTok, Instagram等)での情報発信
・動画コンテンツ活用(社員Vlog、企業紹介)
・口コミサイト、OB/OG訪問機会の提供
価値観への配慮・企業の社会貢献性、SDGsへの取り組み発信
・多様性を尊重する企業文化のアピール
・個人の成長機会、キャリアパスの明確化
コミュニケーション・カジュアル面談、オンラインでの気軽な接点
・選考過程での迅速かつ丁寧なフィードバック
・リアルな職場環境や社員の声の発信
働き方の柔軟性・リモートワークやフレックス制度の導入
・ワークライフバランスへの配慮
・副業や学びの機会提供(企業による)

Z世代は多様な価値観を持っています。真摯なコミュニケーションを心がけることで、興味を持ってもらえる可能性が高まります。

人材を採用できない場合は採用基準を下げるべき?

人材を採用できない場合、採用基準を安易に下げると、長期的な視点ではリスクが生じる可能性があります。

採用基準を下げすぎるリスク

  • 求めるスキルレベルに達せず、業務遂行に支障が出る
  • 企業文化に合わず、チームワークが乱れる
  • 早期離職者が増加し、採用・教育コストが無駄になる
  • 既存社員のモチベーション低下や不公平感に繋がる
  • 既存社員の退職を引き起こす恐れがある

採用基準を見直す前に、まずは現在の採用戦略全体を再点検しましょう。募集チャネルの拡大、選考方法の工夫、企業の魅力発信の強化など、他に改善できる点がないか検討することが先決です。

採用する年齢層別の採用戦略フレームワークは?

採用する年齢層別によって採用戦略フレームワークは異なります。採用する年齢層別におすすめの採用戦略フレームワーク例は、以下のとおりです。

これらはあくまで一例です。企業の状況や募集職種、採用市場の動向などを考慮して、フレームワークを試してみてください。

効果的な採用戦略を立案し実行することで、自社に最適な人材を獲得できます。

採用戦略は以下の17ステップで策定できます。

採用戦略・計画の立て方17ステップ

  1. 採用の専任担当者を配置する
  2. 事業計画の把握
  3. 足りない人材の把握
  4. 採用フレームワークで内外環境を分析
  5. 採用ペルソナの設計
  6. 採用チャネルの選定
  7. 採用ファネル設計
  8. KGI・KPI設定と予算配分
  9. 求人票の作成
  10. 待遇改善など社内体制の整備
  11. キャリアプランの明確化
  12. 各部署や経営層に協力してもらう
  13. 面接の質問や評価を決めておく
  14. 面接官のトレーニング
  15. 内定後フォロー
  16. オンボーディング対策
  17. PDCAサイクルを回して改善していく

これらのステップを実践することで、戦略的な採用活動を展開できるでしょう。

採用活動が困難な場合は、ダイレクトリクルーティングやAIツールの活用、SNSでのタレントプール形成なども検討してみてください。

AIを活用したダイレクトリクルーティングツール

HELLOBOSS」は10万人以上のユーザーの中から、AIが貴社に合う候補者を推薦してくれます。

月額4,000円からスタートでき、成功報酬は一切かかりません。

無料から始められるので、戦略的な採用活動を実際に体験してみてください。

貴社の採用戦略立案と成功の参考になれば幸いです。

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